無形商材/サービスを売るためには、まず5つのサービスの特性を押さえたい。

予約ラボ ミッション

「む、むけーせーの回避ですか??」
これが2014年ごろ、初めて私が無形商材/サービスを売るための考え方としての「サービス・マーケティング」という研究分野に出会った時の反応です。簡潔に説明すると「製造業で発展した物財を売るための手法と、形のない(手で触ることができない)サービスを売るための手法は違います。さて、なぜ違うのか?」という話だと解釈しています。
「むけーせー」というのは「無形性」というサービスならではの特性の1つを指すのですが、この記事では、そんな予約ラボのサービスマーケティングとの出会いと、サービスマーケティングを考える上での初めの一歩となるサービスの特性5つ「無形性」「異質性/非均一性」「同時性/不可分性」「消滅性」「変動性」について簡単にご紹介いたします。

なぜ予約ラボが「サービスマーケティング」を語るのか?

予約ラボはこれまで、その宣言文である

「予約の知見」で「サービスの現場」を科学し、
そこに眠る価値を発見・共創していく、日本で唯一の予約研究機関です。

にある通り、形のない商品である「サービス」に着目してきました。理由はシンプルで、「予約」という性質上、それがBtoCであれ、BtoBであれ、CtoCであれ、物財とは異なる「サービス」を提供する企業様とのお付き合いが多く、自らもサービス業であることからも「サービス」をどう販売し、売上につなげるのかを考えるのは、人が呼吸をするかのごとく自然な流れではありました。

そこに「サービスマーケティング」という考え方を持ち込んだのは、当時、予約ラボの立上げを指揮した弊社の井出でした。正直、私自身も当初は「なんだかお固い話だなぁ。。」「言われてみれば確かにそうだけど、ビジネスの実戦で使えるのかなぁ。。」とやや穿(うが)った見方をしていたのはここだけの話。。(笑)

というわけで徐々に「サービスマーケティング」という考え方が予約ラボに浸透し、その理論を後ろ盾としたサービスの体験記事や、インタビュー記事、そして自らの実践とお客様へのご提案を通して、理論だけでなくビジネスの現場で実践的に「サービスマーケティング」を活用できるようになってまいりました。

サービスマーケティングの前に、サービスの特性を知る。

最近は「予約の顧問サービス」を実験的にリリースし、CtoCの予約サービスのアドバイザーとしてもサービスマーケティングを活用させていただいたり、外部のセミナーへの登壇時なども、自己紹介として「予約を起点とした、サービスマーケティングのご支援をさせていただいています」とお話しすることも多くなってきました。

そこで課題になるのが「サービスマーケティング」という言葉の浸透度です。BtoBマーケティングの専門家である株式会社才流(サイル)の栗原さんでさえ、予約ラボに出会うまであまり聞いたことがなかったそうです。最近は彼の個人ブログで『BtoB商材も「体験」をもっと可視化すべき』というお気づきをいただいたようで、嬉しく思いました。我々もずっとSaaSをやってきている会社ですし、予約ラボもBtoBなので、自分たちのサービスマーケをちゃんとやらないと、、という思いでこの記事を執筆しております。

認知度があまりなく、そもそも「サービス」と「マーケティング」という二つの言葉の定義も、ふわっとしてしまいがちなワードだと思います。まず「サービス」というだけでも、美容師さんのカットもサービスですし、タキシードの販売員さんのおもてなしもサービス、才流さんや予約ラボが提供しているようなコンサルティングやアドバイス業などもサービス、SaaSもSIもサービス、編集やデザインもサービス、企業内の健康診断もサービスです。なので、まずサービスってなんだろう?ということで、物財(有形財)との違い、つまり「サービスの特性」を知るというのが、サービスマーケティングの第一歩だということで、手元の書籍と論文を参考に記載させていただきますね。

サービスならではの5つの特性とは?

特性 解説 美容院で例えると
無形性 形がない
→サービス内容・工程・違いが分かりにくい
髪をカットしたり、洗ったりする行為には、形がない。
異質性
/非均一性
品質を標準化することが難しい(バラツキがある) 美容師によって、カットや接客のスキルはばらつく。
不可分性
/同時性
生産と消費が同時に発生する 顧客は、美容院に行くか、美容師とどこかで一緒にいない限りカットできない。
消滅性 在庫の保存ができない 1日前の美容師の空き時間に、今日カットすることはできない。
変動性 季節や時間帯によって需要が変動する 平日の昼間は比較的すいているが、土日は混雑する。

といった具合に、サービスの特性を語る際は、書籍によりますがこのように4つか5つに分類されたりします。分かりやすいように、具体例として美容院の事例を挙げておきました。私が理論を開発したわけではないのですが、ざっくりこんなイメージということだけ抑えておいていただければと思います。サービスマーケティングの一つの考え方は、この形のない(触れることができない)サービスならでは特性を踏まえた上で、各特性によって起こるリスクや問題をどのように回避するのか、、ということにあります。例えば、カットや接客のスキルは形にすることが難しいので、カットモデルの写真やユーザーレビューをホームページに掲載する。これがつまり「むけーせー(無形性)の回避」というわけです。恐らく、読者の皆さんも、初めての美容院や飲食店、ホテルに泊まる際に、そのサービスが自分に合っているかどうかを、サービス内容や雰囲気、アクセス、所要時間なども含め、ホームページや口コミを見て、多角的に比較検討し、意思決定しているかと思います。サービスをお客さんによりスムーズに利用してもらうために、サービスならではの特性を押さえておくと、貴社のマーケティングでやるべきことが見えてくるかもしれません。

■参考
サービスの諸特性とサービス取引の諸課題』小宮路雅博:まずはさくっとPDFで。

サービス・マーケティング入門 』(日経文庫):井出からはまずこの新書型のものを勧められました。

サービス・マーケティングの原理』クリストファー ラブロック, ローレン ライト:ちょいと重たい書籍ですが、図表も豊富でよく参考にしてます。

この記事の著者、最近書いた記事

星野 陽介

予約ラボ所長。2012年に(株)リザーブリンクに入社し、3000件以上の予約管理の課題解決に関わる。国内最大規模のクラウド型予約システムであるChoiceRESERVE事業部責任者を経て、2018年より予約ラボ所長として、利用者と事業者双方の視点で「予約の知見」と「サービスの現場」を研究・発信中(twitter)。旅、料理、野球が好き。1985年浦和育ち・世田谷在住。「予約」と「サービス・マーケティング」の専門性を活かした顧問サービスのご相談や、予約ラボに関わってみたい!という方、お気軽にお問合せください。

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