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広域観光を推進する北海道占冠村の観光・インバウンドの取り組み

広域観光を推進する北海道占冠村の観光・インバウンドの取り組み

先日、予約ラボの取材で星野リゾート トマムを訪問してきました。その星野リゾート トマムは北海道勇払郡占冠村(ゆうふつぐんしむかっぷむら)にあります。

訪日外国人が多く訪れる大型観光施設を抱える自治体が、どのようなインバウンド・地方創生施策を行っているのか?

星野リゾート トマムという通年型リゾートホテルを有する占冠村が行う観光対策、また抱える課題や今後の展望について、占冠村役場 企画商工課の後藤氏・小嶋氏にお話を伺いました。

今回の内容

  • 【占冠村概略】北海道の中央にある自然豊かな村
  • 【観光とインバウンド】今後は個人旅行にも注目、滞在日数を増やしたい
  • 【星野リゾート トマムと占冠村】トマムから30km、距離を埋める魅力を
  • 【地方創生とインバウンド】体験は移住のタッチポイント
  • 【番外編】自然と人の癒しスポット!自然体感占冠へ行ってきた!

 

【占冠村概略】北海道の中央にある自然豊かな村


北海道のほぼ中央に位置し、千歳空港からJRや車で約1時間ほど、人口1,195人(2015年10月現在)の占冠村。
主な産業は、村の94%を占める山林を活用した「林業」、新エネルギーとして注目を集める「木質バイオマス」、そして村の中心産業である「観光」です。

占冠村には日本3大激流で本格的なラフティングが楽しめる鵡川や、クライマーの聖地と言われる赤岩青巌峡などがあり、観光資源としての自然に恵まれています。

【観光とインバウンド】今後は個人旅行にも注目、滞在日数を増やしたい

星野リゾート トマムはインバウンドも好調ですが、実際、占冠村にも訪日外国人の観光や対策はしていますか?

後藤氏今はインバウンドでトマムは非常に好調いただいていています。また富良野というブランドも近くにあるので、バスの団体旅行で富良野に入っていたお客様が、今度は個人旅行としてレンタカーで回るということも増えてきています。

ただ、インバウンドが好調なうちはそれでいいんですけども、それがふっと終わったときに、どうなるかなという不安は漠然とはありますね。

さらに最近は欧米のお客様が自転車で北海道内を旅行することが多くなってきているみたいです。

道の駅にあるレンタルサイクル。シーズン後半ではバイクタイプが人気であった。

後藤氏実は富良野、美瑛、美瑛から占冠村まで、6市町村で広域の観光事業を展開しています。もう十何年か続けていて、今年にでもブランド観光圏(※1)の認定を受けられるかの最中です。

その6市町村では、今サイクルツーリズムというものを中心に進めています。

まだ手探りの段階なので、今年はアンケートに答えていただくことが前提で、無料で自転車を貸し出すことを始めました。

自転車なら20キロ圏内であれば、1時間ぐらいで移動ができます。最終的な目標としては、荷物を次の宿泊地に運びながら自転車で巡ってもらうことを目指しています。

そして、そういったツアーを2泊なり3泊で展開できるような素材にしていきたいというのが、今の願いですね。

占冠村ニニウキャンプ場

そのままの自然を楽しめるニニウキャンプ場。WiFiが接続できる。

後藤氏公共施設でいうと、ニニウキャンプ場があります。おかげさまで週末はほとんど予約でいっぱいです。
本当に自然の中でキャンプができるっていうのが売りになっています。それが今人気をいただいて、インフラ的なところで追い付かない状況にもなっています。利用者は札幌圏からが大半ですが、最近では海外からの方も利用されています。

※1 観光圏
観光圏とは、自然・歴史・文化等において密接な関係のある観光地を一体とした区域であって、区域内の関係者が連携し、地域の幅広い観光資源を活用して、観光客が滞在・周遊できる魅力ある観光地域づくりを促進するもの。(観光庁HP http://www.mlit.go.jp/kankocho/shisaku/kankochi/seibi.html より)

【星野リゾート トマムと占冠村】トマムから30km、距離を埋める魅力を

自治体と大型リゾート施設、占冠村にとって星野リゾート トマムとはどのような関係ですか?

後藤氏 星野リゾートさんが入ったことで、村で特別アピールをしなくても星野リゾート トマムへ集客をしていただいてます。ただ村の中心から30kmあり、本当に町一つ隔てるぐらいの距離があるので、一体になって観光事業ができるような環境がなかなか作れないという課題があります。

仕掛けはいろいろとやっていて、例えば、今回(スキーの)シーズン券を買っていただいたお客様には、(村にある)湯の沢温泉の入浴を優待するとか、そういった仕掛けを始めました。

あと夏場ですと、ラフティングを使ってもらって、ニニウのキャンプ場のほうに来ていただくとか。直接的じゃないんですけれども、そういった仕掛けもしているんですけれども、なかなか本格的な流入っていうものにはつながってないなというのは、ずっと抱えている課題ですね。


小嶋氏星野リゾート トマムでは、雲海テラスがすごい有名じゃないですか。それを見るために連泊する。それで星野リゾート トマムを拠点として、有名な富良野や十勝に行こうというプランが観光客の中であるようで、そのお客様の数がすごい多いらしいですね。

後藤氏またリゾートのお客様がリゾート内だけで完結してしまわないようにしたいというのは、ずっと占冠村が抱えている課題の一つ。そのためには、やっぱりこの30kmの距離を埋めるだけの魅力を、こっちのほうで作っていかないといけないです。

距離を埋めるためのアイデアはいろいろあります。村で運営しているバスに観光客を乗せられないかとか。

先ほどのレンタルサイクルでいうと、占冠村を走るJRの特急に自転車を乗せて移動できないかという案もあります。欧米では自転車をそのまま乗せることが当たり前になっていますが、JR北海道に関しては完全に車体を包まないと、乗せられないという規則になっています。このエリアで試験的にやってくれないかとかいう働き掛けをするのもあるかなっていう話はしているんですけども、実際にはまだ実現はしていません。

【地方創生とインバウンド】体験は移住のタッチポイント

占冠村パンフレット

野生動物を紹介したマップや英語に対応したパンフレット充実している

国が進めるインバウンド施策で地方創生につながる実感はありますか?

後藤氏国が打ち出した2020年の訪日外国人観光客数目標を3000万人という目標があるので、それに向けての事業を採択がされていくわけですが、例えば占冠村でやっているレンタルサイクルの小さい事業とかにまで波及はしてこないです。ただ、それぞれ違う面があるので、地方創生だけでなくいろいろな事業に、やらせてもらえるのがいいのかなと思っています。

観光が活性化することで変化はありますか。

小嶋氏ちょっと長い観光で来ていただいても、結局移住にはつながらないですね。でも体験してみないと、住む気にもそもそもならないから。本当にちょっとしたタッチポイントです。

後藤氏移住者が増えないと仕事が増えないし、仕事が増えないと人が来ないっていう、ニワトリと卵の話です。本当にジレンマなんですよね。なので、星野リゾートがあるっていうのは、一つうちの強みではあります。

それでも、出ていってるほうが圧倒的ですね。少子化で子どもの数自体も減っているんですけども、あとは自然減ですね。どうしても勝てないところなので、考え方としては現状維持。あるいは、どんと落ちないように、緩く減っていくところを維持していくというのが現在の目標です。

取材を終えて…

高速道路の開通で、占冠村まで車で約1時間というアクセスが実現した一方、占冠村を通過してトマムまで直接アクセスもできるようになりました。そのため、以前は占冠村で観光をして、トマムへ行く観光客が多くあったが、今ではほとんど立ち寄られなくなったということです。
しかし、美瑛・富良野への分岐点でもある占冠村は、広域観光事業として新たな流入と回遊に取り組んでいます。

観光庁2014年「訪日外国人消費動向調査」では、地方のみの訪問者は7割が団体ツアーで、北海道への訪問率が最も高くなっています。また、地方のみの訪問者は「自然・景勝地観光」「スキー・スノーボード」などの実施率が高く、占冠村はその条件にマッチしています。
行政によるICTを活用した地方創生への取り組みが注目が集まる中、自治体と共にその土地の魅力を発掘、提供、発信する企業をいかに呼び込めるかも今後の課題であると感じました。

さて、そんな占冠村、インタビューの合間に少しだけ、ご案内いただきました。

【番外編】自然と人の癒しスポット!自然体感占冠へ行ってきた!

ちなみに、占冠村にある星野リゾート トマムでは、2015年夏からアクティビティのネット予約を開始。ネット予約の導入によりアクティビティは2倍の売り上げを達成しました。クラウド型予約システムの活用で、地域活性化のお手伝いができればうれしいです。

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