架電の集中やオペレーター不足で、コールセンター運営の最適化に悩んでいる方は多いのではないでしょうか。このような課題の解決には、コールバック予約システムがおすすめです。

この記事では、コールバック予約システムの概要や特徴、実際の導入事例などをまとめて解説します。コールバック予約システムとはどのようなシステムなのか理解できるようになりますので、ぜひ参考にしてみてください。

コールバック予約システムとは

ヘッドセット

コールバック予約とは、利用者が予約をした指定時間帯に企業側から電話をかけることです。架電集中の回避やオペレーターの負担軽減などを目的として、多くのコールセンターで導入されています。

コールバック予約システムとは、コールバックを実現するためのシステムを指します。予約の方法には下記の2種類があり、いずれかの方法を採用することが多いです。

時間割型

予約ページや問い合わせページに表示された時間割表を見て、利用者が空いている枠を確認して予約をする方法
架電が集中しやすいコールセンターで採用されることが多い

フォーム型

コールバック受付フォームに、利用者が希望する時間帯を入力する方法
新規顧客を対象としたコールセンターで採用されることが多い

コールバック予約システムの3つの特徴

電話をする女性

まずは、気になるコールバック予約システムの特徴をご紹介します。コールバック予約システムを導入することで得られるメリットも理解できるため、確認してみましょう。

業務効率化につながる

コールバック予約システムを導入すると、必要なオペレーターの人数を事前に把握できます。例えば、3日後の10時から11時の間に3件の予約が入っていたとすると、この時間帯には3名のオペレーターを必ず確保しなければなりません。
あらかじめ必要な人員の目安が分かるため、オペレーターの負担を分散しながらシフトが組めるようになります。

また、コールバック予約時に問い合わせ内容を把握しておくと、対応時にスムーズなやり取りができます。専門性の高い内容やクレームなど、問い合わせ内容によってオペレーターのスキルに応じた振り分けも可能です。

放棄呼やあふれ呼の対策ができる

コールバック予約ができると、コールセンターへの架電を分散できるようになります。その結果、放棄呼(放棄されたコール)やあふれ呼(回線数やオペレーター数以上の入電により電話対応できない状態)の対策へとつながります。

コールセンターが混み合いオペレーターにつながらないと、利用者の不満が募ります。それだけでなく、自社の商品やサービスに興味がある利用者との接点が持てず、機会損失につながることも考えられるでしょう。

放棄呼率やあふれ呼率は、コールセンターの重要なKPIとして設定することが多いです。コールバック予約システムは放棄呼やあふれ呼を抑え、コールセンター運営を最適化できるところも特徴です。

顧客満足度の向上につながる

コールセンター側から利用者に架電をする手段があると、顧客体験の向上につながります。一方通行のサービスではなく、双方がコンタクトを取れるシステムを構築することで利用者の満足度も高くなります。

例えば、仕事や家事でコールセンターの営業時間内になかなか架電ができない利用者も、コールバック予約システムがあれば自身の休みやスケジュールに応じて予約ができるようになります。

コールバック予約システムを導入した各社の事例

パソコン

ここからは、コールバック予約システムを導入している企業の事例をご紹介します。どのように活用されているのか具体的に把握するためにも、ぜひ参考にしてみてください。

株式会社ニトリ

「ニトリ電話予約サービス」サイトから、氏名や連絡先などの予約情報を入力し、カレンダー形式で表示された日時(1時間ごと)から、希望の日時を選択します。

問い合わせ内容を記載する欄がなく、メンバーズカード番号の入力も任意であることから、会員ではない方も含めてニトリの店舗や商品、配送などを含めた総合的な問い合わせ窓口として利用が可能です。

▼ニトリ電話予約サービス:https://nitori.resv.jp/

ソニー損害保険株式会社

「ソニー損害保険株式会社」は、自動車保険の契約者を対象に専用フォームからの申し込み形式でコールバック予約サービスを提供しています。

自動車保険の契約後には自動車の買い替えや保険契約の満期、変更の手続きなど、問い合わせが必要となるタイミングがあります。そのため、時間帯や曜日によっては、コールセンターが混み合うことがあったそうです。

そこで、契約者の円滑なサポートを図るために導入されたのがコールバック予約サービスです。

契約者ページにログインをするとコールバック専用のフォームが用意されており、手軽に申し込みができます。予約フォームには、電話番号や予約日などの基本的な情報を入力するだけで申し込みが完了します。

▼コールバック予約サービス:https://faq.sonysonpo.co.jp/faq_detail.html?id=296

アクサ生命保険株式会社

「アクサ生命保険株式会社」では、保険商品を検討している人を対象にコールバックの予約をおこなっています。コールバック予約には複数の導線を設けて利用者が見つけやすいように工夫をし、予約段階で要件を絞り込めるようになっています。

専用フォームには電話番号や予約日の選択の他に、用件を選択する項目が設けられています。保険の相談やパンフレットの請求など問い合わせ段階でセグメントをすることで、オペレーターが対応しやすい状況を作っているところが特徴です。

▼コールバックの予約:https://www.axa.co.jp/request/callback/

DTI

インターネットプロバイダーサービスを提供している「DTI」では、カスタマーサービス利用者を対象にコールバック予約を実施しています。

予約ページは予約日を選択しやすいカレンダー型になっており、利用者のスケジュールに応じて選択しやすいところが特徴です。予約したい時間帯をクリックすると、電話番号や問い合わせ内容を記入するフォームへと移行します。

利用者が分かりやすいフォーム設計で、手軽に利用できるコールバック予約システムだといえるでしょう。

▼コールバック予約:https://secure.dti.ne.jp/cgi-bin/callbackservice/main.cgi

コールバック予約システムを導入するときのポイント

問い合わせ対応をする女性

最後に、コールバック予約システムを導入するときのポイントをご紹介します。コールバック予約システムを有効活用するためにも、事前に把握しておくといいでしょう。

予約時に問い合わせ内容を絞り込む

1つ目は、予約時に利用者の問い合わせ内容を絞り込むことです。利用者に架電をする前に問い合わせ内容を把握できることで、適切なオペレーターの選定や通話時間の短縮につながります。

コールバック予約システムの予約フォーム内に資料請求や商品の使い方、料金についてなどいくつかの選択肢を用意して、利用者に選んでもらえるようにするといいでしょう。

コールバック予約システムを利用しやすい導線を作る

2つ目は、コールバック予約システムを利用してもらえる導入を作ることです。コールバック予約を用意しても利用者が使わないと、あふれ呼の防止や業務効率化などの課題を解決する手段となりません。

  • 問い合わせページや関連ページにコールバック予約システムへのリンクを設置する
  • チャットボットや有人チャットと連携する
  • SNSやブログなどのクラウドサービスで拡散をする

上記のような策を実施してコールバック予約システムの存在を周知し、利用者を増やせるようにしましょう。

コールバック予約システムを運用して課題を解決

コールバック予約システムを導入することで、放棄呼・あふれ呼の発生やオペレーターの負担の分散などコールセンターの課題を解決できます。それだけでなく、利用者にとっても利便性が高く、顧客体験価値の向上につながると期待できるでしょう。

今回ご紹介した事例やコールバック予約システムを導入するときのポイントを参考にしながら、導入を検討してみてください。

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