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不動産取引・賃貸契約が大きく変わる?「IT重説」の可能性

知る・学ぶ

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2021.11.30 2022.12.23
予約ラボ編集部

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引っ越しや住宅購入の契約時に、賃料や解約、違約金、使用条件などの説明を受けて、聞きなれない用語が多いと感じた方も多いのではないでしょうか。家族が同席できずに、もう一度説明を聞きたかったという方もいるかもしれません。

不動産取引や賃貸契約の前に欠かせない「重説(重要事項説明)」とは、宅地建物取引士(宅建士)が、重要事項を説明することを指します。従来は対面で行っていましたが、2017年(平成29年)からオンライン対応も可能になりました。IT重説ができるようになったことで、今後の不動産取引はどう変わっていくのでしょうか。

この記事では、IT重説の可能性に焦点を当て、オンラインで不動産取引をする際のフロー、メリット・デメリットを紹介します。不動産業者から見た、IT重説のメリットと課題のほか、今後についても解説していますので、ぜひ参考にしてください。

不動産取引のフロー(従来の来店型)

賃貸契約や不動産売買、交換などで、不動産業者を経由する際には、不動産取引が発生します。不動産取引について、まずは従来のフローやメリット・デメリットを確認しましょう。

【来店型】店頭で直接やり取りする方法

①来店
②物件の選別
③内覧・内見(来店)
④申し込み
⑤重説・契約

不動産業者を訪ねて、条件に合う物件があるかを担当者と相談しながら、いくつかピックアップします。事前にインターネットや店頭の張り紙などで、目星を付けているケースもあるでしょう。興味のある物件が見つかったら、現地で内覧・内見をして申し込みをします。重説を受けた後に、契約手続きを行う流れになります。

来店型のメリット

直接物件を見て判断できることが、来店型の最大のメリットです。自分の目で隅々まで確認できるため、物件の雰囲気、日照、騒音、景観、周辺状況、環境も把握しやすいでしょう。不明点があれば、業者に直接質問ができることも魅力です。

来店型のデメリット

物件を訪れる時間や交通費がかかることが、デメリットと言えます。特に、遠方だったり時間がなかったりする場合は、見学当日に契約が必要なことも。また、学生であっても、状況によっては1人で全てを決めなければならない可能性もあります。進学を控えた高校生には荷が重いかもしれません。他にも、急に転勤が決まった場合は、転勤者の家族が同席できずに、家族の意向を反映できないこともあるでしょう。

オンライン不動産取引のフロー(オンライン型)

IT重説が可能になってからは、オンラインを活用した不動産取引が増加しています。グループ会社の累計が1,000件に達した事例があるなど、IT重説の需要が増加している傾向です。

【オンライン型】完全オンラインでやり取りする方法

①物件検索
②業者に問い合わせ
③オンライン内覧・内見
④申し込み
⑤オンライン重説・契約

オンライン型の場合は、不動産業者のサイトから物件を検索して、契約者自身が物件の目星をつけておきます。事前にオンラインで契約まで完結できる業者であるかも、確認しておきましょう。物件が見つかったら業者に問い合わせ、オンラインで内覧・内見をして申し込みをします。重説や契約もオンラインで行うので、不動産業者と直接会うことはありません。

【オンライン型】IT重説を活用した方法

①物件検索
②業者に問い合わせ
③内覧・内見(現地またはオンライン)
④申し込み
⑤オンライン重説
⑥契約(対面またはオンライン)

IT重説を取り入れた不動産取引の場合は、来店型とオンライン型の併用になります。物件探しはサイトで検索するか、不動産業者の店舗で行います。問い合わせ後の内覧・内見は、業者によって現地かオンラインで異なります。物件が決まり申し込みをしたら、IT重説に進みオンラインで説明を受けます。最後は、対面またはオンラインで契約を結びます。

オンライン型のメリット

全てオンラインで完結するため、現地に行かなくても良いことがメリットです。コロナ禍で、他者との接触を避けられるほか、家族など複数人で物件を確認できることが魅力です。契約時にも、オンラインで家族の同席も可能です。過程を録画することで、後日ゆっくりと確認し直すこともできます。

オンライン型のデメリット

物件を見られるとはいえ、直接訪問することに比べると、隅々まで細かく見ることは難しいでしょう。日照や景観などは、ある程度オンラインで把握できても、騒音や周辺状況までは掴むことが難しいと言えます。

不動産業者側から見たIT重説のメリットと課題

【メリット】全国からスタッフ・顧客を集められる

不動産取引を全てオンラインで完結できれば、受付や宅建士といったスタッフを全国から募集できます。例えば、物件1件あたりの契約報酬を提示することで、地方にある小規模の不動産業者であっても、全国から宅建士を集められるのです。土日のみ、夕方のみなど、柔軟に契約をすることで、人材を広く募ることができます。

同様に、地方の不動産業者であっても、全国の顧客と取り引きが可能になることもメリットでしょう。オンラインで完結することで、居住地を問わずに取引ができるので、新規顧客の開拓もスムーズになります。

また、大規模マンションなどの売買契約の場合には、内覧会と合わせて複数人の重説・契約が重なることも珍しくありません。その場合も、オンラインであれば、画面を切り替えるなどして同時に対応できることも、IT重説のメリットと言えるでしょう。

【課題】IT環境の整備、契約後のギャップ軽減に注力

一方で、内覧・内見を全てオンラインで行うため、オンラインで見た時と実際に住み始めてからのギャップが起こらないように注意しなければなりません。顧客が疑問に思う部分を明記し、細部まで確認できるようカメラのアングルを調整しましょう。

宅建の免許や重説、契約項目など、画面上で顧客がしっかり認識できるように工夫することも重要です。近年はテレワークが普及し、オンライン会議の経験があったり、学生は授業、保護者は保護者会がオンラインで開かれたりしますが、顧客がスムーズに操作できるよう、ツールの使い方、物件の見せ方などを検討する必要があります。

また、インターネット環境が整っていない、回線速度が遅いといった顧客に対して、どのように対応していくかも課題です。スマホから閲覧できるようにするなど、利便性を向上させることも欠かせません。

今後の不動産取引

IT重説が普及し始めた今、ますますオンラインの不動産取引が増えていくことが予想されます。オンラインを活用して新規顧客の開拓を目指すためには、まずは課題をしっかりと認識することから始めましょう。

不動産業者と顧客の両者にとって、申し込み、内覧・内見、重説、契約といった一連の流れを、予約システムで管理できると便利でしょう。異なる場所に住む複数人が、予定を調整できるようなシステムであれば、場所を問わずに参加できるからです。

特に、遠方の物件を取引する場合は、オンラインに頼らざるを得ないので、家族の確認や宅建士の参加など、「日程調整」がポイントとなります。大規模マンションの内覧会なども同様で、複数人の予定を調整して管理できるシステムが求められています。

申し込みから予約調整、内覧・内見、重説、契約までを、一気通貫できるシステムがあれば、IT重説をはじめとするオンラインの不動産取引において選択肢が増えることは事業者にもユーザーにもよいことですね。

予約ラボ編集部

予約一筋15年のリザーブリンクが運営する『予約ラボ』の編集部です。注目のサービスや、予約から始まるサービス体験、予約管理にまつわるビジネスノウハウまで、「予約」に関するあらゆる情報をお届けします!共同研究のご相談や、予約ラボに関わってみたい!という方、お気軽にお問合せください。

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