ドタキャン防止システムからひも解く有効な対策とは?|飲食店から面接まで損害をなくそう
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予約のお客さまや面接の応募者が当日連絡なしに来ない直前キャンセル、通称「ドタキャン」。
これが発生すると企業や店舗にとっては大きな損害となります。飲食店のドタキャン防止のために作られた「ドタキャン防止システム」をはじめ、ドタキャンへの対策方法も多くあります。
この記事では、ドタキャンを防止したい飲食店や美容院など店舗の方や、企業の採用担当者の方のために、有効な対策方法を解説します。ドタキャンへの対策を万全に行い、売上減や機会損失などを防ぎましょう。
飲食店のための「ドタキャン防止システム」の特徴や機能について
ドタキャンやノーショー(No show、無断キャンセルを指す)が発生すると、見込んでいた売上が減少するほか、予約のために確保しておいたスタッフの人件費コストが無駄になる、他のお客さまの利用機会の損失、飲食店などの場合は食材費などのロスも生まれるため、大きな損害につながります。
とはいえ、新規客の予約を断ることは顧客の囲い込みの損失につながるため、ドタキャンやノーショーのリスクは踏まえつつも、予約は受けいれているという飲食店が多いでしょう。
ドタキャンやノーショーを防ぎ、大きな損失から事業者を守るために生まれた飲食店向けサービスが、「全日本飲食店協会」が立ち上げた「ドタキャン防止システム」です。このシステムの特徴や機能について解説します。
過去のドタキャン履歴を共有できる
ドタキャン防止システムは、予約希望者の電話番号から過去のドタキャン履歴が照会できる仕組みになっています。常連ではなく、新規顧客から予約を受けた際に、ドタキャンやノーショーを心配する飲食店は多くなっています。その際、電話番号をドタキャン防止システムで照会することで、ドタキャンする可能性がある顧客かどうかの検討材料となります。
飲食店であれば登録可能
ドタキャン防止システムは、「全日本飲食店協会」が立ち上げたシステムです。飲食店経営者であれば誰でも会員登録でき、利用料金も無料となっています。
電話番号は登録店舗による申告制
ドタキャン防止システムに電話番号を登録する、いわゆるブラックリストに電話番号を載せるためには、登録している飲食店からの申告が必要となります。ドタキャン防止システムは、飲食店同士がドタキャンから店舗を自衛することを目的に立ち上がったサービスのためです。
完全にドタキャンが防げるわけではない
ドタキャン防止システムを利用してドタキャン履歴が照会できれば、ドタキャンが懸念される顧客の予約を断る、キャンセル料を取る、前金制にするなどの対応ができます。ただし、ブラックリストに載っている場合でも、電話番号変更やなりすまして予約される場合もあります。
ドタキャンを効果的に防ぐには予約を受ける側の対応も問われるため、ドタキャン防止システムだけでドタキャンやノーショーを完全に防げるわけではありません。
※2021年9月現在、「ドタキャン防止システム」は新規の登録受付を一時停止しています
ドタキャンが発生する原因
飲食店をはじめとした外部サービスの店舗や企業で、なぜドタキャンが発生するのかを解説します。
当日まで支払いが発生しない
飲食店などの場合、事前に予約されていても支払いは当日利用後という場合が多いです。当日キャンセルでも予約者側には何のペナルティも発生しないため、安易な気持ちでドタキャンしてしまう理由となっています。
予約者が予約したことを忘れてしまう
予約したお客さまや応募者が、予約したという事実自体をうっかり忘れて意図なくドタキャンしてしまうパターンもあります。予約者に悪意がないため、飲食店側や企業側も責任を問い質したり、ペナルティを与えたりということはひかえる場合が多いでしょう。
日時の取違い
予約者が日時を間違えて予約し、ドタキャンしてしまうパターンです。または、電話など予約のやり取りが記録できない方法で予約を取った場合に、「11時と17時」、「13時と午後3時」のように店舗や企業側が日時を間違って予約設定してしまう場合もあります。
予約者の情報が間違っていた
電話や直接訪問などで予約を取った場合のパターンです。電話番号やメールアドレスなど、予約者の個人情報が間違っていて連絡ができない場合があります。店舗側が予約完了連絡やリマインドの連絡ができないため、予約者側は予約が取れていないと思って結果的にドタキャンになることもあるのです。
特に業務中に予約受付も行っている飲食店などの場合、ランチタイムや土日祝前日の夜などは店舗での業務が大変忙しくなります。忙しいなかで電話や対面での予約受付をすると、聞き間違いやメモの書き間違いなどが発生する可能性も懸念されます。
ドタキャン防止対策に有効な方法
飲食店の予約や企業の応募者からの面接ドタキャンを防止するために、有効な方法を解説します。
受付確認対応はスピーディに行う
予約が完了したときには、お客さまや応募者への予約完了メールや電話での完了連絡をスピーディに行うことが重要です。予約完了連絡が遅いと、お客さま側で他のお店を予約してしまう可能性があります。
企業の面接の場合でも、対応が遅れると他の会社に内定を出されてしまうことがあったり、応募者がぞんざいに扱われていると感じたりしてしまう原因にもなり得ます。応募者が面接をドタキャンしてしまう可能性が高くなるため、対応はスピーディに行いましょう。
事前決済制を取り入れる
新規や団体予約客に限るなどの条件で、事前決済制を取り入れる方法があります。予約時に説明のうえ同時決済してもらう形にしておけば、ドタキャンが発生した場合でも売上は確保でき、さらに事前決済を拒否された場合は、予約不可といった対策が可能です。なお、利用規約などに「前金は受け取るがキャンセル連絡を〇日までに受ければ返金する」など、前金の取り扱いについても明確に掲載しておくとより効果的です。
当日キャンセルの規約を設ける
当日まで連絡なしでキャンセルの場合は、キャンセル料として利用料金の100%をいただく、などのキャンセル規約を設ける方法です。キャンセル規約を設けた場合は、事前決済と同様にホームページや予約ページ、予約完了メールなどに利用規約として明記しておく必要があります。
予約内容の記録を残す
予約日時の間違いや個人情報の間違いをなくすために、予約内容を確実に記録できる方法を取り入れるのもドタキャン防止に効果があります。電話に自動録音機能をつけたり、予約はメールやウェブページからのみにしたりといった方法があります。お客さまと従業員、企業の担当者と応募者側で「言った、言わない」などのトラブルも防げます。
リマインドをする
予約日時や面接日が近づいたら、リマインドとして予約者にメールで確認するフローを取り入れるのも有効です。予約の1週間前、前日などに送れば、万が一予約の日時が間違っていても予約の変更ができます。また、リマインドがメールだけでは予約者から故意に無視されるなどの場合があるため、電話を併用するとより効果的です。
クラウド型予約システムを導入する
クラウド型予約システムでオンライン決済ができるものを選ぶと、予約完了と同時に利用料金を受け取れるので、お客さま側での気軽なキャンセル=ドタキャンが防げます。さらに、予約完了メールにテンプレートとしてキャンセル規約を入れておく、予約や面接日のリマインドメールを設定したタイミングで自動配信するなどの機能も豊富にそろっています。
まとめ:ドタキャン防止対策をして、売上や機会の損失を防ごう
飲食店のドタキャン防止システムの概要とともに、ドタキャンが発生する原因と対策方法を紹介しました。
クラウド型予約システムを導入すれば、聞き間違いなどのミスも防げ、決済機能によってドタキャンが発生しても売上の確保につながります。予約業務そのものの負担を減らし、飲食店や企業での通常業務を効率化できるのもメリットです。