来店予約、イベント予約、スクールのレッスン予約など、Web予約システムを導入したサービス提供がさまざまな業種において増加傾向です。

オンライン予約を利用可能にするためにどのようなシステムを選べばよいかわからないという方に向けて、予約システム導入のメリットや選び方、注意点などを解説します。無料で試してみる前に知っておきたい基礎知識として参考にしてみてください。

予約システムの導入で得られるメリット4つ

MERITと書かれた単語カード

新規で予約システムを導入することでどのようなメリットがあるのか、ここでは具体的にメリットを4つ挙げて解説します。

24時間対応で営業時間外も予約受付が可能になる

電話予約や来店時の次回予約のみの受付と並行してWeb予約も可能にすることで、24時間365日いつでも顧客の都合のよいときに予約できるようになります。そのため、営業時間内に電話をかけられなかったということがなくなり、予約の利便性の高さで見込み顧客を取り込む集客効果を期待できることはメリットです。

また、顧客側もリアルタイムで予約の空き状況一覧の確認ができるので、より確実な予約を簡単に入れることができます。店舗のスタッフも、営業時間内の電話対応が減ることで提供するサービスの品質アップに注力できるので、顧客満足度の向上が期待できるでしょう。

営業時間外やレッスン中に予約の電話に出られない

事前決済で直前のキャンセルを防止できる

予約システムのオンライン決済機能で、顧客が予約時点のクレジットカード決済で支払いを完了させることが可能です。電話予約では当日まで支払いがなく、これまでは直前キャンセルや無断キャンセル(ノーショー)の原因にもなっていました。しかし、事前決済を可能にする予約システムの導入によって、店舗側はそのような損失のリスクを回避することができます。

また、店舗スタッフは当日の入金確認が不要になり、顧客は当日の支払いの手間がなくなることも、双方にとってメリットです。

事前決済(クレジットカード決済)で予約システムを活用

予約管理業務の効率アップと顧客情報の管理・分析に役立つ

予約システムでは、予約に関連した顧客向けメールの自動送信が可能です。予約を受けた時点の予約受付メール、予約日が近づいたときにリマインドする直前お知らせメール、来店後のサンキューメールなど、メール送信の自動化は業務の効率化に役立ちます。

キャンセル待ち機能が利用できる場合は、予約枠に空きが発生するとキャンセル待ち登録をしている顧客に対してキャンセル待ち通知メールが自動送信され、空きを待っている顧客にとっては便利です。店舗側からみても、予約枠の空きを無駄なく活用できるためメリットと言えます。

そのほか、予約システムの導入によって予約データをもとに顧客情報の管理・分析も可能になります。予約情報と紐づけた顧客データをマーケティングに活用できることもメリットです。

API連携で予約情報を連携できる予約管理システム

複数の店舗の予約管理によって業務効率アップ

会社の規模によっては、複数の店舗や施設を展開していることもあるでしょう。各店舗で取った予約をいちいちまとめてデータ分析するよりも、一括管理体制を構築すれば顧客管理だけでなく、キャンペーン策定などの効率もアップします。
複数の店舗でひとつの予約システムを運用するといっても、自社の予約サイトから、エリア→店舗→メニュー→空き枠といった絞り込みをしたうえで、店舗ごとの個別メニューや受付時間を設定することも可能なので、柔軟な予約ができ、店舗独自のお客様対応ができます。
本部の経営陣やエリアマネージャー、各店舗の責任者へ管理者権限を付与し、リザーブ状況や時間ごとの予約売上を網羅的に把握することで、ミクロ・マクロ両面から対策を打てるようになるでしょう。

複数店舗・多店舗の管理ができます

拠点・管理者の役割ごとに権限管理できます

予約システムを導入する方法4つ

チェックリスト

予約システムの導入方法を4つ紹介します。どの方法が自社にマッチするか検討してみましょう。

新規の予約システムを専門のシステム開発会社に外注して構築

独自性の高いビジネスモデルを展開する業種には、予約システムにもカスタマイズ性の高さが必要です。ニーズに合わせたシステム構築を専門のシステム開発会社に依頼すれば、自社の業務にフィットするシステム設計が可能になります。

しかし一方で、システム導入にかかるコストは高くなり、導入期間も長くなるため、コストや時間に余裕がある場合に適した方法です。

クラウド型予約システムを導入する

クラウド型予約システムは、Webブラウザがあれば手軽に導入できる方法です。有料プランでも月額課金や従量課金という料金体系をとり、コストを必要最低限に抑えられます。

導入前の疑問や導入後の問題には専門家によるサポートが受けられるため、さまざまな業種で広く利用されている方法です。無料プランやデモサイトを利用して、実際に操作してみながら機能を確認して検討することができます。

予約システムChoiceRESERVEとは
詳しくはこちら

WordPressのWebサイトにプラグインで組み込む

自社のホームページをWordPressで作成して運用している場合に向いている方法です。標準のWordPressにない予約システム機能を、プラグインのインストールによって追加することができます。プラグインにも無料版と有料版の両方があるので、まずは無料版から試してみるのがおすすめです。

ホームページ作成サービスのイベント予約機能を利用する

ホームページ作成サービスで提供されている予約機能を使った予約システムの構築は、個人経営レベルのヨガ教室や小規模な治療院、予約システムに多くのコストをかけたくない中小企業などにおすすめです。

ホームページ作成・システム利用ともにフリープランが用意されていたり、予約システム自体は0円で始められたりと料金体系はサービスによって様々ですが、多くの場合、テンプレートが用意されているので、ネットが得意でない方でも気軽に始めることができます。
レッスン時間や内容がすでに決定しているサービスやイベントの予約受付をしたいというケースの場合、有力な選択肢になるでしょう。

注意点としては、利用規約などを設けないまま予約の運用をしてしまわないことです。
簡単な機能のため導入しやすく、つい忘れがちですが、例えば株式会社としてサイト運用するのであれば、社会的な責任が生じる以上、きちんと体裁は整えるべきでしょう。トラブルを未然に防ぐ意味でも重要です。

予約システムを選ぶポイント4つ|導入効果が期待できるシステムの選び方

チェックマークをつけるビジネスマン

予約システムを導入して業務効率化を実現するためには、自社に適したシステムを選ぶことが重要です。ここでは、選ぶときのポイントを4つ解説します。

同じ業界の導入実績が多いこと

同業種の企業の導入実績や導入企業数が多いシステムならば、業界内でどの程度普及して活用されているかがわかります。導入実績の多さは業界独自の傾向を把握していることにもなり、相談や問題解決に対してのサポートも期待できると考えていいでしょう。

公式サイトで公開されているさまざまな導入事例を参考にして選ぶのもひとつの方法です。

簡単な画面操作で的確な予約管理ができること

一般に、予約タイプは4種類あります。ネイルサロンやエステサロンなどのように担当者とメニューと時間を選ぶ「時間タイプ」、担当者と時間に定員の設定もある「スクールタイプ」、貸スタジオ予約のように場所と時間を選ぶ「会議室タイプ」、単発のイベントやセミナーの予約に使える「イベントタイプ」です。

自社が必要とする予約タイプに対応しているシステムを選ぶことが重要になります。予約に必要な条件項目を編集して、スタッフが扱いやすい仕組みを作ってください。

ひとめで予約状況を把握・管理できます

事前決済機能があること

予約システムのオンライン決済機能は、予約時点のクレジットカード決済が可能になることで得られるメリットが大きい場合には必須と考えていいでしょう。たとえば飲食店のように、予約人数に合わせて食材を用意して顧客の来店に備える場合、直前キャンセルや無断キャンセルのような損失は可能なかぎり回避する必要があり、事前決済の仕組みは特に有効です。

予約システムのなかにはオンライン決済機能が使えないシステムもあるので、しっかり確認して選びましょう。

ドタキャン防止、お支払いの手間を削減

顧客情報の分析や外部サービスと連携できること

予約情報と顧客情報を紐づけたデータを分析して、マーケティングに利用することが可能です。
しかし、活用を進めるために必要となる外部サービスとの連携に対応している予約システムを選ぶことが重要です。

他サービスと連携する

予約システムの導入前に知っておきたい注意点3つ

ホワイトボードの前で説明をする女性

予約システムを導入する前に、知っておくべき注意点があります。導入後に期待する効果が得られないということがないよう、導入前から以下の3つの点に注意しておきましょう。

必要な機能を見極めて無駄なくフルに活用する

予約システムの導入で期待される効果には業務効率化や集客がありますが、まずは現場の業務効率化を重視して必要な機能にしぼってください。シンプルな仕組みで運用を開始して、スムーズにフル活用できるようになることで業務効率化が加速します。

また、必要な機能にしぼると運用開始時のコスト削減にもなります。使い慣れるにつれて機能の拡張が必要になったら上位プランへの変更も可能なので、システム会社のサポートに資料を請求するなど相談してみましょう。

顧客が簡単に操作できる画面を作成する

予約システムは顧客側にも使いやすい予約画面が必要です。わかりやすいシンプルなフォームで、簡単に予約できる仕組みを用意してください。

予約の際の入力情報を必要最小限にしぼり、新規顧客には会員登録不要で予約できる仕組みがあれば、初めて予約を入れる場合にも負担になりません。リピーターには会員登録後のログインで顧客情報の詳細入力が不要になる仕組みがあれば、入力が楽になりスムーズな予約のシステムを提供できます。

予約に誘導するための施策と予約システム導入との相乗効果で集客をねらう

予約システムを導入しても、新規顧客を予約に誘導する施策の重要性は、電話予約が中心だったときと変わりません。Webサイトへのアクセスを増やすためのWeb広告の活用や、サイト内コンテンツの更新をして内容も充実させるなど、顧客の予約を促す工夫が必要です。

高齢の方も多く訪れるクリニックや整骨院などの業種ではQRコード入りのアナログ広告もホームページへのアクセスに一定の効果が期待できるほか、予約システムと電話予約との併用も検討しましょう。

顧客から選ばれるための予約システム導入事例4つ

スマホを笑顔で見つめる女性

マッサージサロンの導入事例

40代女性を顧客の中心としたあるマッサージサロンは、口コミによって新規の顧客を開拓していました。
この開拓手法は、優良客を獲得する可能性は高いものの、開拓の速度が遅く、客同士のつながりが強いことによる“悪い意味でのアットホーム空間”が課題でした。つまり、飛び込みの顧客が入りにくく、成長が鈍化していたのです。

このマッサージサロンは、システム関係に強い従業員はいません。そこで、業者を使って独自のネット予約体制を導入することにしました。
業者の担当者からは、ネット予約によって顧客開拓のスピードは確実に高まると言われましたが、ひとつ懸念がありました。
それは、既存顧客から好評な「一人ひとりに合わせた健康アドバイスサービス」が継続できなくなるのではないかという不安です。

そこで業者は、顧客のマイページを予約システムに組み込みました。マイページでは、予約に加え、「自分の健康カルテ」も確認できます。これはネット予約を利用する動機づけにもなり、相乗効果を生みました。また、各種質問への回答や、アンケートなどもマイページで行うことができ、顧客満足度の向上に役立っています。
結果として、顧客は40代女性だけでなく、20代の女性や、男性にも広がり、業績は大きく伸長したのです。

専門業者との打ち合わせを通して、既存の強みを活かしたシステムを導入することができ、大成功を収めることができた事例です。

新規開業の整体院による初期費用を抑えたシステム導入事例

新規開業の整体院の事例です。
新規開業ということもあり、コストをあまりかけられなかった経営者は、比較的安いクラウド型の予約システムを導入することにしました。しかし、どのシステムにすればいいのかという見当がつかなかったため、豊富な実績のあるところを選ぶことにしたのです。
実績を見るうえでもっとも注目したのは、大手企業の導入状況でした。ネット予約によってプライバシー情報が流出したとあっては顧客の信用に関わります。セキュリティに敏感な大手企業が導入していることは、大きな指標となったのです。

また、マニュアルがしっかりしていること、誰でも使い方がわかるようなシンプルなUIデザイン、導入前にしっかりと相談に乗ってくれるかどうか、といった点も考慮してシステムをどこにするかを選定しました。

この整体院は、導入したネット予約を受付のメインにしたことで、予約管理業務の人件費を抑えることにも成功しています。つまり、電話予約や来店時の対面予約のように、一人が対応していた場合のカバースタッフを配置する必要がないため、対応するスタッフが少なくて済むというわけです。

利用者からも、「現状の予約状況がひと目でわかるので自分の予定を組みやすい」と好評です。

パーソナルトレーニング事業のWordPressプラグイン導入事例

昨今話題のパーソナルトレーニング事業で成長中の企業事例です。
順調に業績を伸ばしていましたが、経営者には懸念がありました。それは、事業の特性上、成長するほどスタッフのシフト管理が大変になるということです。

そこで導入したのがWordPressプラグインの予約システムです。そのシステムは、スタッフのシフト管理や出退勤管理と紐付けることができ、自分たちの事業にぴったりでした。

顧客が会員登録しなくても予約自体はできるということもポイントです。ユーザーのなかには、個人情報登録に慎重な方もいます。彼らを取りこぼすことのないようにできるというわけです。

ただ、企業としては、会員登録してもらったほうが顧客情報を取得できますし、リピート率も高まります。そこで、会員登録しない場合は「仮予約」として、別途予約用のURLを記載したメールを送付し、改めて本予約してもらうようにしました。逆に会員登録をした顧客は、本予約の手間がなく、予約変更も容易にできます。
このように若干の差を設定することで、会員登録を促したのです。

結果としては、会員登録を経ないで予約する新規顧客も一定数いるため、取りこぼし予防に一定の効果があったといえます。
もちろん、当初の課題であったスタッフのシフト管理も、予約状況と連動させることで、以前よりも格段に効率化されました。

レンタルスペースをホームページのイベント予約機能で運営した事例

テレワーク需要の高まりをビジネスチャンスと捉え、小規模なレンタルスペース事業を展開し始めた会社の事例です。
本業とは別に始めた事業ということもあり、経営者はあまりコストをかけないで展開することを担当者に求めていました。

そこで担当者は、ホームページ作成サービスの機能の一環である予約機能に目をつけました。
現在のホームページ作成サービスのなかには、予約機能の提供をしているところもあるのです。

この予約システムは、無料で利用することができ、「貸会議室・レンタルスペース向け予約」のテンプレートまであり、まさに自分たちの会社にお誂え向きといえます。
予約システム自体は無料で使えたものの、個人情報保護・ユーザーの安心獲得の観点からSSL通信ができるオプションだけは付加して、若干のランニングコストが発生しましたが、経営者もそこは理解してくれました。

利用者からは「予約状況がすぐにわかるうえに、簡単に予約を入れられるので、助かっている」と好評です。また企業担当者も、「無料の付加機能なのに、管理画面で予約情報がマッピングされた予約カレンダーを表示することができて、情報整理に役立ち、運営しやすい」と語り、レンタルスペース事業は好調な滑り出しを見せているようです。

予約システム導入は自社に合ったシステムを探すことがポイント

予約システムを導入する際は、システムの選び方次第で業務効率化や集客効果に影響します。予算や導入期間に余裕があれば、専門業者に開発を相談してみてもいいでしょう。

導入のコストを抑えたい場合、WordPressのサイトを運用しているなら無料版のプラグインを、クラウド型の導入を検討するなら無料版やデモサイトなどで試して、必要な機能を見極めたうえで最適な予約システムを選びましょう。

ホームページ作成サービスの機能でも十分対応可能な場合があるので、ぜひチェックしてみてください。

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