紙ベースで予約管理をしていると、記入忘れでダブルブッキングを起こすなどの人為的ミスによるリスクが考えられます。とはいえ予約システムを導入するには、ハードルが高いと言う方におすすめの方法の一つが、Excelを使った予約システムです。手軽に使える無料のテンプレートもあるので、コスト面が気になる場合はぜひ活用しましょう。

本記事では、Excelを使った予約システムの構築や予約管理表の運用についてご紹介します。予約システム作成のご参考にしてください。

予約システムとは?

タブレットでカレンダーを開いている

ひと口に「予約システム」といっても、一般的に利用される場面は多種多様です。
例えば、飲食店のHPでは、日時や人数、席の種類やコース指定などニーズに合わせて対応できる予約システムが使われています。町の歯医者さんや動物病院の受診予約にもシステムを活用するケースが増えてきました。

ほかにも、大規模なイベントやセミナーでは、定員に達するまで受付できる予約サイトが多く見られます。

予約システムは電話や窓口と異なり、WEB上で予約手続きを完結できるのが特長です。利用者はスムーズに予約でき、運営側は人手をかける必要がありません。予約管理をしやすいため、業務の効率化に役立つのも大きなメリットです。

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簡単・シンプルな予約システムならExcelだけでも運用可能?

パソコンでスケジュールを入力

予約システムと聞くと導入コストが気になるところですが、シンプルな内容の予約システムであれば、Excelでも対応できます。

Excelは基本的には表計算向けに開発されているアプリケーションですが、多人数での同時編集も可能なので、Excelの機能を活用して予約システムを作りましょう。

例えば、現状社内での会議室予約を手書き台帳で管理しているという場合は、Excelでの運用へ置き換えると効率的です。また、人数の規模が限られていて、ある程度固定のメンバーがいつでも訪問予約や受講予約をできるようなシステムを作りたいという場合にも、Excelベースでの制作で充分対応できる可能性があります。

こんな場合はExcelを使える! 予約システムのケースバイケース

チェックボックスにチェックをつけている

Excelを使った予約システムとはどんなイメージなのか、詳しく見ていきましょう。

社内メンバー限定で利用できる会議室の予約管理表を作成する

職場内は同じネットワークを利用できる環境なので、複数の人がアクセスして編集できるExcelの活用に適しています。例えば、社員のみが利用する会議室の予約にExcelを取り入れてみましょう。

イメージとしては、紙の予約管理表と同じようなレイアウトを用いて、Excelで作成したフォーマットを使って運用していきます。項目を増やすと管理しにくくなるので、シンプルなフォーマットを作成するのがポイントです。会議室名、使用日時、申請者名、出席者人数、使用目的と、必要な項目を絞りましょう。

社内ネットワーク上で会議室ごとに最新の予約状況がわかるので、紙へプリントして掲示したりする必要がありません。使用の頻度が少ない複数の会議室を、1枚のシートにまとめて管理することも可能です。予約管理を一元化できるほか、予約申請の手軽さにより利用方法の徹底もしやすく、申請漏れやタイムラグによる予約の重複なども防ぎやすくなります。

小規模の限られたユーザー、信頼できるユーザー向けの予約システムとしてオンラインで運用する

前述した、社内メンバー向けのような閉じられた予約システムではなく、ある程度小規模な商売などで、インターネット上でExcelの予約システムを運用してお客さんからの予約を受付することはできないか? と検討されている方もいらっしゃるかもしれません。

Excelは基本的にはインターネット上での同時使用を想定されたアプリケーションではないため、実現するためには独自のサーバー環境を用意したり、高度なネットワーク知識などが必要になるでしょう。

代替案として、Googleドライブなどのクラウドサーバーを使用する方法があります。予約システムとして運用するシート自体はExcelで制作しておき、そのExcelファイルをGoogleドライブへアップロードすることによって、インターネット上で不特定多数がアクセス・直接入力などが可能な予約システムとなります。

基本的なレイアウトのみの作りで、予約するユーザーがただ日時や氏名などを入力するだけ、というようなシンプルな運用であれば、Googleドライブでの運用を試してみるのもよいでしょう。

但し、Excelの予約システム上でVBAマクロなどを組み込んで、高度な動作をさせるような想定の場合には、Googleドライブ上での動作互換性に注意したり、専門のツールでファイル変換したりといった必要性がでてきます。

また、不特定多数の外部ユーザーに使用してもらうにあたって、「不必要な操作はできないようにする(変えられては困るセルの入力保護など)」「何があってもよいように定期的なバックアップをとる」という対策も必要になりますが、いずれにしても想定外のアクセスや操作などでトラブルが起きることも有り得るため、導入にあたっては慎重な検討・検証が必要になるでしょう

Excelの予約管理から脱却したい

今すぐダウンロードして活用できる、Excelの予約システム / 予約管理表向けテンプレート4選

さまざまなツールのアイコン

実際に会議室の予約管理表としてExcelを取り入れる場合は、テンプレートを活用するのがおすすめです。

テンプレートとは、雛形を意味しています。予約管理表のフォーマットを自作しなくても、予約管理表のレイアウトがExcelファイルとして完成しているので、すぐ使用できるのがメリットです。また、入手したテンプレートをそのまま使うのではなく、より自社運用にあったかたちへカスタマイズしたりすることも可能です。

無料でダウンロードできるフリーのテンプレートも多く、コストをかけずに予約システムを作りたい場合にも適しています。レイアウトによって縦型リストのパターンや横型リストのパターンがあり、項目も異なるので目的の使い方に合った(あるいは近い)テンプレートを選ぶようにしましょう。

ここからは、予約管理表向けに適したテンプレートをいくつか例としてご紹介していきます。どれも無料でダウンロード可能です。

使いやすい2タイプのテンプレート「free-template-download.net」

「free-template-download.net」が提供しているのは、シンプルな2種類のテンプレートです。

「会議室予約表」という名称でテンプレートが提供されており、1つめは縦表示で使えるタイプの会議室予約管理表。使用頻度が高い会議室の予約を1カ月単位で管理する場合に適しています。使用日、使用時間、予約者、内容、出席者の項目を、すっきりまとめたレイアウトです。

2つめは横表示で使えるタイプで、1日ごとに複数の会議室を管理するのに便利な予約管理表です。1シートに3つの会議室名が入っており、時間軸は30分単位で管理できるレイアウトとなっています。

▼こちらからダウンロードできます(外部サイトへ遷移します)
会議室エクセル予約表 : 無料テンプレートダウンロード

さまざまな業態で使えるテンプレート選びに「bizocean(ビズオーシャン)」

「bizocean」では、用途に合わせて数多くのテンプレートを提供しています。飲食店や病院、宿泊施設、社用車、美容・エステなど、さまざまな業態向けの予約管理表が入手可能です。ダウンロードには会員登録(無料)が必要なのでご注意ください。

多種多様なテンプレートの中から、ここでは会議室の予約管理表を2例ご紹介します。

1つめは、日別に会議室を4部屋管理できる「会議室予約管理表(サービス業用)」という名称のテンプレートです。使用者名、人数、使用内容、利用時間を入力していきます。予約済みの時間帯が色塗りされるので、ひと目でわかりやすいです。

2つめは、1カ月単位で複数の会議室を一括管理したいときに便利な「会議室予約管理表」という名称のテンプレート。入力項目は、予約者名、開始時刻、終了時刻のみで、見やすいレイアウトとなっています。

▼詳しくはこちら(外部サイトへ遷移します)
「予約管理表・予約帳」の書式テンプレート・フォーマット一覧

シンプルで汎用性が高いテンプレート「bizroute(ビズルート)」

「bizroute」は、時間ごとに予約管理ができるテンプレートを提供しています。レストランや美容室など幅広いジャンルで使えるレイアウトです。

会議室の予約管理向けなのが縦型タイプの「汎用的な予約管理表テンプレート02」。1週間単位で予約時間を管理できます。項目が予約時間と日にちのみなので、かなりシンプルです。例えば、小規模で利用者が限定されている場合に適しています。

▼詳しくはこちら(外部サイトへ遷移します)
予約表のエクセルテンプレート | 無料ダウンロード

機能的で使いやすいテンプレート「無料のビジネス書式テンプレート(office-template.net)

こちらのサイトでも、無料で利用できるビジネス書式のテンプレートを数多く提供しています。ビジネス向けとあって、機能性の高さが魅力です。

会議室の予約管理表は、例えば「会議室予約管理表(月間)のテンプレート」といったものがあります。1カ月単位で、会議室4部屋分を管理できます。午前と午後、それぞれ2つの時間帯で予約を管理できるレイアウトです。

枠外に時間帯をあらかじめ番号で設定しておき、利用者は予約したい番号のセルを色付けします。オレンジは予約済み、グリーンは仮予約といった使い方ができるので、会議頻度が多く、さまざまな状態を分かりやすく一元管理したいという場合に便利です。

▼詳しくはこちら(外部サイトへ遷移します)
会議室予約管理表(月間)のテンプレート・Excel

VBAを使って自分で予約システムを構築する

プログラミングのコードが出ている画面

「VBA」とは「Visual Basic for Applications」の略語です。アプリケーションで使用できるプログラム言語のことで、Microsoft社がMS Officeの拡張機能として提供しています。Excel業務全般で使用されることも多い機能です。

表計算に便利なExcelには、関数機能が備わっています。よく使われる「SUM関数」は、条件を決めることで合計値を算出してくれる関数です。ある程度の計算には関数が便利ですが、複雑な条件が必要になる計算や自動処理をしたい場合は、関数だけで対処するのは難しいでしょう。

会議室の予約管理システムを構築する場合、例えば下記のような動作をさせたい場合にはVBAマクロで実現することができます。

  • 空いている予約枠に対して正しく予約入力が完了できた場合は、「予約を受け付けました」というメッセージを表示する
  • 予約と同時に、管理者へ利用方法や持ち込み可能な機器などについて問い合わせができるボタンを設置する
  • 既に予約が入っている枠に、新しい予約を入れようとした場合「既に予約が埋まっています」とメッセージを表示する
  • 「キャンセル待ちしますか?」という確認ダイアログを表示し、「はい」を選んだ場合はメールアドレス入力画面へ進む など

上記はあくまで一例ですが、このような複雑な処理を自動化できるのが「マクロ」の特徴です。マクロとして一連の作業をExcelファイルへ組み込むためには、VBAによる記述が必要です。

先にご紹介したテンプレートは便利な反面、希望を満たす細かな機能を見つけられないことも。マクロやVBAの知識を持つ担当者がいる場合は、自社に最適な会議室の予約管理システムへアレンジしてみましょう。

用途に適した予約システムを構築しよう

社内専用で使う会議室の予約管理表を作成する場合は、Excelを活用するのがおすすめです。無料でダウンロードできるテンプレートもあり、コストを抑えられます。テンプレートを入手しておいて、そこへVBAマクロを使って自社に適した動作を組み込むことも可能です。
大規模な予約システムの運用や不特定多数のユーザーが利用する場合は、自社でのスクラッチ開発や外注、クラウド型の予約システムサービス活用などの方法を検討しましょう。

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