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百貨店の予約状況や内容について調べてみました

調査

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2022.01.18 2022.12.23
加藤 高士

様々な企業へCRMの導入支援を経て2012年4月株式会社ビジネス・アライアンスを設立。20年以上にわたり企業へマーケティング活動の支援を行う。マーケティングの視点から、予約ラボを通じて予約の可能性について研究を行う。

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皆さま、百貨店の予約と聞いて何を思い浮かべるでしょうか?

毎年、年末になると、クリスマスケーキやおせち料理の予約などを目にしたことがあると思います。確かに各百貨店のホームページを見てみると、ほとんどのページでそうした予約が目に飛び込んできます。

その他には福袋の予約、ランドセルや制服の採寸といった学用品の予約、お歳暮などの季節商品の予約受付が目立ちますが、時期に限らず、美容施術、接客、カウンセリングといったサービス系の予約を行っている百貨店も多数あります。

今回は、日本百貨店協会に登録がある全国176店舗のウェブサイトから、どのような予約を百貨店が受け付けているのかについて調査してみました。

クリスマスケーキやおせち料理といった物販に対する予約と、接客や施術、カウンセリングといったサービスに対する予約に分けて、集計を行った結果をもとにご報告いたします。

<調査方法>
対象:日本百貨店協会 https://www.depart.or.jp/ に登録のある176店舗
調査日:20201年11月
調査方法:各サイトドメイン内にある予約というキーワードをもとにその内容を集計
     ※出店ブランドサイトに遷移した予約状況は対象外

92%の百貨店が物販系の予約、22%の百貨店がサービスに対する予約を実施

全体の92%と、ほとんどの百貨店が物販の予約を行っていることが分かります。

一方でサービス系の予約については、全体の5分の1程度の22%が予約をウェブで受け付けていることになります。
※物販予約、サービス予約ともに実施している店舗は重複してカウントしています

年末時期の物販系予約ランキング

ほとんどの百貨店が物販の予約を受け付けていますが、その中身を見ていきましょう。

調査したのは2021年11月ですが、1位はクリスマスケーキ、2位はおせち、3位は福袋と言う結果になりました。時期によって予約受付商品の内容や割合は異なってくるので一時的なデータとして捉えて頂きたいのですが、やはり季節的な商品に対する予約が割合としては多いことが読み取れます。その多くは限定販売型になっているようです。

サービス系の予約ランキング

百貨店ならではとも言える付加価値が付いたサービス系の予約ですが、最も多かったのが、接客や相談に関する予約で全体の11.9%でした。続いて2位が6.8%の美容カウンセリングです。美容カウンセリングは無料サービスが多く、施術やメイクアップは一部有料サービスの予約も含まれているので区分けをしましたが、美容系の3つを合計すると9.6%となるため、美容に関する予約の需要が高いのかもしれません。

サービス系の予約に関しても、応対人数、場所、時間などを考慮すると、やはり物販同様、数に限りがあるサービスに対して予約を受け付けていると考えられます。

百貨店のサービス予約事例

これまで見てきた予約サービスの中から、ユニークな予約をピックアップしていきたいと思います。

「近鉄百貨店」奈良店のオンライン接客事例

出典:https://www.d-kintetsu.co.jp/store/nara/digitalspace/

近鉄百貨店奈良店では、オンライン会議ツールを利用した接客サービス「デジタルサロン」が利用できます。婦人服や婦人洋品、紳士服や洋品、こども服や教養用品など、希望する売り場に直接電話で希望日時を伝え、オンラインによる接客を受けるサービスです。

こちらは完全予約制となっており、電話予約の際に接客サービスを受ける日時を決定します。利用にあたっては、顧客側でZoom(ズーム)アプリをダウンロードするなどの用意が必要となります。当日は、事前に伝えられる“ミーティングID”と“パスワード”を入力することで販売員と通信でき、インターネット通話による接客が受けられます。

公式サイトサービスページ:https://www.d-kintetsu.co.jp/store/nara/digitalspace/

「天満屋」福山店の営業時間外接客サービス事例

出典:https://www.tenmaya.co.jp/fukuyama/pdf/premium_shopping_202102.pdf

天満屋福山店では、営業時間外接客サービス「プレミアムタイムショッピング」が実施されています。開店時の混雑を避けたい顧客向けのサービスで、開店前の9時から10時の1時間、閉店後の19時から20時の1時間に、それぞれ1組限定で実施されています。営業時間外の接客サービスとなるため、貸し切りのような状態でショッピングを楽しめるといっても過言でないかもしれません。

対象はアパレルや服飾雑貨、こども服・こども用品、出産準備用品、商品券やギフトサロン、美術画廊、アートギャラリーなどで、いずれも完全予約制となります。予約の流れとしては、店舗の売り場に直接電話し希望日時を伝える形で、希望日の4日前までの予約が必要です。

ユニークなサービスは、地方に多い??

ご紹介した2つの事例以外にも、サービス系の予約においてユニークな予約は地方百貨店に多い印象があります。

例えば、サンプル付きウェブ接客や、オンラインカウンセリング、アテンドサービスなどは群馬県や、愛知県、福岡県の百貨店がそれぞれ店舗独自のサービスとして実施しています。他の百貨店では、わざわざウェブサイトに掲載していないだけで、従来の外商営業のようなサービスを実施していることも考えられますが、機会があれば利用してみたいですね。

また今回、予約サービスが、限定的な商品・サービスと密接につながっていることも読み取ることができました。限定商品はその数の限りが分かりやすいですが、サービス系の予約においても、時間、場所、接客応対できる人員などに限りがあるため事前予約制となっているのかもしれません。

加藤高士

様々な企業へCRMの導入支援を経て2012年4月株式会社ビジネス・アライアンスを設立。20年以上にわたり企業へマーケティング活動の支援を行う。マーケティングの視点から、予約ラボを通じて予約の可能性について研究を行う。

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