店舗運営において、顧客の来店管理は重要な業務のひとつです。予約台帳や顧客名簿を使って管理しているケースも多いかもしれません。そこでおすすめしたいのが、スマートフォンやタブレットなどのアプリによる来店管理です。アプリを使うと業務効率の向上が期待できます。

この記事では、来店管理に適したアプリを5つ紹介します。比較のポイントも詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

顧客の来店管理でおこなう業務は2種類

赤いクリップが挟まれた紙のカレンダー

店舗管理にはさまざまな業務があり、そのひとつが顧客の来店管理です。顧客の来店管理は、さらに「顧客情報の管理」「来店予約の管理」の2種類に分けられます。どちらも重要な業務ですので、それぞれおこなうべきことを把握しましょう。

顧客情報の管理

来店した顧客一人ひとりの情報を管理します。氏名・性別・年齢・住所・連絡先といった基本情報から、来店履歴や実施したサービス内容、購入総額などの詳細を記録します。顧客情報を詳しく把握することで、顧客ごとに適したアプローチが可能です。たとえば、最終来店日から遠のいている既存顧客に、メールマガジンでクーポンを配布するといった、再来店を促すアクションも可能です。

また、顧客全体のデータから、新規顧客に人気のサービスやリピート率の高い商品などの分析もできます。継続的に提供すべきサービス、あるいは不人気メニューをデータ化できるため、顧客情報の管理は重要です。

来店予約の管理

来店予約の管理は、顧客の来店スケジュールを管理する業務です。電話やメール、予約サイトによる予約の受付にもとづき、予約台帳を作成・管理します。予約段階で来店目的を尋ねるアンケートやヒアリングをおこなえば、スムーズな接客に役立つでしょう。

予約管理の上で大切なのが、正確な事務処理です。予約のダブルブッキングが起きたり、従業員シフトとの調整に失敗したりすると、顧客を逃してしまう原因になります。せっかく予約段階まで進んだ顧客を取りこぼさないためにも、適切な予約管理が欠かせません。

来店管理をExcelやアナログでおこなうデメリット

ノートに書き込む人

来店管理における「顧客情報の管理」と「来店予約の管理」を、Excelやアナログ媒体でおこなっている方もいるのではないでしょうか。しかし、Excelやアナログ媒体による管理は、以下4つのデメリットを抱えています。

  • 人的ミスの要因になる
  • 情報共有が難しい
  • 顧客情報を活かせない
  • 業務効率が悪い

以下で、詳しい理由を説明します。

1.人的ミスの要因になる

1つ目のデメリットは、人的ミスの要因になる点です。紙の予約台帳や顧客名簿で情報を管理すると、どうしてもヒューマンエラーが起きやすくなります。Excelへの手入力も同様です。予約の重複や提供サービスの間違いが生じると、顧客に多大な迷惑をかけてしまいます。人的ミスの積み重ねにより自店の評判が落ちれば客足が遠のいてしまうでしょう。

来店管理の手法には、人的ミスを防ぐ仕組みづくりが求められます。

Excelの予約管理から脱却したい

2.情報共有が難しい

Excelやアナログによる来店管理は、情報共有が難しくなります。紙媒体の管理はリアルタイムでの共有も困難になり、外出中に確認したい場合はわざわざメールや電話で店舗スタッフに尋ねなくてはいけません。確認を依頼することで、スタッフの負担も増えます。

また、接客時に得た顧客情報はスタッフの記憶に頼りがちです。たとえば、美容院では「前髪の長さのこだわり」「好みの話題」といった顧客の詳細情報は、担当者のみが知っている場合があります。正確に情報共有しづらいため、担当者不在時の接客に差が生まれてしまうかもしれません。

3.顧客情報を活かせない

アナログで顧客情報を管理していると、データを経営方針に活かしづらくなります。顧客の来店履歴や対応内容、購入商品などの情報を一元的に管理していない場合、データが各媒体に散逸してしまうからです。顧客情報を活用しようにも、予約台帳や顧客名簿、スタッフのメモ帳に散らばった情報の収集作業から始めなくてはいけません。情報収集に手間がかかるゆえ、顧客ごとにパーソナライズした接客や販促活動などの施策を打ち立てにくいわけです。

アナログで管理する場合、顧客情報の活用ハードルの高さに注意が必要です。

4.業務効率が悪い

Excelや紙による管理は、アプリ管理に比べて業務効率が悪いです。手書き・手入力で予約および顧客情報を記入しなければならず、従業員へ来店情報の伝達も別途おこなわなくてはなりません。記入や伝達ミスが起きれば、顧客へ予約変更を打診するなど、さらなる手間も生じるでしょう。その他、紙の予約台帳で管理している場合、店舗にいなければ予約状況の確認すらできないといった問題もあります。

このように、Excelや紙による管理は、さまざまな面で業務効率の悪化を招きます。

来店管理はアプリで業務を効率化しよう

タブレットを操作する人と無数の歯車

来店管理業務は煩雑になりがちですので、アプリなどのツールの使用をおすすめします。ツールでおこないたい内容に応じて「顧客管理アプリ」や「予約管理アプリ」を利用しましょう。それぞれの特徴やできることを解説します。

顧客情報の管理に特化させたいなら「顧客管理アプリ」

顧客管理アプリとは、顧客に関する情報を一元管理するアプリです。

氏名や性別、企業名などの基本情報に加え、これまでの対応履歴も管理します。利用サービスや購入商品、来店回数、売上金額、担当者、問い合わせ内容などを記録することで、顧客との深い関係性の構築が可能です。メッセージ配信機能があるアプリを使えば、誕生日が近い顧客へクーポンを送信するといった活用もできます。

来店した顧客を一人ひとり把握し、密接にアプローチしたいのであれば顧客管理アプリを使うと良いでしょう。

予約情報の管理を重視するなら「予約管理アプリ」

予約管理アプリとは、予約台帳を管理するアプリです。一般的に、予約受付、予約の変更・キャンセル、空席状況の可視化といった機能が搭載されています。

アプリによっては、外部予約サイトで受け付けた予約の自動反映も可能です。予約業務を効率化したい場合は、予約管理アプリの導入をおすすめします。

なお、予約管理アプリは、PCで主に使う「予約管理システム」のスマートフォン用アプリとして提供されている場合もあります。

来店予約システムで、百貨店・自動車販売・不動産販売の業務を効率化

両方の機能を持つアプリも多い

ここまで顧客管理アプリと予約管理アプリを紹介しましたが、両方の機能を持つ複合型アプリが一般的です。

具体例として、予約管理をメインとしつつ顧客情報も管理できるアプリのひとつに「レストランボード」があります。このような複合型アプリであれば、予約の受付・管理、顧客情報の管理、メッセージ配信といった数多くの機能を利用できます。

来店管理業務を一元化したいのであれば、顧客情報と予約状況のどちらも管理できるアプリを選んでみてください。

来店管理に使えるおすすめのアプリ5選

アプリストアの画面を開いているスマホ

来店管理に使えるアプリは数多く存在します。ここでは、厳選した下記5つのアプリを紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

  • 飲食店の来店管理なら「レストランボード」
  • 美容師のカルテ管理に特化「LiME(ライム)」
  • LINEから予約できる「LINE公式アカウント」
  • シンプルで使いやすい「こきち」
  • リラクゼーションサロンの予約に最適「ワンモアハンド」

各サービスの特徴を解説します。

1.飲食店の来店管理なら「レストランボード」

「レストランボード」は、飲食店の利用に特化した予約台帳アプリです。顧客情報と予約情報の一元管理に対応しており、飲食店に欠かせない機能が充実しています。たとえば、レストランの客席に合わせた「テーブル管理」機能を使うと、客席ごとの予約・稼働状況をチェックできます。実際のテーブルレイアウトに合わせて管理画面をカスタマイズできるため、一目で状況判断が可能です。

外部のグルメ予約サイトとの連携機能により、外部で受け付けた予約内容もレストランボードの管理画面に自動で反映されます。その他、店舗ホームページの作成、メッセージ配信、広告配信などの機能が標準で利用できます。

▼基本情報
料金:基本機能無料 ※オプション機能は要お問い合わせ
対応OS:iOS / Android / Windows / Mac
運営会社:株式会社リクルート
公式サイト:https://airregi.jp/restaurant-board/

2.美容師のカルテ管理に特化「LiME(ライム)」

「LiME(ライム)」は、ヘアサロンやネイルサロンといった美容関連施設の利用に向いているアプリです。顧客管理機能が優れており、美容院に欠かせない「カルテ管理」機能が実装されています。写真撮影できるため、施術メニューと仕上がり写真をカルテに保存可能です。

「レポート」機能を使うと、顧客向けのカルテ画面を本人のLINEへ送信できます。退店後のコミュニケーションに活用することで再来店に繋げることも期待できます。また、来店予定のカルテを作成すると、予約カレンダーに自動登録される仕組みです。2022年10月にはカルテの「詳細検索」が、2023年1月には「メッセージの自動配信の日時設定」が追加されており、機能の追加頻度の高さも魅力のひとつです。

▼基本情報
料金:全3プラン:無料プラン / カルテ管理プラン 月額380円〜 / ネット予約プラン 月額980円〜
対応OS:iOS / Android / Windows / Mac
運営会社:LiME株式会社
公式サイト:https://limehair.jp/

3.LINEから予約できる「LINE公式アカウント」

「LINE公式アカウント」は、SNSのLINEにビジネスアカウントを開設するサービスです。開設したLINE公式アカウントに「LINEで予約」機能を追加することで、来店管理アプリとして活用できます。

「LINEで予約」は、ユーザーがLINE上で店舗へ直接予約できる機能です。公式アカウントのプロフィールやトークルームから予約画面へアクセスできるため、ユーザーが簡単に予約しやすくなります。予約画面はカレンダー形式で表示され、直感的に操作できる仕様です。メッセージやクーポン配布、ショップカードなどの機能も使うことで、集客から予約管理、サポートまでLINE上で完結できます。

▼基本情報
料金:フリープラン(無料) / ライトプラン 月額5,000円 / スタンダードプラン 月額15,000円
対応OS:iOS / Android / Windows / Mac
運営会社:LINE株式会社
公式サイト:https://www.linebiz.com/jp/service/line-official-account/

4.シンプルで使いやすい「こきち」

「こきち」は、シンプルな操作感が強みの顧客管理アプリです。顧客情報は基本項目に加え、会話内容、担当者、最寄駅、趣味などの細かな項目が設けられています。顧客別に売上金額が表示され、平均利用金額や来店回数、利用メニューなどの情報を把握できます。

予約管理機能もあり、カレンダー形式で来店スケジュールの管理が可能です。ただし、簡易的なアプリであるため、予約受付機能はありません。外部サイトや電話で受け付けた予約内容を、アプリ内カレンダーに入力する形式です。小規模な店舗やサービスの予約管理であれば問題なく運用できるでしょう。

▼基本情報
料金:基本無料 ※一部機能は有料
対応OS:iOS / Android
運営会社:株式会社9plums
公式サイト:https://www.9plums.com/appdetail_kokichi.html

5.リラクゼーションサロンの予約に最適「ワンモアハンド」

「ワンモアハンド」は、接骨院や鍼灸院、エステサロンなどの予約管理に特化したサービスです。リラクゼーションサロンが求める機能を多数備えており、そのひとつに「施術コースとスタッフの紐付け管理」機能があります。さらに、施設と機械の紐付け管理もできるため、「施術コースをおこなえるスタッフ・施設・機械が空いている日時のみ予約を受け付ける」といった使い方が可能です。

その他、スタッフの指名予約・指名料金の設定、LINE連携、顧客管理といった数多くの機能があります。スタッフごとの権限設定機能もあるため、セキュリティ面も安心して利用できます。

▼基本情報
料金:ライトプラン 初期費用33,000円+月額5,478円〜 / スタンダードプラン初期費用54,780円+月額10,780円〜 / アドバンスプラン初期費用71,280円+月額14,080 / マスタープラン82,280初期費用+月額16,280円 /
対応OS:iOS / Android / Windows / Mac
運営会社:株式会社クロスリンク
公式サイト:https://pr-onemorehand.jp/

来店管理アプリを比較する際のポイント

「A」「B」「C」と書かれた3枚の付箋

来店管理に使うアプリを選ぶ際、コストパフォーマンスのみを重視しがちです。もちろん価格も重要な要素ですが、他にも注目すべきポイントが3つあります。

  • PCからも使えるか
  • 業界に最適化された機能があるか
  • セキュリティ対策は強固か

順番に理由を見ていきましょう。

1.PCからも使えるか

PCからも来店管理アプリを使いたい場合、PC対応の可否を確認しましょう。スマホやタブレットをメインに使う場合でも、PCからも利用できると利便性が増します。仮に仕入れや在庫管理をPCのシステムでおこなっているのであれば、来店管理アプリにPCからもアクセスできれば作業効率が上がるでしょう。

業務にPCを利用している場合、他の業務との連携も考えてPC対応のアプリをおすすめします。まずは店舗PCのOSやバージョンを調べ、アプリの案内ページから対応環境をチェックしましょう。

2.業界に最適化された機能があるか

来店管理アプリの中には、業界に最適化された機能を持つアプリもあります。例として、おすすめアプリで紹介した「レストランボード」は飲食店に、「LiME(ライム)」は美容院での利用に特化したアプリです。飲食店や美容室、宿泊施設、銀行といった各業界に最適化された機能があると、既存業務へアプリを組み込みやすくなります。

業界によって主流な予約方法や必須の機能は異なりますので、自店舗に合う特化型アプリを選びましょう。あるいは、さまざまな業界への導入実績を持つアプリもおすすめです。

3.セキュリティ対策は強固か

アプリを用いるのであれば、セキュリティ対策も重要です。来店管理に使うアプリは多数の個人情報を扱うため、情報漏洩に気をつけなくてはいけません。一定回数ログインパスワードを間違えるとロックされる「ログインロック」や、内部不正を防止する権限設定など、セキュリティ機能をチェックしてみてください。

無料アプリを使う場合、提供元の信憑性も大事です。信憑性の薄い提供元のアプリは、アプリ内のデータを悪用される恐れがあります。提供元の判断に不安があるなら、無料アプリは使わず有料アプリを検討しましょう。

セキュリティへの取り組み

予約機能を充実させたいならスマホやタブレット対応の「予約管理システム」が便利

ノートPCとコーヒーカップのイラスト

予約機能を充実させたい場合、PCで利用する「予約管理システム」もおすすめです。予約管理システムは基本の予約・顧客管理機能に加え、予約サイトの作成・受付、複数店舗の管理、アクセス解析、決済機能といった豊富な機能を利用できます。

予約管理システムの中には、「ChoiceRESERVE(チョイスリザーブ)」のようにスマホやタブレット対応のサービスも存在します。チョイスリザーブは、飲食店やアパレル、エステ、観光、スクール、クリニックなどの幅広い業界への導入実績があるサービスです。予約管理画面はタブレットから操作でき、顧客がアクセスする予約サイトはスマホ表示に対応しています。

既存PCも来店管理業務に活用したいのであれば、チョイスリザーブのようなスマホ・タブレット対応の予約管理システムも検討してみてください。

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来店管理アプリでスマートな店舗運営を実現!

紙やExcelによる来店管理は、予約の重複や業務効率の悪化などの原因になります。ミスを予防して業務を効率化したいなら、来店管理に適した「予約管理アプリ」や「顧客管理アプリ」を利用しましょう。

また、予約機能を強化させたい場合は、スマホ・タブレット対応の本格的な「予約管理システム」も検討してみてはいかがでしょうか。

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