2018年 サービスECの市場規模は6 兆 6,471 億円。伸び率はEC分野最大の11.59%。
ビジネス
経産省が2019年5月に「平成 30 年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備 (電子商取引に関する市場調査)」を発表しました。
本調査のP17で「ECの定義」が紹介されています。
- 「コンピューターネットワークシステム」を介して商取引が行われ、かつ、その成約金額が捕捉されるもの
※ここでの商取引とは、「経済主体間で財の商業的移転に関わる受発注者間の物品、サービス、情報、金銭の交換
このうち
- 「サービス」の商取引では、「予約」や「申込」
- 「物品」の商取引のうち、事前注文をする際は、「予約」
という言葉で、多く取引がされている現状から、EC市場の規模感や成長率は押さえておきたい数字です。今回は、BtoC EC市場の動向について、同報告書から抜粋して見ていきます。
BtoC EC市場の3つの分野と市場規模
この調査では、市場を3つの分野に分けています。
- 物販系分野…食品や生活家電、衣類、自動車など
- サービス系分野…旅行サービス、飲食サービス、理美容サービスなど
- デジタル系分野…電子書籍、有料動画・音楽配信、オンラインゲームなど
【出典】同調査p.28 図表 4-1:BtoC-EC の市場推計分野一覧 より抜粋
これら3つの分野の市場規模と伸び率を見ていきます。
- 2018 年 BtoC-EC 市場規模全体…17 兆 9,845 億円
前年の16 兆 5,054 億円から金額は 1 兆 4,791 億円増加し、伸び率は 8.96%です。 - 市場内訳…物販系分野 9 兆 2,992 億円、サービス系分野 6 兆 6,471 億円、デジタル系分野 2 兆 382 億円
- 構成比率…物販系分野51.7%、サービス系分野が37%、デジタル系分野が11.3%
- 各分野の伸び率…物販系分野が 8.12%、サービス系分野11.59%、デジタル系分野 4.64%
サービス系分野の市場規模と内訳
BtoC-EC 市場のうち、物販系分野とサービス系分野で全体の90%近くを占め、なかでもサービス系分野の伸び率が11.59%と最も大きくなっています。
サービス系分野は、主に「旅行サービス」「飲食サービス」「チケット販売」「理美容サービス」「金融サービス」に分類されます。このうち金融サービス以外は、「サービス利用枠の確保」が特徴です。
サービスECの広がりと比例して、予約全般の利便性向上・効率化への意識は高まる
ご関心のある方は、サービス系分野の各分類に関する予約ラボの記事もご参考いただければと思います。
ちなみに、予約ラボの研究対象は、「サービス利用枠の確保」という軸でさらに広義に捉えており、成約金額が発生する前後の「利用枠の確保」まで含めています。
予約ラボでは、サービスECの市場規模が広がるにつれ、商品やサービス購入前後の予約に対する、利便性向上、予約管理の効率化に対する意識が利用者・事業者ともに高まると考えています。
これらの課題感が浮上した際に、価値提供ができるよう引き続きこのフィールドでの研究を続けてまいります。