サービス内容を正しく伝え、予約のハードルを下げるーCtoC食体験サービスTadakuとMEET UP! を開催!
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2018年8月23日(木)、CtoCの食体験予約サービス「Tadaku(https://www.tadaku.com/)」と共催で【食のシェア MEET UP! -Drink Meet Up with Tadaku & 予約ラボ】を開催しました。
Tadakuは、日本在住の外国人が自宅を開放し、自国の家庭料理をゲストと一緒につくって・食べて・話すサービスです。CtoCの宿泊サービス「Airbnb」の考え方を食で実現したものといえます。
食を通じて異文化体験を提供するこのサービスは、世界のローカルフードや料理、食に興味がある人たちに多く利用されています。そんな人が集まれば、新しい遊び方や学び方、あるいは新たなビジネスにつながるかも……。そんな思いを持って、会場となったWeWork日比谷に集まりました。
目次
異文化コミュニケーションと食と予約のミートアップ
ミートアップは堅苦しい集まりではないので、まずは乾杯でスタート。飲み物はビールサーバーからセルフサービスで注ぎます。打ち解けた雰囲気にお酒も進み、Tadakuゲストの「おけいさん」が用意したピンズの解説をしたり、初対面の人同士で自己紹介したりと、会場のあちこちで楽しい会話がはずみます。
トークイベントに登壇したのは、Tadaku代表の須佐さんとコミュニティマネージャーのMiwaさん、そして予約ラボ所長の星野。「みなさん、Tadakuをご存じですか?」の第一声に続いて、Tadakuのサービス紹介が始まりました。
Tadakuは当初、日本人がインバウンド観光客に料理を教えるサービスとしてスタート。その後試行錯誤を続け、逆転の発想で在日外国人が日本人に料理を教えるサービスに転換したといいます。
現在は約80カ国から日本に来た300人ほどの外国人ホストがレッスンを提供しているとのこと。ちなみに、全世界の国の数はおよそ200。つまり、Tadakuを利用すれば日本にいながらにして世界の半分近くの国の人とコミュニケーションができることになります。
Miwaさんのパワフルなトークで、会場は終始明るい雰囲気で盛り上がりました。
予約サイトだけでは不十分! クリックまでにいくつもの心理的ハードルが
ここで星野が、Tadakuを利用する際に心理的ハードルがあったことを打ち明けます。
星野自分自身、なぜ最初はTadakuを利用しなかったかといえば、ハードルが高い印象があって。他の料理教室と何が違うのかもよくわからず、踏み込むのに躊躇したり、開催しているレッスンがいっぱいありすぎて、選ぶのが難しかったですね。
ほんとに知らない人同士でしゃべるのかな、微妙な空気にならないのかな、というのも不安でした。料理の深いところまで知りたいわけではなく、僕にとっては本当にホストと一緒に楽しい会話ができるのかが重要なポイントだったので、それが得られるのかが分かりにくい印象でした。
Miwaそれは今から私たちが伝えていかないといけませんね。
星野実際にホストの家まで行ってピンポンを押す時も、「ここでいいのかな」っていうCtoCならではの不安要素みたいなものを感じます。
Miwaホストによってはドアに紙貼ってくれる人もいますが、気を遣う人もいればそうでない人もいる。
星野参加者の一番の不安は、楽しいかどうか。普通に料理が出てくるだけだったら会話にあまりなりませんよね。
その点Tadakuは、料理が出てくる前に一緒に作る。その時にホストに質問したりしながらちょっとずつ関係性を詰めていく感じがあります。みんなで一緒に料理を作る時間があっての食事の空気感というのが、距離が縮まるのをすごく強く感じました。
Miwa一緒に何かを作るっていう行為が、人と人とを結びつけるスピードを速めるというか。4~5人いれば、細かい作業が好きな人もいれば、炒める作業が好きな人もいたりして、いろんな人がいます。そこの空気を見つつ、みんなで作業することって、大人になってからはあまりないですよね。Tadakuはそれを体験できます。
全然知らない人と何か同じものを作り上げることを楽しむっていう意味でも、楽しんでもらえるかなと思っています。
星野あと、レッスンの工夫がありますね。料理を作るときもいきなり作るんじゃなくて、ウェルカムドリンクがあって、まずお茶でも飲みつつ、みんなで会話しながらレッスンが始まるという。ウェルカムドリンクを出すサービスは最初からやっているんですか?
Miwaウェルカムドリンクはホストに必ずお伝えしてます。ゲスト側からすると、いきなり他人の家に行って、知らない人ばっかりの中にいて、気持ちが整ってないんですね。なので、必ずウェルカムドリンクから始めて、ホストが自己紹介して、ゲストにも自己紹介してもらって、アイスブレイクしたあとに料理づくりを始めてもらう、というのはお伝えしてますね。
星野その場づくりって重要ですね。
Miwaすっごい大事!
そうやって「場」を作ると、Tadakuがなかったらできなかったかもしれない体験がいっぱいできます。知識もそう。
例えば、韓国では雨の日にチヂミをよく食べるとか。なぜかというと、チヂミが焼ける音が雨の音に似てるからなんとなく食べたくなる、みたいな。日本にいるだけだったら分からないことが知れて、体験できて、すごく楽しいです。Tadakuに携わって3年になりますが、いまだに何かしら新しい発見があります。
星野つくりながら、ホストに食の背景とか文化とか歴史とか説明されながら、食べるっていう感じですね。
参加者からの質問利用者の中には、がっつり料理を学びたい人と、ホストとの異文化交流を楽しみたい人とがいると思います。参加してみたら自分の求めるものと内容とが合っていなかった、というミスマッチはないんでしょうか。
MiwaTadakuのサイトに、レッスンごとのレビューがあります。参加者によるレッスン投稿も掲載しているので、それを見ていただくと、料理が難しいのか、初心者でもOKなのか、料理教室寄りなのか異文化交流寄りなのかなどを知ることができます。
星野この情報を参考にすれば、そんなにミスマッチなくいけるのかな、と思いますね。
CtoCサービスならではの「体験」が最大の価値になる
ホストのモチベーション
Miwaホストのモチベーションは大きく分けてふたつあります。
ひとつは、自分の国の文化・料理を知ってほしい。たとえば、日本にはインド人が本当に食べている料理を出しているレストランが数えるほどしかありません。インドの方はそれを痛感していて、「これは私たちの本当の料理じゃない!」みたいな思いでTadakuに入ってくれました。
もうひとつは、日本人と知り合いになりたいという気持ち。料理を通して知り合いになりたい、友達が欲しい、という人がいますね。
ホストとしての条件
星野Tadakuは料理して食べる体験なので、ホスト側にも衛生面などいろいろ注意してもらう点があると思うんですが、どのようにホストを選んでいるんでしょうか。Miwaさんはコミュニティマネージャーの立場として、どう関わっていますか?
Miwa基本的にうちはマッチングサイトなので、応募してきたホストを振るい落とすという感覚ではないんです。
ただ、最低限はクリアしてもらわないとダメなので、衛生面の関係で必ず家の写真を送ってもらい、これまでの料理経歴と教えた経験を聞いています。英語か日本語でコミュニケーションが取れることも条件なので、英語でのコミュニケーションが難しかったためにお断りしたケースもあります。
CtoCサービスはホストがいないと成り立たない
星野Miwaさんはすごくホストといい関係性を築いていますが、どのようにリレーションを保っているんでしょうか?
Miwaあまり考えてませんが、ひとつだけ気を付けているのは、ホストはサービスを提供する側、運営とゲストはサービスを受け取る側、という線引きをしないようにしています。
Tadakuって、シェアリングエコノミー、シェアをするものなので。サービスを提供する側がいて、それにお金を払ってサービスを受ける人がいるっていう今までのビジネスの成り立ち方とは違うのかなと。
私は人と人との付き合いだと思っているので、お友だちとしてホストとよくお茶しに行きます。そうすると、悩みや困っていることなどを話してくれたり。運営側としてホストとコミュニケーションを取るというよりは、人と人としてコミュニケーションを取る、、、だからいい関係が続くのかな。
Tadakuの概要
星野Miwaさんがコミュニティマネージャーとしてホストと関係を築いている中で、須佐さんは代表として普段どんなことをされているんでしょうか?
須佐少し概要についてお話しすると、Tadakuは自宅での料理教室ということになっています。食品衛生法上、原則的に自宅でレストランをやるのはアウト。ただ、自宅で料理教室を開くのはOKで、料理教室をメインとして副産物としてご飯を一緒に食べるのもセーフなんです。
そういう理由もあって、サイトでは料理教室をうたっています。ただ、実際は異文化コミュニケーションできることが価値になっているので、「料理教室」という言葉ではそれが伝わっていないのかな、と悩みながら運営しています。おふたりがお話してくれたとおり、いろいろな体験ができるので。
星野コミュニケーション、料理、異文化体験など色々な面があるサービスなので、使い方も多様性にあふれていると思います。僕は、食を通して文化体験がしたいタイプ。今度ポーランドに行くというTadakuのユーザーは、現地の生の情報やお勧めの場所なんかをポーランド人のホストに聞きに行くそうです。料理をして食を楽しみながら、そんな話もしながら、より良い旅行体験ができる。あとは言語ですね。料理しながら語学が実践できます。
Miwa安い語学学校ですよね。たとえば4時間の料理教室が5,000円だとしたら、1時間1,000円ちょっとで、プラスご飯も食べられる。英会話学校だとしたらめちゃめちゃ安いじゃないかと。英会話学校に通っている人も、「普段使う機会がないので、生の英語に触れたい」とTadakuを利用されてますね。
Tadakuとは?
Miwa料理教室というと違和感があります。私にとっては料理教室ではなく、体験をする時間です。
星野東京メトロで展開しているTadakuの広告のキャッチコピーが「いつもの沿線で世界の食卓を体験」。まさにこんな感じですね。皆さんの帰り道の駅近くなどにホストが住んでいるので、近場ですぐに行けます。
トーク後はミートアップの名の通り盛り上がりました!
トークイベントの最後には、Miwaさんおススメのホストを参加者にご紹介しました。
星野Tadakuは様々なレッスンが豊富にあるので、そのなかでも都内で行きやすくて「ここに行っておけば間違いなし」というホストをご紹介いただきます。
Miwa工程がシンプルで、誰でも自宅で再現できるイタリア料理を教えてくれるホストがいます。私はこの方よりおいしいイタリアンを食べたことがありません!
お母さんがカリブ海マルティニーク島の出身だというフランス人のホストは、辛くないスパイスをいっぱい使う料理を教えてくれます。マルティニークの料理が食べられるのは日本でここだけなのでは?
トルコ人ホストの教室は、4時間でトルコについてめっちゃ詳しくなれます。中東やイスラムに興味のある人は、ほんとにおもしろいと思います。
キューバ料理を教えてくれるホストもお勧め。キューバではお米をよく食べます。辛くもなく、食べやすくて、世の中にこんなおいしいご飯あるんだって思うぐらいおいしいです。
トークイベント終了後は、再び参加者同士の歓談が始まりました。Tadakuサービスや予約ラボに興味のある人同士が互いに積極的に集まり、盛り上がります。気が付けば、WeWorkに入居する人も加わって、大人数になっていました。
イベント終了時刻になってもそのまま残ってトークを続ける人が多く、楽しい時間が続きました。
予約ラボはサービスの支援をしています。
Tadakuさんとは、予約ラボにお問い合わせをいただいたのをきっかけにお付き合いが始まり、今回初めてミートアップを開催しました。
予約してサービスを体験をするという流れの中で、運営者はもとより、予約者にとっても潜在的な課題が存在することがあります。
「予約」を起点に切り込むことで、リソースの状況を含めサービス全体の課題も見えてきます。
「予約を起点に価値を生み出す」予約ラボは、それらの課題を認知するところから、予約フローを丁寧につくっていくことを一緒に行っております。
今後も、共通課題を持つ異業種勉強会や、ゆるめのミートアップ、顧客体験を切り口にした研究などを通じて、ビジネスをご支援してまいります。
一緒にイベントを企画したい!予約になんかモヤモヤしているなど、まずはお気軽にお声がけくださいませ。