ソフトバンクが駐車場シェアリングサービスに参入 他【週刊予約マガジン】
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空いたスペースを有効活用!「駐車場シェア」が熱い
近年、日本でも浸透しつつある「シェアリングエコノミー」という言葉。
Airbnb(エアビーアンドビー)に代表される「民泊」や、Uber(ウーバー)をはじめとする「ライドシェア」など、皆さんも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
シェアリングエコノミーとは、モノや空間、スキルなどを誰かと共有(シェア)して有効活用する仕組みのこと。シェアリングエコノミーの流行によって、現在ではさまざまなサービスが新たに誕生しています。
その中でも注目を集めているのが、空いた土地を駐車場として利用する「駐車場シェアサービス」です。
ソフトバンク、パーキングシェアリングのトライアルを開始
ソフトバンク株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員 兼 CEO:宮内 謙)は、パーキングシェアリングサービス「BLUU Smart Parking(ブルースマートパーキング)」の商用化に向けたトライアルを2018年10月3日から開始した
特にソフトバンクの業界参入は大きな反響を呼びました。
同サービスでは、ソフトバンクのIoTプラットフォームを使って企業や個人が保有する空き駐車場と、それを活用したいユーザーとのマッチングを行います。
ソフトバンクといえば、TOYOTAと提携して新会社「MONET Technologies(モネ テクノロジーズ)」を設立したことも話題となりました。
MONETでは、トヨタが構築したコネクティッドカーの情報基盤である「モビリティサービスプラットフォーム(MSPF)」と、スマートフォンやセンサデバイスなどからデータを収集・分析するソフトバンクの「IoTプラットフォーム」を連携させる。クルマや人の移動に関するさまざまなデータを活用することで、需要と供給を最適化し、移動における社会課題の解決や新たな価値を創造する未来のMaaS(Mobility as a Service)事業を展開するという
ソフトバンクの駐車場シェアサービス参入は、こうした自動車新時代を見据えてのことかもしれません。
大手の参入によって駐車場シェア業界の競争激化が予想される中、競合同士で手を組む企業も現れています。
駐車場予約アプリのakippaは9月13日、駐車場シェアリングサービス「Smart Parking」やコインパーキング検索アプリ「パーキングライブラリ」を展開するシードと業務提携すると発表した。
(中略)
akippaとシードは一部競合でありながら、予約制で確実に駐車場を利用したいakippaユーザーと、IoT端末を利用して短時間手軽に駐車場を利用したいSmart Parkingには異なるユーザーニーズもある。そこで、両社で協力し駐車場シェアビジネスの拡大・進化を実現をすることで、ユーザーの利便性向上とオーナーへの収益向上に取り組むこととなった。
ソフトバンクの「BLUU Smart Parking」をはじめ、駐車場シェアサービス最大の特徴はIoTの活用にあります。事前予約や決済はもちろん、入出庫の管理・認証などは特にIoTとの親和性が高い分野です。
駐車場予約サービスの先駆けである「軒先パーキング」も、IoTを利用したゲートシステムとの連携によってさらなる利便性向上を追求しています。
スマートゲートシステム「aQmo(アクモ)」とシェア駐車場「軒先パーキング」を組み合わせることにより、従来利用ができなかった無人のゲート式駐車場やセキュリティゲートがある分譲マンションなどへ「予約駐車場」「WEB決済」「遊休資産の収益化」を行うことが可能となり、駐車場事業者は「予約駐車場」や「月極駐車場」として活用することができる。
IoTを活用することで無人の駐車場なども有効活用できるほか、大掛かりな機器の設置が不要なため導入も簡単に。「昼間は車で出かけているから、その間だけ駐車場を貸したい」といった個人でも、気軽かつ低コストで駐車場シェアを始めることができます。
利用者にとっては、事前に予約・決済ができること、従来のコインパーキングと違って契約した時間帯であれば何度でも車の出し入れが可能なこと、また時間貸しの駐車場に比べて安価で利用できることなどが主なメリットとなっています。
ただし、もちろんデメリットもあり、
借り手が運転操作を誤り自宅の壁を傷つけられた場合などは原則、当事者同士での解決が求められる。車庫証明を取得した自宅の駐車場を貸した際、借り手が想定した時間を超過して駐車を続ける可能性もある。この間、自分の車を公道に止めれば駐車違反だ。
特に貸し手側はこのようなリスクにも注意する必要がありそうです。
こうした市場の可能性によって、個人からソフトバンクのような大企業までが続々と参入を果たしています。
駐車場大手である「タイムズ」のパーク24や「三井のリパーク」の三井不動産リアルティも2016年から駐車場シェアサービスを開始していますが、2017年に参入した楽天は翌年5月に早くも撤退。激しさを増す競争の中で明暗が分かれはじめています。
共通して言えることは、駐車場シェアサービスは無人で運用するパターンが多いため、IoTとの連携に注目が集まっているという点です。
とはいえ、私が以前に「軒先パーキング」を使った際は看板がいくつかあるだけでゲートすらない状態でしたが、それでも問題なく利用できました。
IoTの普及にはまだまだ時間がかかりそうですが、これから駐車場シェアサービスがどのように進化・発展していくのかが楽しみです。