「テイクアウト」と「事前注文」に関する調査
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テイクアウトの理由は「家でゆっくり」「お土産用」 事前予約は「待ち時間の短縮」「商品の確保」に期待
2019年は消費税増税にともなう軽減税率制度の導入により、飲食料品を店内で食べずに持ち帰る「テイクアウト」の店舗対応や、食品ロス削減推進法の施行で食材ロスを減らすための「事前注文予約」が話題となりました。
これまでも店舗において「事前注文」は電話やFAXで受け付けられていましたが、近年ではWebやアプリを利用することで、その傾向が高まっています。
たとえばファストフード店のテイクアウトやクリスマスケーキの予約がスマホで手軽にできるようになり、2019年は「モバイルオーダー元年」とも言われました。
そこで今回は、ふだん買物・通勤・通学・通院などで利用する「生活圏内にある店舗」における「テイクアウト」や「事前注文」について消費者目線で調査をしました。
全体の4分の1が生活圏にある店の雰囲気・商品は分からない
約7割の人が生活圏内にある店舗の店名や料理ジャンルは知っていたものの、約半数の人は商品やメニュー、価格などの詳細までは知りませんでした。
一方、生活圏内にあるにもかかわらず店舗を利用しない理由としては「自分には必要ない(37.1%)」という回答が最も多くなっています。
しかし「店内の雰囲気が分からない(25.7%)」「どんな商品やメニューがあるのか分からない(25.1%)」「商品やメニューの価格が分からない(23.6%)」がそれぞれ2割を超えていることから、店舗の雰囲気、商品やメニュー、価格などの詳細が分からない、つまり情報不足のために利用していないとも考えられるでしょう。
改めてお店の雰囲気や商品、価格帯を明確に提示・発信することが店選びの判断材料となり、消費者にとって重要な要素であることが分かります。
テイクアウトの理由は「オフィス・自宅で食べたい」「お土産用」「店内が混雑している」「安いから」
そこでテイクアウト経験者を対象に、店内で食べることができるのにもかかわらずテイクアウトにする理由についても調査したところ、以下のような回答が得られました。
- 「オフィスや自宅など外で食べたい」(50.7%)
- 「お土産にする」(29.3%)
- 「店内の飲食スペースが混んでいる」(22.7%)
「店内で飲食するより安い」(21.8%)という回答は軽減税率の影響と考えられますが、2割程度で収まっています。やはり価格よりも、食事をする場所や用途がテイクアウトのきっかけになっている可能性が考えられます。
事前注文で「待たずに買いたい」、テイクアウトで「家でゆっくり食べたい」
今回の調査では選択式回答に加え、事前注文やテイクアウトをする理由について自由に回答してもらいました。
消費者の声
- 事前注文は、無駄な待ち時間を省ける(50代男性)
- ほしい商品を確保できる(50代男性)
- 大量の注文の時は利用します(50代男性)
- 早く購入して持ち帰りたいから事前注文をして、消費税が10%になるのでテイクアウトにしています(30代女性)
- 帰りにあまり待たずに確実に購入できるから(30代女性)
- 都合のよい時間に取りに行きたい(30代女性)
- 事前注文をすれば待ち時間が減る。テイクアウトをすれば自宅で品数を増やせるし、ゆっくり食べられる(60代女性)
- 食べたいものと場所(用途)は決まっている(30代女性)
- 他店のものも一緒に食べたい(60代男性)
- すぐに受け取りができて、支払いがスムーズだから(30代男性)
- 店内で飲食する時間がないから(20代女性)
- 子供がいるので自宅で食事をする方が楽(30代男性)
- 家で映画やドラマを観ながら、のんびりくつろいで食べたいから(40代男性)
- 家でテレビを見ながらゆっくり食べたい(40代女性)
事前注文に対しては「待ち時間削減のため」が多いほか、「ほしい商品を確保したい」「大量注文時にのみ利用する」という意見も。商品を確実に確保でき、待つことなく購入できることを消費者が期待していることがうかがえます。
またテイクアウトに対する回答では、「家でゆっくり食べたい」「花見などイベント時に外で食べるため」「お土産用として購入」という声が多く、食べる場所や用途によって店内で食べるのかテイクアウトにするのかを使い分けているようです。
知っているテイクアウトができる料理は「寿司」「カレー」 8%の人が「テイクアウトできるのか分からない」
普段利用する飲食店の中でテイクアウトができる料理ジャンルを聞いたところ、「寿司(40.8%)」が最も多い回答となっています。
一方、生活圏内にある店舗にもかかわらず「テイクアウトがあるのか分からない」という人が8%いました。
最後に…
テイクアウトにして自宅で食べる理由には、飲食スペースが混んでいたり、小さな子供がいるために店内飲食が難しかったりなど、店内で食べたくても仕方なくテイクアウトにする消費者が一定数あると考えられます。
一方で「お酒を飲みながら食べたいから」「他のお店の商品と一緒に食べたいから」など好んでテイクアウトを選んでいるとの回答もありました。他店の商品と一緒に食べるということは、店舗を何軒か見て回ることも考えられます。またお土産用としての購入も一定数あることから、パッケージなども重要な要素になる可能性があります。
また事前注文に関しては、待ち時間の短縮と商品を確実に確保したいという消費者の期待が高いことから、それに応える運用ができるか否かが店舗側の課題となりそうです。
■「テイクアウト」と「事前注文」について
【調査企画】予約ラボ
【調査対象】全国の20代〜60代男⼥
【調査期間】2019/11/29 〜2019/12/06
【調査⽅法】インターネットリサーチ
【サンプル数】有効回収数1,000⼈