実は「看板」でお店を選んでいる?! 歩行者をお店へと導く「30メートル集客」
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スマホの普及により、新しい飲食店を探す際もネットを活用する機会が増えています。一方、ある調査によるとお気に入りのお店を見つけたキッカケは「飛び込み」が1位で全体の40%を占めるというデータもあります。
そこで、徹底した顧客視点で看板の改善を行い、これまで400店舗以上の集客を支援してきた、30メートル集客株式会社の高橋さんに、お話を伺いました。
取材場所は、実際30メートル集客を実践された「びすとろHIRO」さんです。
目次
チェーン中で売上最下位店を全国1位に導いた30メートル集客法とは?
この30メートル集客活動のきっかけは、勤めていた会社が本業以外でFCの飲食店経営を始めたことにあります。 チェーン最下位の店舗の看板の場所を変えただけで、1日の売り上げが変わったたことが始まりです。そして看板を見直すことで、最終的には売上伸び率を全国1位にまで上げることができました。この時、あらためて看板の集客力ってすごいな、って思ったんです。
おかげさまで、現在の30メートル集客株式会社となってからも、これまで400件ほど手掛けさせていただいていますが、基本的な流れは変わりません。
どの位置からどのように看板が見えるか、隣接する通りの歩行者数など、まずはお店の周辺を歩行者視点で徹底的に調査します。そして、お店の強みを知るために、アルバイトを含めた従業員へのヒアリングにも時間をかけます。この工程は時間も人員もかかるので、報告書だけで40〜50ページになることもあります。そして、それらを具現化する作業が私たちの仕事です。
これは看板の本質がそのお店の強みを伝え、その視認性を上げることだと考えているからです。
そのため、この30メートル集客は、前提条件としてお店の実力がないとダメなんです。
おこがましい言い方になってしまうかもしれませんが、うわべだけの広告だけでは意味ありません。
時間と人員がかかる分、私たちがご提供するサービスは、金額だけ見ると安いサービスではないかもしれません。しかし、月の売り上げを100万円上げることや、年間1500万円売り上げを上げたお店もあります。中には月商350万円上げた店もあるほどです。これらの金額は言い換えると、今まで機会損失になっていたということです。
お店が伝えたい情報と、お客様が知りたい情報のギャップを埋めていく
少し事例をあげて、説明をしてみましょうか。(英字で店名が書かれたおしゃれな他店の看板を指して)これ、何のお店か分かりますか?わからないですよね。何を提供するお店かわからないと、たとえ自分が食べたいものでも気が付かなければ、まずそのお店には入りません。また、初めてお店に入る場合、値段がわからないお店も入れませんよね。そこで、よくあるのがお店の前にメニューブックを設置している店舗です。ところが、これは絶対にやってはいけない例の一つです。店舗側は良かれと思い、歩行者に料理のラインナップや価格を伝えようとしていますが、文字が小さくて2メートル離れたらまず見えません。また近づいて見たとしても内容が多すぎて、一瞬では把握しきれず、「他のお店も見てみよう」という心理にさせてしまします。実際にその動向を観察したことがありますが、1日で3~400人の顧客を逃している所もありました。 看板には情報の整理と打ち出す順番があるんです。初めてのお店に入るのに、知りたい情報は4つに決まっています。それを10メートル単位で増やしていくことが我々のテクニックです。すると歩行者は「なんかよさそうだね、おいしそうだね」「このお店、とりあえず入ってみよう」となり、新規顧客となっていきます。
徹底した現場調査と、デザインのこだわりどころ
これが、実際の報告書です。例えば、「びすとろHIRO」様の場合、お店にくるまで全部で20ポイント情報を発信する場所があります。正面の看板だけ頑張ってもそれは20分の1の情報にしかなりません。そこで、各ポイントで場所・向き・大きさなどを一つ一つ確認していきます。例えば電柱や他の看板などで、見えなくなる時には袖看板にお店の象徴を付けるもの一つの案ですね。これらは全て現場でないとわからないことです。他にもブランドカラーが赤いお店でも、現場で目立たなければ、ブランドカラー以外の色で看板を作成します。だからデザイナーを直接現場に活行かせて最終案を確認することもあります。 そういった意味では、お店のコンセプトに合わせてショウウィンドウなどを飾り付けていくビジュアル・マーチャンダイジングに近いかもしれません。それを距離に置き換えていくと、30メートル集客になります。
認知のレベルではお店の世界観は不要?!
歩行者の視界に看板が入る時間がどれぐらいかわかりますか?だいたい0.3秒ぐらい、伝えられる情報には限りがあります。そこで大事になるのは世界観ではなく、認知させることです。もちろんデザインは重要ですが、いわゆるかっこよさではなく、離れた場所からでも見えるデザインにすることを追求します。例えば、あるチェーン店をお手伝いしたとき。看板には店名ではなく、店の強みである刺身と地酒を前面に打ち出しました。そして、赤文字で「ランチ」と書いた黄色い布を、50メートル離れた駅から見えるところに設置したんです。その結果、最終的にそのお店は全国のチェーン店舗中で1位になりました。 こちらの「びすとろHIRO」様の場合ですが、そもそもイタリアでビストロは庶民的な居酒屋を意味しますが、日本ではちょっとアッパーなイメージですよね。そこで、我々が提案したのが「イタリア酒場」。文法的には「イタリアン」が正しいですが、遠くから見える文字数には限りがあります。そこで「イタリア酒場」にしました。意味はこれだけでも十分に伝わるからです。
世界観はもちろん大事ですが、看板は商品じゃありません。お店に入って、料理を食べ、スタッフのサービスを受けて初めて世界観が伝わります。そのためにまずは入ってもらうことが、看板にとって一番大切な役割です。もちろん、プラスかっこよければ良いですよね。
自分がお客としても好きな店だから支援ができる
これまでご支援をさせていただいたお店の形態は様々です。売上であれば月100万円に満たないお店から多いところでは3000万円以上、本当に幅広いです。また飲食店以外でも、来店型の店舗ビジネスであれば、基本的なノウハウは同じです。以前は住宅展示場、歯科医院、マッサージ店などもお手伝いをさせていただいたことがあります。 これまで400件近くのお店を支援してほぼ売り上げアップに成功してきましたが、実は3件だけ例外がありました。一つは店舗前の通行量が全くなかったお店。次はお店の強みがないお店。最後は看板のデザインを任せていただけなかったお店です。 通行量が全くないと、看板だけで集客することは難しいですよね。また、料理が特別においしくなくても、ボリュームがあったり、活気があるなど、そのお店に強みがなければ、集客にはつながりません。そのため、支援するお店は自分がお客として、また来たいと思うお店を支援しています。また来たいというお店と思ってもらうには看板だけでなく、お店の中も大切です。だから、トイレ掃除のアドバイスをしたりすることもあります(笑)。
新規集客が成功することで、スタッフが活気づくことが一番うれしい
私は飲食店のスタッフさんが本当に大好きなんです。30メートル集客を行ってお店が忙しくなっても、彼らは柔軟に対応することができます。リアルタイムでお客様と顔を合わせて、忙しい現場を切り盛りすることができる現場のスタッフさん、僕がもっとも尊敬する職業の一つです。 30メートル集客で売上が上がることもうれしいですが、現場のスタッフさんが活気づいてくれることが、何より一番うれしいです。
「売り上げを上げてくれてありがとう!」と、言っていただくことは多いですが、それはお店が元々持っている強みを歩行者(=お客様)に伝えて来店していただいただけなんです。上がった売り上げ分は、本来、お店が持っている実力なんです。
30メートル集客株式会社
徹底した歩行者視点から現場検証を行い、看板やPOPの提案・デザイン・設置を行うことで新規顧客獲得を支援する「30メートル集客」を提供。これまで飲食店をはじめ、400店以上の支援を行い、導入店舗で売上昨対比120〜150%アップや、ランチ月間800人増にするなどの効果実績を出している。
30メートル集客株式会社
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