オンラインで使える個人カルテを活用、お客様の健康をサポートするサロンをめざす
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新宿御苑前でちょっと贅沢な癒し空間を設けている、リラクゼーションサロンVoyage(ボヤージュ)。
当初は紹介制で口コミのお客様だけが知るサロンでしたが、評判が高まり、より多くの方へ安らぎを提供できるよう2014年3月から完全個室制の現店舗へ移動。同時にマーケティングや既存客へのアプローチを見直し、お客様を増やしています。代表の新井卓二さんにお話を聞きました。
- 注目したいポイント!
- 「お客様は40代が中心、顧客単価は高め」
「WEB予約者には10分延長の特典」
「セラピストは必ず5回前までの履歴をチェック」
「飽きさせないため企画実施数は50を超える」
目次
顧客の年齢層を下げるためにはネット上の導線が必須
紹介制サロンから始めたこともあり、今も8割ほどが電話からのご予約ですね。お客様は40代が中心で顧客単価は高めです。ただ、会社としては顧客層の年齢を下げたいという狙いがあって、店舗を新しくしたタイミングでweb予約の導線作りに力を入れるようになりました。
新規の若いお客様を取り込むためにはインターネットでのインフラが欠かせません。 サロン情報サイト「ispot」への登録やリザーブリンクの予約管理システム導入で、電話以外からの流れを増やせればと考えています。webで予約したら10分延長の特典をつけるなど、ネットから予約したくなる仕掛けをいくつか実施しています。
個人カルテのシステムを利用し、きめ細かいフォローを特色に
「Voyage Personal Note(VPN)」はPC・スマホ・タブレットに対応している
当社はサロン経営のほか企業へセラピストを派遣する法人向けサービスを行っていて、両方のお客様にオンライン上で個人カルテをチェックできるシステム「Voyage Personal Note(VPN)」を提供しています。 メールアドレスと住所などの個人情報利用に同意された方のみですが、ログインすると担当セラピストからのフィードバックやポイント付与がいつでも確認できます。
2013年10月からの導入で、店舗からオンラインで来店履歴や症状が把握できるようになりました。セラピストは必ず5回前までの履歴をチェックして「前回はこうでしたが調子はいかがですか」と聞くよう徹底しています。そうすればお客様が何度も同じ説明をせずにすむし、安心されるからです。
新しい情報とイベントで、毎月お客様の楽しみを作り出す
将来は、セラピストをお客様の健康アドバイザーのような位置につけようと思っています。そのためにも個人カルテ内や接客時など、お客様が触れる場所にはいつも新しい情報があるよう工夫しています。たとえばメーカーとタイアップしたグッズ配布や、「オフィスお灸のすすめ」や「アーユルヴェーダ診断」など実施数は50を超えました。「いつも楽しい、役立つことがある」と思ってもらえればお店に親近感を持っていただけますから。
いつも同じことをしていては飽きられてしまうので、起業時から毎月必ず1つは「お客様が得する・健康に関する」ものを提供し続けようと決めていました。これらの企画はその一環です。しかしまだ、ここでの収益化は図っていません。まずサロンとサービスを知って通ってもらうのが狙いです。
どうやってネットからの新規客を取り込み、関係をつなぐかが課題
どんなサービスもだんだんお客様の手元に近づいていると思うんです。百貨店で買っていたのが近所のコンビニになり、宅配便で玄関まで来るようになった。リラクゼーションも同じでこちらからどう近づくかがポイントです。企業向け派遣はそのうちの一つで、巧いと感じたら人にお客様がついてくれます。その延長で「いつものVoyageに行こうか」と思ってもらえるのが理想です。うちのように小さい会社はフットワークの軽さが取り柄なので、主要駅近くに店舗を出すことも検討しています。
そのほかweb予約と新規客の割合を増やすのが目下の目標です。「ispot」からの予約も電話からの予約も、管理はリザーブリンクのシステムに集約させて情報が重ならないようにしています。今後は予約ページをもっとお客様が使いやすい場所に置いて気軽に利用してもらえるようにしたいですね。
- 取材者からの「ここだけの話し」
- 代表の新井さんは、元々、大手金融機関のご出身だそう。ビジネススクールで経営を学んだ後にサロンを立ち上げたという異色ご経歴。
株式会社Voyage
リラクゼーションサービスを通じ、人の役に立つ会社を目指し、法人サービスでは企業の皆様の健康をサポートする。 新宿にあるサロンではリラクゼーションを通して癒しの時間を提供するほか、スクールではセラピストの育成を行う。