5割が予約制を導入!全国「鉄道系博物館」の混雑防止への取り組み
調査
前回の記事では、事前予約制を導入する都内の博物館について、その受付方法や、人数制限などを調査。60ある博物館のうち予約制を導入している10%、6施設の予約の中身や違いの詳細をご紹介しました。
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事前予約制を導入する都内の博物館の受付方法、人数制限、オペレーションを調査
今回は、全国で混雑が予測される人気の博物館のうち「鉄道系博物館」に対象を絞り、その予約の中身を比較調査いたしました。
<対象の博物館(12館)>
鉄道博物館 https://www.railway-museum.jp/
リニア鉄道館 https://museum.jr-central.co.jp/
京都鉄道博物館 https://www.kyotorailwaymuseum.jp/
九州鉄道記念館 http://www.k-rhm.jp/
地下鉄博物館 https://www.chikahaku.jp/
横浜市電保存館 https://www.shiden.yokohama/
電車とバスの博物館 https://denbus.jp/
小田急ロマンスカーミュージアム https://www.odakyu.jp/romancecarmuseum/
京急ミュージアム https://www.keikyu.co.jp/museum/
東武博物館 https://www.tobu.co.jp/museum/
貨物鉄道博物館 http://frm.kans.jp/
原鉄道模型博物館 https://www.hara-mrm.com/
- <調査方法>
調査日:2022年8月29日~9月2日
- 調査方法:各施設のホームページ及びリンクされている予約専用サイトから予約方法を集計
前回調査の対象となった「東京都内の予約制を導入している6つの博物館」では、一口に予約制と言っても、来館時間の指定予約や退館時間の制限などいくつかのパターンがあることが分かりました。
今回の鉄道系博物館では、いったいどのような予約制となっているのでしょうか?
予約制を導入している施設は50%
今回の調査対象となった鉄道系博物館ですが、12ある施設のうち、予約をしなければ入場できない博物館は6館で、全体の50%となっていました。
予約が必要な6館のうち、日にちのみを指定して予約する施設は2館、日時を指定して予約する施設は4館で、この6館における予約の際のルールは以下のとおりです。
事前決済を済ませた上で予約が完了する施設については6館中5館となっていました。
また、予約なしでも入場が可能な施設は2館、空いていれば入場可能な施設が1館、残りの3館は窓口での当日販売はおこなっていないという結果になりました。
各博物館の予約のルール
それぞれの博物館における予約のルール詳細については以上のようになっていました。
「小田急ロマンスカーミュージアム」のみ、事前決済ができないことが特徴的で、ネットで日時を指定した予約券を発行し、当日窓口で予約券を提示して入場券を購入するというしくみになっています。
また、その他の博物館はすべて、日付(や時間)指定して事前決済の上で予約し、来館する形となっています(「原鉄道模型博物館」は調査時点では当日券予約販売のみ)。
さらに「リニア鉄道館」と「京都鉄道博物館」は、時間指定はできず、日付のみを指定した予約券の購入が可能となっています。「京急ミュージアム」のみ入れ替え制を導入しているので、実質の時間制限を設けていることになります。
また、ここで気になるのが、予約制を導入している施設において「当日予約・入場」が可能か?という点になると思います。施設ごとに表現が異なりますが、空いていることが条件のもと、鉄道博物館は博物館窓口での販売は行っておらず、取扱コンビニでの購入が必須です。
最後に「当日予約・入場」が可能かという点については「鉄道博物館」「京急ミュージアム」「原鉄道模型博物館」は博物館窓口での当日券購入は不可ですが、「鉄道博物館」は空きがある場合のみ取扱コンビニでの購入が可能です。「原鉄道模型博物館」は取扱サイトまたは取扱コンビニでのみの販売となっています(調査時点では当日券のみ予約販売)。
「小田急ロマンスカーミュージアム」は当日の予約に空きがある場合、入館可能です。「リニア鉄道館」と「京都鉄道博物館」は当日窓口での入場券が購入可能となっていました。
まとめ
調査分母が異なりますが、都内の博物館と比較して全国の鉄道系博物館は、予約制を導入している割合が高かったことが分かりました。加えて多くの施設が事前決済のしくみや、時間指定型予約を導入していることから、より厳密に混雑緩和を意識しているのかもしれません。
また入れ替え制を導入している「京急ミュージアム」以外は、来場時間は指定しているものの退館時間は自由であることが分かりました。これは、それぞれの施設において来館者の平均滞在時間を経験値で把握し、入場時間やチケット購入のための行列をコントロールすることで全体の混雑を緩和できるということなのかもしれません。
いずれの施設においても、混雑緩和を意識しながらも、空き枠を埋めるための対応が予約ルールから読み取れることも印象的でした。