BACK
X X

建築資材・住宅設備ショールームの来店予約について
~ショールームのあるメーカーのうち6割超は予約制を導入~

調査

/
2024.07.02
見出し画像
加藤 高士

様々な企業へCRMの導入支援を経て2012年4月株式会社ビジネス・アライアンスを設立。20年以上にわたり企業へマーケティング活動の支援を行う。マーケティングの視点から、予約ラボを通じて予約の可能性について研究を行う。

INDEX

住まいの新築やリフォームの際には、住宅展示場やモデルハウスだけでなく、使用される建材や住宅設備メーカーなどのショールームを、それぞれ訪れて比較検討する人も多いようです。

今回は、建築資材や住宅設備の企業を対象にショールームの有無と、訪問する際の予約(来店予約)について、インターネット上で調査してみました。

建築資材・設備会社ショールームの来店予約について【日本経済新聞企業一覧より】
・調査日:2024年5月16日(木)
・調査対象: 日本経済新聞企業一覧に掲載されている住宅建材・設備メーカー190社
(参考:https://www.nikkei.com/nkd/industry/complist/?n_m_code=082
・調査方法:インターネット検索
・調査ルール:・企業単位でカウント、調査および集計

ショールームを持つ建材・設備メーカーの6割超は予約制を導入

建築資材・住宅設備ショールームの来店予約について

今回調査の対象となった建築資材・住宅設備メーカー190社のうち、ショールームがある企業は56企業(29.5%)となっていました(※「博物館」「ギャラリー」「総合案内施設」「モデルハウス」という呼び方のものも含む)。また、単独の施設に限らず、ビルの1フロアや社屋内展示スペースなど、規模の大小は問わず、ショールームありとしてカウントしております。

さらに、ショールームがあるメーカー56件のうち、来店予約を実施しているのは37件(66.1% ※要事前連絡を含む)となっており、そのうち、完全予約制を採用しているのは37件中4件(11%)となっていました。

予約なしで自由見学できるショールームは、上限人数について明記されておらず、予約ありの場合は、1グループの上限人数を設けているショールームも見られました。

また、実店舗型のショールームに加えてバーチャルショールームを展開しているメーカーや、バーチャルショールームのみを展開しているメーカーもあるようです。

建材・設備メーカーの完全予約制ショールームの事例

では、ショールームを持つ建材や住宅設備メーカーのうち、完全予約制を導入している事例について、一部その内容をご紹介します。

東京セキスイファミエス株式会社

セキスイハイムグループ会社である、東京セキスイファミエス株式会社では、リフォーム専用ショールームを各地に展開しています。随時リニューアルしながら最新設備を提案する場となっており、実際に築数十年が経過した住宅をフルリノベーションし期間限定で公開するものや、宿泊体験が可能となっているものもあるようです。リフォーム後の住まいをリアルサイズで体感できるため、実際の生活がイメージしやすくなっています。

原則として、セキスイハイムオーナーが対象となっており、WEBサイトからの予約締切は見学希望日の4日前に設定されているようです。

南海プライウッド株式会社

南海プライウッド株式会社が運営するショールームのコンセプトは「家族が協力して家事をする共家事(ともかじ)ホーム」。家づくりのうえで、大切な要素となる収納力に特化したショールームです。

ショールームは、インテリアコーディネーターや収納プランナーなどの専門家が監修。ウェブサイトも「収納づくりガイド」「収納コラム」「収納プランセレクトツール」など収納に関する情報が充実しています。

ショールームでは住まいサイズの収納を体感できることと、収納のプロであるライフオーガナイザーが間取りに応じた個別の収納を提案してくれることが特長で、完全予約制となっています。家事動線や生活動線を考えた間取りや、ストレスを感じにくい収納ノウハウが取り入れられているため、家づくりのおける収納計画に役立つショールームであるといえるでしょう。

大建工業株式会社

建築資材の総合企業、大建工業株式会社では、大手メーカー「TOTO」「YKK AP」とともにコラボレーションショールームを展開しています。DAIKENのフローリングや内装ドアとともに、TOTOの水まわり設備、YKK APの窓や玄関ドアが展示されたショールームで、アドバイザーによる案内・相談を希望する場合は要予約となっています。

ショールームで開催されるセミナー、防音相談会、音のお悩み相談会などは完全予約制です。

シアタールームを設置したい場合や楽器を演奏したい場合などは、秋葉原に防音性能の異なる3つの部屋を体験できるサウンドショールームもあり、そちらも完全予約制となっています。

まとめ

建築資材や住宅設備メーカーのショールームについて調査しました。

とくに売上規模が大きいメーカーにおいては、実際の製品や設備を体験できるショールームを展開している割合が高いと感じられます。

明確にターゲットを示しているケースは少ないものの、予約を受け付けているメーカーは一般客を対象にしていることが多いと考えられます。

またショールームのあるメーカーのうち6割超は予約制を導入しています。完全予約制のケースでは、案内スタッフを確保するためという理由が大きいと考えられます。

家づくりにおいては、ハウスメーカーや工務店のモデルハウスだけでは、そこで展示されているものしか見られないことが多いです。そのため、とくに建材や設備においては、それぞれの実物を確認したいと考える人も多いのでしょう。

また、モデルハウス規模ではなく、リアルな住まいの規模で体感できるショールームもあり、実際の暮らしをイメージしやすいことからも、ショールームの活用は有意義であると思われます。

加藤高士

様々な企業へCRMの導入支援を経て2012年4月株式会社ビジネス・アライアンスを設立。20年以上にわたり企業へマーケティング活動の支援を行う。マーケティングの視点から、予約ラボを通じて予約の可能性について研究を行う。

INDEX

この記事を読んだ人へのおすすめ

PICK UP STORY

コラム

中谷コラム - 予約の研究

Last update 2024.07.02

特集

予約は未来の約束
~ビジネスを成功させる理想の予約とは~

Last update 2024.07.02

INFORMATION

CONTACT