「予約管理システム」を活用した目的達成・課題解決を実現するため、 起案・提案・承認のスマートな進め方
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このページをご覧になっている方は、予約管理業務を効率化するため、あるいは売上アップを実現するために「予約管理システム」の導入をご検討中かもしれません。
しかし、以下のようなお悩みや課題をお持ちではないでしょうか。
- 現状の問題点や解決すべき課題の整理ができていない
- 上司の承認を取り付ける手順や方法がわからない
- 幾つかのシステムで比較・検討しなければならない
- システムの導入効果を算出する方法がわからない
- クライアントへの提案方法に悩んでいる
ここでは、「予約管理システム」のパッケージ製品を検討・導入する際のスムーズな進め方や重要なタスクなど、必ず押さえておきたいポイントをお伝えします。
目次
なぜ「予約管理システム」が必要なのか? 課題の整理や目的を明確に!
「予約管理システム」のようなITツールを初めて導入するという方もおられるかもしれませんが、組織における一般的な検討・導入のプロセスは大きく以下の通りです。
解決したい課題や目的を明確にした上で、システムに求める要件を定義し、候補のシステムを比較・選定します。そして、企業によっては前後するかもしれませんが、社内の決裁者に対する稟議申請を行い、承認を取り付け導入に至ります。
当然のことではありますが、最初にしておくべきことは、なぜ「予約管理システム」が必要だと考えるに至ったのか、その背景と目的の明確化です。
つまり、検討のきっかけとなった業務課題は何だったのか? その課題を解決する方法として、「ネット予約」や「予約情報管理」の仕組みが必要で目的達成に貢献するのか?
あらためて、対象の業務に関わるスタッフや顧客の声に耳を傾けて、現状の課題と解決策を明文化しておきましょう。
顧客からの予約を受け付けているスタッフには業務の流れや問題点を詳細にヒアリングする必要があります。
また、顧客に対してもネット予約に対するイメージや要望など、アンケート調査で明らかにしておくことで、システム導入自体が目的になることなく、業務プロセスの改善(BPR)や顧客満足(CS)の向上に向けた有益な取り組みになるでしょう。
例えば、現状の予約業務において、以下の問題が発生していることが明確になっていれば、課題解決の必然性や解決方法を見出すことができます。
- 電話の予約対応に平均○分/件かかっており、予約数も増加傾向で業務を逼迫している。
- 予約を受け付ける度、予約台帳に転記しているが、人為的ミスが度々発生している。
- 予約受け付けの際、スタッフへの割り当て作業に負荷がかかっており、特に予約変更時の作業に手間がかかっている。
あるいは、以下のような集客や売上アップに関する問題意識が共有されていれば、「ネット予約」の必然性が明確になり、「予約管理システム」にあるような機能や仕組みが必要だと裏付けられます。
- 営業時間外の予約を受け付けられず、機会損失を生んでいる可能性がある。
- 競合他社がネット予約の導入を進めており、離反を生んでいる可能性がある。
- 顧客管理によるフォロー活動が行われておらず、機会損失を生んでいる可能性がある。
その他の取り組みテーマとして「顧客満足度向上」もあげられますが、すでに顧客アンケートや接客時の要望などで関連性の高いものがあるようであれば、それらを一度精査しておきましょう。
システムに求める要件は簡潔に、優先順位も明確にしておきたい
現状の問題点や課題が整理できれば、解決策としてのシステム要件を明確にします。ここで重要なことは、優先度を考慮しておくことです。
システムを自社開発するのではなく、パッケージ製品を採用する場合は、全ての要件を満たせるかどうかはわかりません。むしろ、全ての要件を満たせない前提で、課題を解決するために必須なものは最優先に、あったら便利なものや将来的には欲しい機能などとは切り分けて要件を整理しておきましょう。
例えば、以下のような整理をしておくとシステム選定もしやすくなるでしょう。
最優先する要件
- 紙の管理台帳に近い感覚で誰でも簡単に利用できるシステムであること。
- 予約画面を既存のサイトに埋め込むことが容易なシステムであること。
- 自社でサーバーやアプリケーションの管理が不要なクラウドサービス(SaaS)であること。
- システム運用時のサポート体制がしっかりしていること。
優先する要件
- タブレットやスマートフォンなどのモバイルデバイスに最適化できるシステムであること。
- 顧客情報の管理を一元化でき、対象者に対するメール配信が容易に行えること。
- 「予約キャンセル機能」や「キャンセル待ち機能」が標準で利用できること。
将来的に求める要件
- 予約受付と同時に、クレジットカード決済ができること。
- 顧客に対するウェブアンケートが行えること。
また、前提事項ともいえる動作環境も事前に確認しておきましょう。社内システム管理者用の端末はWindows なのか Mac なのか、使用するブラウザは「Google Chrome」のどのバージョン以降か、などの確認は必須です。
デモサイトやテスト環境を利用して比較項目を検証しよう
組織でのシステム導入であれば、複数の候補から比較・検証して選定するのが一般的な手順です。そうすることによって、経営者や決裁者からはその企画・提案が必要な要件を押さえているのか、手段や投資が妥当なものになっているのか、などの判断をサポートできます。
システムベンダーやメーカーによっては、デモサイトやテスト環境を無償で用意してくれますので、できるだけ利用して検証することを推奨します。特に、機能レベルでは製品サイトやカタログをみてその有無を確認できますが、判断に個人差のある操作性については、実際に触れてみないとわからないものです。
また、検証時のサポート状況によっても、導入後のサポート充実度を推測できる要素となりますので、利用しない選択肢はないでしょう。
システム候補の比較にあたっては、例えば、以下のような比較表を作成することで、最終判断も容易となり、第三者に対する理解も深まるでしょう。
No. | 比較項目 | 「予約管理システム」の候補 | ||
---|---|---|---|---|
●●●●●●● (●●●●●●●社) |
●●●●●●● (●●●●●●●社) |
●●●●●●● (●●●●●●●社) |
||
1 | 導入実績 | ○ 3,000件以上 |
○ 5,000件以上 |
△ 不明 |
2 | 機能(●●●●) | ○ | ○ | × |
3 | 機能(●●●●) | ○ | ○ | × |
4 | 機能(●●●●) | ○ | ○ | × |
5 | 操作性 | ○ | ○ | × |
6 | モバイル対応 | ○ | ○ | × |
7 | サポート体制 | ○ | ○ | × |
8 | 利用料金 | ○ 5,000~25,000 円/月 |
○ ○○,○○○ 円/月 |
× |
9 | セキュリティ | ○ プライバシーマーク取得 |
○ ISMS認証取得 |
○ プライバシーマーク取得 |
「予約管理システム」導入による期待効果を定量的に算出してみよう
「予約管理システム」を導入することで得られる効果は目的にもよりますが、ここでは「予約管理業務の効率化」と「ネット予約数の増加による売上アップ」のケースを例に算出方法を考えてみましょう。
ケース1「予約管理業務の効率化」
・電話予約受付数 : 150件/月
・ウェブ予約への移行率 : 80%
・予約1件あたりの作業時間 : 5分/件
・作業時間のチャージ : 25円/分 ※時給1,500円として換算
150件/月 × 80% × 5分/件 × 25円/分 = 15,000円/月
もともと月に150件あった電話予約をネット予約に移行することで、それまで予約受付に要していた作業時間を削減できるという考え方の下、その効果を算出した例です。また、実際にはお客様が予約した件数だけではなく、予約可能な空き時間を確認するための電話対応やキャンセル対応も無視できない可能性がありますので、それらの効率化も考慮しておきましょう。
ケース2「ネット予約数の増加による売上アップ」
・ウェブサイトへの訪問数 : 1,000件/月
・ウェブ予約による新規予約促進率 : (仮に)1%
・予約1件あたりの利用単価 : 5,000円/件
1,000件/月 × 1% × 5,000円/件 = 50,000円/月
こちらは、ネット予約を開始することで、ウェブサイトに訪問される新規のお客様をネット予約に誘導できた場合の効果を見込んだ例です。ネット予約を開始する前と比べ、お客様はウェブ上の予約カレンダーを確認してそのまま予約を入れられるため、これまで電話で空き時間を確認していた手間も省け、「ここで予約しておこう」という気持ちを高める効果が期待されます。
また、この他にも算出が困難な期待効果もありますので、それらは定性的な効果として整理することをオススメします。例えば、予約来店時の待ち時間が少なくなることによる顧客満足の向上や、ネット予約による認知向上など、無理に定量化しなくても経営者や決裁者の理解を得られることも少なくないでしょう。
システム導入に向けて最終局面! 上司や現場との合意形成
当然ながら、個人事業ではない限り、起案者の意思だけで導入も運用も実現しません。決裁者となる経営者あるいは上司、システムを利用することになる現場担当者など、関係者との合意形成が必要です。
アンケート調査の結果では、「システム導入時の課題と対策」の設問で、以下の回答が得られました。他の選択肢と比べると強い傾向ではありませんが、「現場からの反対、抵抗」が6.3%、「上司との合意形成」が5.4%と、決して無視はできない課題要素です。
これらの対応策としては、
- 導入後の効果や他社との比較情報など、上司および社内委員会にてプレゼンを実施した。
- デモサイトを利用して、ユーザー側と管理者側の関係者が実運用を体感できる機会を設けた。
- 現場用のマニュアル作成と講習会を実施した。
など、導入企業の様々な工夫や努力を垣間見ることができました。
いずれにしても、「予約管理システム」を活用した業務改善や売上アップは、益々重要視される取り組みの一つだと考えられますが、これらのIT投資が各社にとって必要なものなのか、期待に見合う効果なのか、関係者に理解・周知されずに導入が進まないことは大きな機会損失です。
最後に、多くの企業で「予約管理システム」の起案や提案が推進されるよう「企画書テンプレート」をダウンロードできるサイトをご紹介します。
「企画書テンプレート」ダウンロードページはこちらから
※予約管理システム「ChoiceRESERVE」のサイトに移動します。