自治体の新型コロナワクチン接種予約システム3パターンを比較・解説
知る・学ぶ
INDEX
目次
はじめに
2021年10月現在、既に多数の方が接種された新型コロナウイルス感染症のワクチンですが、接種日や年齢によって予約の方法は様々であったかと思います。接種券が届き予約サイトで予約を取られた方もいらっしゃれば、クリニック等に直接電話で予約を取られた方、各メディアでも取り上げられたような整理券取得のために直接会場に並ばれた方など実に様々だったのではないでしょうか?
厚生労働省が運営しているコロナワクチンナビ(https://v-sys.mhlw.go.jp/)では、都道府県、市町村ごとに接種会場を探すことができますが、クリニック名や電話番号が表示されるのみ。サイト上で予約を完了できるわけではありません。予約を行うには、クリニックごとの予約方法に従う必要があり、予約は電話のみ、というクリニックもたくさんあります。
さて、今回の予約ラボでは、自治体ごとに設けているワクチン接種の予約方法についてパターンと流れをご紹介していきます。
今回ご紹介するうちの多くは、市区町村のウェブサイトから予約専用サイトにリンクするパターンです。
1回目の予約の流れについて
①世田谷区の事例
他の自治体同様に、区のホームページから特設されている新型コロナワクチン接種予約サイトにアクセスすることができます。
https://vaccine-info-setagaya.org/link.html
各規約に同意すると、まず接種券番号と生年月日8桁を入力する画面に遷移します。その後メールアドレスを含む個人情報とパスワードを入力することで、具体的に予約可能な日程(カレンダー)が閲覧できる仕組みです。次ページ以降はご利用マニュアルから画面を引用しご紹介いたします。
接種券番号と生年月日が合致しないと次に進めないシステムになっています。
多くの自治体やクリニックへの予約システムとの違いは、接種券番号と生年月日を先に入力・照合の上、個人情報と紐づけている点でしょうか?
世田谷区の場合、個人情報を入力することでマイページが作成されて、予約画面に遷移します。
「会場から探す」や、「日付から探す」の他に、予約可能な会場のみの表示など、検索絞り込み機能がついているようです。
その後、カレンダーから予約可能な日程を選択し予約完了となります。
今のところ、会場やワクチンの種類は選択肢が一つのみでしたので、接種希望日時のみを選択し「接種予約が完了しました」と表示されたら1回目の予約が完了です。
無事予約が完了すると、マイページに予約情報が表示されます。
各自治体でシステムは異なりますが、1回目の予約はほとんど同じ流れのようです。
接種券番号と生年月日がシステム上のIDとパスワードになっていて、ログイン後氏名やメールアドレスと紐づけマイページの作成につながっていきます。
予約完了後のキャンセル、変更等もマイページから操作ができる仕組みです。
②川口市の事例
続いて、埼玉県川口市の事例を見ていきましょう。
世田谷区との最も大きな違いは、接種券番号と生年月日を入力する前に空き枠カレンダーが表示されている点で異なります。
まず集団接種会場ごとになっている予約サイトへのバナーをクリックし、予約についての説明ページ下部に表示されている「予約する」を押すと、予約カレンダーへ遷移します。
カレンダーの表示も世田谷区とは異なります。世田谷区の場合、その日付に空き枠がありなしを色で表現しているのに対して、川口市の場合は、時間帯ごとに〇×△で表し、さらに残数が表記されています。
予約手順は、カレンダーから日程を選択した後、ログインのための接種券番号(ID)と西暦8桁のパスワードを入力。個人情報の入力を終えると予約内容が表示され、「予約を確定する」ボタンを押すと予約が完了します。
川口市のマニュアルは一般公開されていないようでしたので画面キャプチャはお見せできませんが、世田谷区同様にマイページ上で予約完了後のキャンセル・変更といった予約状況の管理は可能なようです。
③上尾市の事例
最後に埼玉県上尾市の事例を見ていきます。
おおよその流れは世田谷区・川口市と同様ですが、パスワードの役割を果たす生年月日が入力式ではなく、年と月が選択肢式になっています。
ログインを終えると、A「接種会場から選択」、B「日付から選択」と2種類の選択肢が出てきます。
Aの「会場から選択」ボタンを押すと、まず「集団接種(ファイザー)」、「個別接種(ファイザー)」、「個別接種(モデルナ)」と3つの選択ボタンが現れた後、会場選択に移ります。
上尾市が世田谷区や川口市と大きく異なる点は、個別接種と集団接種が包括的な予約システムになっている点です。つまり、個別のクリニックでの接種も上尾市の予約システムの中から予約ができます。
システム上は、会場数と種類が増えることで複雑になっているように見えますが、予約を完了するための要素は、場所と日時であることには変わりありません。上尾市の場合は、この予約システムに情報が一元化されています。会場ごとにスケジュールや予約可能人数等個別の事情が異なりますが、予約システムで予約手続きが完了できるようオペレーションされているようです。
その後の流れは、残り人数の表記の仕方が異なっていたり、時間の区切りが15分単位のパターンがあったりと細かな相違点はあるものの、世田谷区や川口市と同様の流れになっています。
カレンダーで、接種可能な日を選択します。
タブボタンで時間帯を選択します。
本人情報を入力し、1回目の予約が完了します。
予約のキャンセル方法について
- 接種券番号を入力し、生月日を選択しログインする
- 予約完了画面より、予約の取り消しをする。
※1回目の予約を取り消す場合、2回目の予約も同時に取り消しとなります。
予約の変更方法について
- 接種券番号を入力し、生月日を選択しログインする。
- 予約完了画面より、予約の取り消しをする。
※1回目の予約を取り消すと2回目の予約も同時に取り消しになるため、1回目の予約を変更する場合は、2回目の予約も取り直さなければならない。 - 1回目、2回目の予約方法と同様に再度予約をする。
なお、厚生労働省が運営しているコロナワクチンナビ(https://v-sys.mhlw.go.jp/)では、都道府県、市町村ごとに接種会場を探すことができますが、クリニック名や電話番号が表示されるのみ。サイト上で予約を完了できるわけではありません。予約を行うには、それぞれのクリニックごとの予約方法に従う必要があり、予約は電話のみ、というクリニックもたくさんあります。
予約方法が一元化されているとユーザーとしては便利かもしれません。
次回は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種予約の2回目についてシステムとオペレーション事例をご紹介していきたいと思います。
参考ページ (2021年10月11日)
調査日:2021年10月 各自自体ホームページ参考
https://v-sys.mhlw.go.jp/
https://vaccine-info-setagaya.org/link.html
https://coronavaccine-kawaguchi.resv.jp/
https://coronavaccine-kawaguchi.resv.jp/reserve/calendar.php?x=1633612936
https://ageo.hbf-rsv.jp/
https://www.city.ageo.lg.jp/uploaded/attachment/73566.pdf