2019/03/22

IoT時代の「予約」と「QRコード」の役割とは?

私たちの身近で、よく利用されているQRコード。このQRコードを発明したデンソーウェーブ社の黒部さん、松本さん、清水さんそしてクラウドを使用したシステム開発をされているテラスカイ社の庄司さんをお迎えして、予約とQRコードの「今」、そしてこれからの未来について、予約ラボメンバーである所長の星野、編集員の小谷と意見交換をいたしました。

QRコードのすでに知られている役割から、今後展開される可能性まで、実際の使用例などを交えながら対談の様子をご紹介します。

※QRコードとは?
デンソーウェーブ(旧デンソー)が1994年に開発した二次元バーコードの1つです。このQRコードは6つの機能を有しています。
  1. 大容量データの収納
  2. 小スペースへの印字が可能
  3. かな、漢字の効率よく表現
  4. 汚れ、破損に強い
  5. 360°どの方向からでも読み取り可能
  6. 連結機能をサポート
引用元:https://www.qrcode.com/about/

QRコード開発当初の価値は、メモリー・トレーサビリティ・業務効率化だった。

テラスカイ庄司様昔デンソーさんとご一緒した時に、話題に上がっていたのですが、顔のロゴが入ったQRもありますが、デンソーウェーブさんが出す前にどこかが出してたんですよね。なので、QRコードもちゃんと認定制をひきましょうって話をしたの覚えてますか?技術をクローズにするか、オープンにするかと言う話が上がっていた、2000年くらいでしょうか。

デンソーウェーブ黒部様15年くらい前ですね、2003年~2004年あたり。

庄司様そうですね。どちらかというとガチガチの方向で当時は会話したんですよ。認定しましょうと。当時で言うとDocuSign(ドキュサイン)とか、ウェブの画面でもサイトの認定とかあったように、認定制をひきましょう、という話をしたかと思います。これがこの広がりというか、あの時にもしかしてたらしていたらこうなっていなかったかもしれないし、せずに正解だったという気もしています。

黒部様当時は、効率化に注目していたこともあってQRコードの価値みたいなものをマトリックスにして、我々が定義しちゃってたんですよね。その定義から外れている使い方というのはあまりやっていませんでした。当時やっていたのは、ペーパーEDIという考え方。昔、フロッピーディスクを使用してた時代があったじゃないですか、今はSDカードですが。紙の情報がメモリーできるなどの媒体ですよね。そして、EDIを実現する。ネットワークなしでデータを取り出せるペーパーEDIみたいな使い方と、あと、トレーサビリティ。情報が全部たまっているので、この情報からすべて紐づいた情報が取れます。あと一つは作業の効率化。切り口が違う三つくらいの使い方、というものを、ここからベースから発想しましょうというのをやりました。
今となってはメインとなりつつある個人認証の世界や、マネタイズ面もあり踏み込みにいきませんでしたが、もっと最初からやれたかななんて思ったりもします。

庄司様そうですよね。

ドキュサインとは?
DocuSign®(ドキュサイン)は、世界188ヶ国で30万社が導入し、2億人を超えるユーザーが活用する、DTM(デジタル・トランザクション・マネジメント)と電子署名の世界標準プラットフォームです。時間や場所、デバイスに関係なく、クラウドで文書を送信、署名、追跡、保存できるので、セキュアな環境で最後まで残っていた紙処理を一掃し、真のデジタル化が実現できます。
引用元:https://www.docusign.jp/company

EDIとは?
Electronic Data Interchangeの略。「電子データ交換」の意味。専用回線や通信回線を通じ、ネットワーク経由で標準的な書式に統一された発注書、納品書、請求書などのビジネス文書を電子的に交換することを指す。EDIを導入すると、企業間取引を効率化し、受発注の省力化、在庫照会や納期照会などの決済業務が加速する。
引用元:https://www.otsuka-shokai.co.jp/words/edi.html

偽造改ざんさせない電子チケットとは?

予約ラボ星野もともと黒部さんと庄司さんの出会いのきっかけというのが、某ミュージカルのチケッティング、要は、電子チケットの案件だったんですよね?

黒部様そうです。セキュリティのあるQRコードが必要だということで。

庄司様私の以前の勤め先がSIをとって、SQっていうセキュリティが入ったQRコードを電子チケット化して、それをそのミュージカルのチケットにするというのをデンソーウェーブさんと一緒にやっていくという案件があったんですよ。その時に僕らは当時インキュベーションというのをやろうとしていて、せっかく今回一緒にやるなら、そこのQRコードを発行するところだけでも一緒にサービス化しませんか、という話になりました。

デンソーウェーブの電子チケットを解説!
コスト、配送など様々な面で工数を感じる紙チケットを販売から入場までスムーズにしたもの。チケットをモバイルQRコードにしてスマホに配信することで、紙のチケットよりもコストカットができます。またユーザーにとってもスマホで管理できるので紛失の心配もなくとても手軽。また入場時もスマホからできるのがメリット。
デンソーウェーブさんでは、企業側、管理側のメリットを「うれしさのポイント」として、紹介しています。
  • チケット発行費用を削減
  • 直前までチケットの販売ができるので販売ロスを低減
  • SQRCならチケットの偽造・改ざんの防止が可能
引用元:https://www.denso-wave.com/ja/system/qr/katsuyou/index2.html

黒部様あのとき、クラウドサービスって斬新でしたよね。

星野素朴な質問ですけど、セキュリティと言うのはどういったセキュリティなんですか?

黒部様偽造改ざんさせないというものです。

星野それは当時課題として、偽造されてしまっていたんですか?

松本様当時はQRコードってISを抱えたんですよね。仕様を完全に公開したんですよ。誰でも情報が全部とれるように、誰でも見られてしまいます。どんどん携帯が普及して携帯で読めるようになってしまうと、誰でも中身が見れることになってしまう。だけど、人によっては中身を見せたくない人も絶対にいるので、半分データを隠せるというのを企画したのがSQRCなんです。中のデータを全部見ることができないので、偽造改ざんされないんです。

SQRCとは?
SQRCは、データの読み取り制限機能を持ったQRコードです。プライバシー情報や社内情報の管理などに活用できます。
※本機能はコードデータのセキュリティ性を保証するものではありません。SQRCは、株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

SQRCの特徴としては、
  1. SQRCは特定のスキャナでのみ、読み取りが可能。
  2. SQRCのデータは、公開部と非公開部で構成され、ひとつのコードで、2つの管理レベルの情報を持つことが可能。
  3. 通常のQRコードの見た目、特性を維持しているため、SQRCの見た目は通常のQRコードと変わりがなく、QRコードの機能を全て有しています。
引用元:https://www.denso-wave.com/ja/system/qr/fundamental/qrcode/sqrc/

星野結構それは今でも普及しているんですか、その技術というのは?

黒部様しています。みなさん、知らないところで使っています。

星野そうなんですね。QRコードで今ぱっと思いつくのは飛行機のチケットなんですけども、ああいうものにも仕込まれているんですか?

清水様具体的には言えませんが、みなさん、すごく有名なところで、必ず使ったことがあります。見た目は普通のQRなんですけど、実は裏には隠れた情報があって、システム上使われていたり別用途で使われていたりというのがSQRCなんです。

庄司様基本的には、QRコードが二つ重なっているようなイメージ。実際には違うんですけど、概念的には、一枚のQRコードはスマホでも何でも読めるんです。もう一枚のQRコードはスクラブがかかっていて専用のコードがないと読めないんです。なので、普通にこういうので見たときはピッと読めます。

星野じゃあ一個はこれで読めるけど、もう一個の裏側のやつは専用の端末じゃないと、認証されたような感じじゃないと読めないということでしょうか。

黒部様パスワードや暗号キーが登録できると全部読めるんですけど、ないとこのオープンのエリアだけしか見えないという仕組み。

庄司様そこにセキュリティ性の高い情報を埋め込んでおくメリットは、オフラインでできるんですよ。飛行機などはオンラインなので、訳の分からないコードがいっぱい入っていて、それをオンラインでサーバー側がチェックして返ってくるというふうにやってるんですが、これをサーバーが無くてもオフラインでできるんです。例えば、電子チケットとか、スタジアム、コンサートなどで使用すると回線がパンクするんですよ。回線がパンクするから、ピッとやってもあれ?あれ?となってしまう。オフラインならパソコンとリーダーだけで取れるので、SQR付きの電子チケットは良い、ということがあるんですよね。

小谷素朴な疑問なんですが、飛行機、会場の混雑回避以外で、オフラインにするメリットってありますか?

庄司様オンラインにすると、その情報をサーバーで処理するんですけど、データを処理するものを作るには費用もかかるし、全体のコストバランスにも関わります。なので、金額、開発工数、導入コストも抑えられるということはありますね。

星野この間、顔認証のやつあったじゃないですか。オフラインにしようとおっしゃってましたけど、これは応用でしょうか?

黒部様SQRCの隠されたところにこの顔の情報を入れることですかね。

黒部様顔の特徴の情報をここに、ここは自由に使うところなので。それが顔認証。

星野この間教えて頂いたのが、宇多田ヒカルのコンサートのチケットの話。偽造されてしまうから、顔を事前に撮ってもらって、QRのチケットになったことがありましたよね。

小谷転売防止ですよね。

技術のオープン化とマネタイズのバランス

星野あるあるな話ですが、いい技術とソリューションがあるんだけど知られていないし、普及しているのかなというと、大手のマーケットが大きいところには入っていても、なかなか市民に降りてきていないという感覚があって。

小谷あえて降ろさないようにしているところがあります?

全員そんなことない!笑

黒部様そういう意味でいうと、我々は王道の使い方しか分からないんです。であればプラットフォームを準備しちゃおうと。読み取りのインフラ整備、生成、作るインフラの整備など、本来の使い方をガイドするところまでできていないということを課題として感じています。知識、ノウハウ、アイディア、そういうのをいろんな人と持ち寄れるのがラボなんではないかと思ってますね。

庄司様その通りですよ!

星野頭のいい人たちのアイデアとか技術がある中、一方でビジネスの現場、誰でも、事業者やサービスの利用者もそうですし、そこに溝があるので、そこを埋めていきましょうというのが、このラボの役割なんじゃないかなという気がしています。

庄司様本当にその通りですよ。もともとオープンにバーッとばらまいたじゃないですか。だからものすごい広がっていると思うんです。一方、そこに対して仕掛けをいれていこうとしている。そこをクローズにしていこうとすると、今度は価値が出て来るじゃないですか。その価値が出てきたときに、一枚単価というのが出て来ると思います。かたやタダでできて自分で作れるから一枚一円もかからない、クーポン券でも何でもQRコードが入って、かたや仕掛けが入った瞬間に価値が跳ね上がって来るので、そこがやっぱり、それを使ってビジネスをしようとしている人からすると、選択が難しい。
タダだから広まったところがあるんだけど、一枚一円ですとした瞬間に、一万枚出したら一万円になるし、百万出したら百万円になるし、それが毎月ですとなると結構なコストになる。落としどころと言うか、それがアイデアを止めてしまっているところもあると思いますね。タダで使えるからってアイデアが広がるという流れが、微妙な位置にあるんじゃないかなと。

星野ちなみにQRコードで、想定されてなかった使われ方というのは、事例とかありますか?

黒部様いっぱいあります。例えば、QRコードがお金になるというのは、アイデアはあったけどまさか本当に使われるようになるとはって。QRコードを使ってスマホで決済できるようにするという使われ方は、随分昔に話はしていたんですよ。10年くらい前かな。だけど、QRコードを使って決済したいなんて世界が来るとは想定していなかった。気になった使い方だと中国。中国だとお賽銭もこれでするようになってるんですよね。中国ではお寺に行くとQRコードが貼ってあるんですよ。みんなウィーチャットとかアリペイとか開けて、ウィーチャットでお賽銭を納める。歩道にいる物乞いの方が自分の前にQRコードを置いて、ここに寄付してくれみたいな。

星野印刷してるんですか?

黒部様自分で印刷しています、普通の紙で。

星野そこらへんがいいですよね、誰でも始められる。iPadとか用意しなくても。印刷できるから、技術やITに詳しい農家のおばちゃんでもできるという。

黒部様産業用途を想定していたかな、もともと。

星野そうですね、工場とか。実際に今でも使われているんですか?

黒部様使われています。

庄司様本丸ですからね。

黒部様よくあるのは作業指示書の右上にQRコードがどんとあって、それをラインの先頭で読み込むと、その工程が下流までいって、全部段取り返して、最後出荷まで読ませて工程管理するというのが、製造現場で実際に使われている。

星野RFIDというのもそこから生まれたんですか?あれもデンソーウェーブさんの技術ですか?

RFIDとは?
RFIDとは、電波を用いてRFタグのデータを非接触で読み書きするシステムです。バーコードでの運用では、レーザなどでタグを1枚1枚スキャンするのに対し、RFIDの運用では、電波でタグを複数一気にスキャンすることができます。電波が届く範囲であれば、タグが遠くにあっても読み取りが可能です。
特徴としては、
  1. スキャナをかざすだけで、複数のタグの読み取りが可能
  2. 距離が離れていても読み取りができる
  3. 箱の中など密封状態でも問題なく読み取れる
  4. タグの表面に汚れがあっても読み取り可能
など多くの利点があります。
引用元:https://www.denso-wave.com/ja/adcd/fundamental/rfid/rfid/index.html

清水様違いますね、あれは世界の一般的な技術です。

黒部様企業という立場もあって、マネタイズもあるんですよね。QRコードって誰でも自由に使えるから、いろんな使い方を発想してわっと広がっていったというところがあります。我々はそこでマネタイズをしなければいけない段階にある。マネタイズできる要素で考えていくんですよ。だけど、今は多分そういう考え方のみではだめで、広い視点がなければと思っています。

庄司様そこなんですよ。

黒部様これ、うちの会社の意見でなくて、僕の意見ですけどね。

庄司様そうですよね、絶対そう思います。

星野デンソーウェーブさんのマネタイズですと、ハードのところでという発想になるのかもしれないですけどどうでしょう?

黒部様機能を付加したQRコードというのがあって、そういうサービスなんかは手数料や使用料がマネタイズになったりしますね。Qkeys(キューキーズ)はまさにその発想。

Qkeysとは?
NECの「Qkeys®」は、セキュリティ機能を搭載した新しいQRコードの形態である「SQRC」を発行するSaaS型サービスです。
QRコードにセキュリティ機能を搭載し、新しいQRコードの形態である「SQRC」の生成を、NECのデータセンターを利用したSaaS型サービスとしてご提供するのが、Qkeysです。
利点として、システム導入の必要がない、不定期のイベントなど、必要なときに利用が可能。
またペーパーレスのため、コスト削減にも可能。

引用元:http://www.nec.co.jp/soft/qkeys/qkeys.html

QRも予約も「オフライン」の話。

星野この間、新幹線をスマートEXで予約したんです。自分の分だけだったらそのままSuicaに記録されてすっといけるんですけど、奥さんの分も登録したのでチケットに換えなきゃいけなくて。飛行機だったら、認証で予約番号ともう一つ何かを登録すれば発券されるんですけど、スマートEXはパスワードを入力しなければいけなかったんですね。覚えてなかったので、発券ができなくて。時間ギリギリ、窓口も混んでいたので、特別対応で発券してもらったんですけど。あれとか、パスワードやめたらいいのにって思います。個人認証でする。飛行機もパスワードとかいれ図、旅券の番号とクレジットカードあればOKみたいな感じじゃないですか。こういうのがあればパスワードいらないんじゃないかな。

庄司様パスワードいれないという方法だと、競馬の馬券はマークシートを塗りつぶすんですが、最近マークシートを塗りつぶさなくてよくなったんですよ。買いたいやつをピピピッとやるじゃないですか、そうするとQRコードが出て来るんですよ。そのQRコードを馬券の発券機にピッとかざすと、馬券が出て来る。だから、前みたいにペンを持って馬券を塗りつぶさなくていいんです。

星野チケットがないんですか?

庄司様チケットは出て来るんですよ。昔、共通一次、センター試験とか受けたときのマークシートありますよね?競馬場の開催地と何レースなど様々な情報の組み合わせを全部マークシートで塗るようになっていて、塗って券売機に入れると馬券が出て来るというのが主流だったんです。今はデータを見ながら欲しいものを入れるとQRコードが出てきて、それを券売機にかざすと馬券が出て来るから。新聞とか赤ペンとかいう話はなくなったんですよ。これのおかげで。

小谷今の世代はQRコードがすごく普及していますよね。この間、ディズニーランドに主人と行ったんですけど、ネットでチケットを購入したらQRコードだったんですよ。私が買ったときに、主人に共有する際手間がかかるかなと思ったんです。だけど、私から簡単に送ることができたんです。友人に送ります、みたいな項目があり、簡単に送れて、ウェブに繋いだらすぐにチケットが表示されるという状態だったんですよ。アプリのやつで。それに衝撃を受けました。入場時、若い世代は普通にピッピッとしていて、私はすごい!と騒いでいたんですけど。若い子にしてみたらチケットなども電子化が普通で、逆に電子化していないと面倒くさいという世代のギャップもあるかも知れません。

庄司様ラインの友達もQRですもんね。
これですよ(馬券サイトを見ながら)そしてQRコード作成を押すと出て来る。これを馬券機にかざすと馬券が出て来るんですよ。

小谷すごい!画期的ですね。

黒部様想定していなかった使い方ですね。

星野ディズニーランドのチケットは、ユニークのコードが発行されるということなんですか?

小谷そうです。使い方でいうと、スクリーンショットで撮った画像はオフラインじゃないですか?これは読み込めないんです。オンラインにしておかないといけないんです。私は結構テクノロジーが好きなので、主人と、これ何でだろうね?オンラインにする必要性は?データとってるのかな?とか気になって話していました。でも若い子たちは普通にオンラインにしてピッピッと通っていて。若い子たちは常にオンラインにしているんですよ、だからまごまごせずにスムーズに通っていました。私たちはスクショで行ってしまったのでもたもたしてしまったんですけど。若い世代の普及がすごいなというところ。あとは、煩わしくないですよね。紙のチケットだと首から下げないといけないから。ファミリー層だと全部一括で管理できるから画期的だなと、一人で感動していて。結構、衝撃でしたね。

ディズニーランドでオンラインチケット使用する!
2018年2月20日より、スマートフォンで購入したパークチケットで入園できる新サービス「ディズニーeチケットディズニーランド・シー」を使用すると手軽にディズニーランド、ディズニー・シーに入園できます。従来の入園方法は、紙に印刷されたQRコードをかざす必要がありました。紙のチケットを入園当日以前に買われるかと思いますが、紙ですと、管理も大変です。(紛失など)またこのeチケットは、入園してからも管理が用意に。チケットは、家族や同行者の分をまとめて購入した場合でも、メールやLINEでシェアをすることができます。そして、それぞれのスマートフォンを使って入園が可能!

黒部様スマホが画期的に変えたんですよね。紙でもあるし、カメラでもあるし。紙としてQRコードでデータを受け渡せるし、読み取るというそっちの機能もある。これがすべての生活を変えましたよね。これとどう融合するかというのが、あまり想定していなかったことかなと。

星野そうですね。予約の観点でいうといつもあがってくるのが、予約してから来店したときの認証の話。ゲーティングとかチケッティングとか、あとはチェックイン、チェックアウトの問題。利用実績が計りたいとか。ウェブとリアルの繋ぎ目のところですよね。そこがデータとして取れていない、など意外とバラバラなので、庄司さんのような方とか、インキュベーター、つなぎ役として入ってくださってありがたいです。この間、個人認証がQRコードでできるデモ機を作ったというのがきっかけだったんですけど。あれ、もっと出したいですよね。

庄司様そうですよね。今、マーケティングオートメーションと言われて色々あるじゃないですか。ああいうのは全部オンラインなんですよね。どのランディングページ踏んでここまで来たとか。この人はどれだけ見てるとか、メールを開いたとか受けたとか。常にオンラインの行動を追っかけているんですけれど、QRとか予約というのはどちらかというとオフラインなんですよ。これを見て馬券買ったとか。これを見て夢の国行ったとか。それって全部オフラインの行動。お店にきたとかもそうですし。
だから、マーケティングオートメーションと言いながら、O2Oだ、オンラインとオフラインだと言いながら、オフラインの行動を全然拾えていないという現実現状がある
そこに僕は、ユーザーの課題と今のQRを、使われ方をよく見れば、オフラインの行動分析にもっと広がっていくんじゃないかと思います。将来的な話をすると。そういう期待もあるんですよね。
必ず、現場で使うものとしてのイメージがあるじゃないですか、QRコードには。直接読んだり見せたりするから、オンラインではなくてオフラインの行動なんです。そこにもっと分析研究していく余地がある。実は今の想定されていない使い方を見ても、全部オフラインの行動ですし。

黒部様確かに確かに。

星野もっとユーザーに圧倒的な利便性かエンタメ性を見せていきたいですよね。圧倒的な利便性かエンタメ性があるから使われていて、だからデータも取れる、という方がいいのかなと思います。

庄司様そうですよね。

星野システムを導入するサービス事業者にとっては、データ取ってどうするの?というところまでは最初は想像しにくいと思うので、便利だから入れない理由はないですよね、と。

庄司様そうなんですよ、あとはソリューションだけなんです。普及しているし見慣れているし、誰でも使える。リーダーがあって、コードを持ってたら、誰でもピッとやりたくなるじゃないですか。だからそういうのを考えると障壁はものすごく低いんですけど。
見慣れて当たり前と思っていることも、色々アイデア出してみるとさらに面白いインキュベーションが出て来るんですよね。

黒部様ウェブの世界と工場の現場系の自動認識技術と言われているようなものは、スマートフォンのような媒体が出て来る前はセパレートな感じだったんですね。現場は現場の作業効率化、ウェブはウェブでというのが、かなりくっつけるような媒体になってきたのは、進化というか色々なニーズが生み出されていました。今までは紙があって読み取り機があって、一方通行だった。これが出てきたことによって、双方に変わったんですよ。お互いのコミュニケーションが変わったから、想定できなかった伝え方がばーっと出てきたイメージがあって。
生活の変化で何ができるのか、それに対してどのようなソリューションを生み出していけるのか、もっと言うと企業だからマネタイズもするのか、というそこまで落とし込めるような話ができると面白いのかなというのが一つの使い方です。

Proof of Concept、フィジビリティスタディ支援をやるなら「ラボ」では?

庄司様僕はラボとして動くのがいいと思っているんです。企業だと、マネタイズを意識しながらやらないといけない。でも先にラボとして研究したりしてから、その先にマネタイズがあるという考えでもいいのでは?と。

星野庄司さんがおっしゃっていたPoC(Proof of Concept)的なところですよね。ITの話になると、すぐに「要件定義どうする?」とか「こんな感じのつくるといくら?」とか「RFPあるから、見積もりよろしく!」になりがちなのですが、突っ込んで質問してみると、ビジネスやサービス方針が決まっていないので、オペレーションも決まっていないケースがあります。そんなときは、作る前にフィジビリやりましょう!というお話をします。デモ機をたたきにして、ビジネス・サービス・業務整理を並走するなど。予約はもちろん、CRMやQRコードもできるし、結果の解析もできますよという話ができるんですよね。実際に、 フィジビリティスタディ目的で既存のSaaSを駆使しながら、ビジネス・サービス・業務の仮説検証をするプロジェクトに関わったことがありますが、とても理にかなっていると感じました。

庄司様今、企業も、モノからコトというサービス思考へ変わってます。色んな企業が自分たちが提供できることがないかと研究してもがいている中で、そこにシーズ発見、インキュベーション目的で、ラボとして力を貸していくのはありじゃないかなと思います。
例えば、シェアリングの話も山のようにあって、今まで買ってもらっていた企業がほぼほぼシェアリングに、高額な物からシェアリングに変わってきているので。そういうのを考えると、どう使われてきたか、どう使われているかというのを、検討している人たちにラボとして情報提供として発信していくなど。

黒部様この間ハッカソンみたいなのはやったんですよね。そこで生まれたところにデンソーウェーブが立てばお金を入れてビジネスをやっていいよみたいな、そんな世界をアイデアベースで話をしました。確かに、ラボ自身がそういう機能を果たす。

庄司様黒田さんたちの3年後、5年後10年後をある程度考えたうえでのちょっと前行くラボ、みたいなイメージの方が面白いかも。でもその潮流を生んだんだから、その潮流を今度は続けていく責任がありますよね、という。

黒部様確かに面白いというか、あまり考えていなかったので、刺激がありましたね。

庄司様あとは予約ラボの勉強会もいいですし、実際に現場でそれを使って悩んでいる方を交えて話をするというのをやっていく。3時くらいからにしてビール飲みながら(笑)

星野やるぞ、というよりは、もうここでは始まってますしね!

庄司様「QRラボを始めました」というのが出れば、動かすことができる。あくまで予想ですが、動かすことができれば、もっと加速すると思うんですよ。ただ、僕の経験から言うと、あんまり前に走りすぎると絶対に谷ができて消滅してしまうので、半歩か一歩前くらいで研究やラボをやると次の商売のインプットになるんじゃないかなと思います。

黒部様QRコードドットコムというサイトですが、デンソーウェーブの名前を出さずに、中立的に、みんなQRコードを広く使いましょうよというサイト。それが今は少し下火になってきているかな。それはQRコードがどういったものかという質疑が全部入っていて、そこに足りてないのは、あとは使う仲間集まれ!ということですね。

清水様そういうのと連携させるのが非常に面白いですね。

星野それやりましょうよ! 御社のQRコードドットコムから、QRラボ立ち上げなんていうのも面白そうです。今日はお忙しいところ、ありがとうございました!

編集後記

生活者としては、映画や乗り物のチケット、LINE IDの交換、最近はPayPayの支払い時など、日常に溶け込んでいるQRコード。そんなQRコードの生みの親であるデンソーウェーブの黒部様・松本様・清水様と、予約ラボの活動を一緒に取り組んでいる庄司様との座談会でした。

冒頭で、黒部様から「トレーサビリティ」というお話がありましたが、デンソーウェーブさんの技術やソリューションは、ものづくりの工場や物流の現場が本丸とのこと。これと「予約」で相性がよさそうなのが、例えばレンタル衣装の管理です。Webマーケティングをしっかりやって、試着予約、案件管理、顧客管理、衣装管理までやっていく。といったように、サービスの現場にも十分に展開できるでしょう。

印象的だったのは、庄司様の「QRとか予約というのはオフラインなんですよ」という箇所。会話には出ませんでしたが、人感センサー、顔認証、スマートロックなど、オフラインの行動履歴を、マーケティングオートメーションのようにとっていくという流れに、「予約」は一つの入口として位置づけできそうです。

全体的なお話の内容としては、読者の方には、周知のことが多かったかもしれません。ただ、実際こういった技術の恩恵を受けている事業者はほんの一部だと感じています。生活者の利便性向上と、事業者の業務効率化、それらのデータ活用による改善を浸透させていくには、今回のようなボーダーレスなチームで、取り組みを進めていくことが、重要なのではないでしょうか。今回は、ソリューションの知見を持った3社の集まりでしたが、庄司様のおっしゃる通り、この予約ラボという場を、各事業のリーダーの方が集りたいと思えるプラットフォームにしていくことが、重要だと考えます。予約ラボが主催している「予約の勉強会」では、もっと現場の生々しいお話が多いのですが、未来に向けた活動をここから生んでいきたいと思います。(予約ラボ 星野)


著者:予約ラボ編集部

予約ラボでは、共同研究や予約に関する調査を行っています。

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