季節商品のマーケティング効果や売上最大化のポイント!限定商品の成功事例も
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マーケティングの手法のひとつに、季節商品を活用したものがあります。売上アップをはじめとしたさまざまな効果が期待できますが、ただやみくもに季節商品や期間限定商品を販売するだけでは、マーケティング効果を最大化できないでしょう。市場や顧客のニーズを分析した上での適切なアプローチが必要です。
今回の記事では、季節商品のマーケティングで得られる効果やメリット、マーケティングでのポイントの解説とともに企業の事例を紹介します。
目次
季節商品とは
季節商品とは春夏秋冬の中で特定の季節に販売される商品やサービスのことです。シーズン商品、シーズナル商品とも呼ばれています。気候や温度を原因に人気や需要が上がる商品が該当します。夏ならエアコン、冬ならこたつ、雪の多い地域なら雪かきスコップやスノーブラシなどです。ハロウィンや正月などの行事に関連した商品も、季節商品に含まれます。
季節商品を活用したマーケティングとは
季節商品をマーケティングへ活用するには、気温や天候、行事やイベントに応じて変動する商品の需要を予測し、販売戦略を立て展開することが重要です。
商品の変動需要を得る有効な情報として利用できるのが季節指数です。季節指数は年間総販売額を月別販売額で割った月平均=100%として、この平均に対する各月の販売額を%で示したものです。季節指数が高ければ高いほど、その月や季節における商品の需要が高いことになります。
季節商品マーケティングのおもな手法
季節商品のマーケティングには、おもに以下の手法があります。
- 特定シーズン中に変動する気温(秋の肌寒さ、夏の暑さ)、天候(梅雨時の降雨、冬の降雪)、行事やイベント(正月、クリスマス、母の日、新生活、卒業式)など変化要因に対する商品管理(需要のある商品の適切な仕入れと在庫管理)
- 関連販売などで季節感による他商品紹介や生活提案などを展開する(抱き合わせ販売も期待できる)
- 最盛期に特設コーナーやECサイトでのコンテンツの設置などで売り出す
- 良いタイミングで見切り販売をする(9月初旬に夏の季節商品のセールをおこなうなど)
- 季節商品で、さらに販売期間を数日~数ヶ月に限定した期間限定商品を販売する
季節商品マーケティングのメリット
季節商品マーケティングを展開するメリットを解説します。
売上を最大化できる
季節にマッチした商品はある一定の期間や季節において需要が高いため、年間を通じて売れる商品よりも、限定的ながら大きな売上獲得が期待できます。
商品のマンネリ化を防げる
通年で売れ行きの良いヒット商品を出すことは、継続的な売上獲得につながります。ところが通年商品だけではマンネリ化し、顧客に飽きられてしまうこともあるでしょう。季節限定商品や期間限定商品を販売することで、顧客の購買意欲を刺激して、マンネリ化を防げるのもメリットです。
大日本印刷株式会社(DNP)のパートナー企業であるSegment of One & Only株式会社(SOO社)の持つ氷菓(アイス)の売上データによると、プレミアムアイスの売上上位20位までの中で「限定品」が占める割合は36.9%との調査結果が出ています(※1)。多くのメーカーが限定品を出している一方、消費者側も限定品を選んで購入することが多いということが分かる結果となっています。
※1 出典:DNP「独自調査で市場を分析:日本人は「限定品」がお好き?」
https://www.dnp.co.jp/media/detail/10158046_1563.html
話題性を得られる
通年販売している既存のヒット商品の中でも、シリーズや他ラインナップとして季節限定品を出すことで大きな話題性につながります。レギュラー商品に季節限定という付加価値を付けることで新しいヒット商品が出る可能性もあるでしょう。
商品そのものはもちろん、ブランドや販売している企業にも話題性が生まれます。Webを通じて拡散されれば、大きなPR効果が得られることもあるでしょう。
季節商品マーケティングを実施する流れ
季節商品のマーケティングを実施するための流れを解説します。
目的を明確にする
季節商品のマーケティングの手法は複数あり、目的によって選ぶ手法は異なります。まずはマーケティングを実施する目的は何かを明確に設定し、適切な手法を選びましょう。
季節商品マーケティングのおもな目的には、以下のものがあります。
- 季節ニーズを予測して売上を最大化する
- 話題性や認知度の向上
- 顧客満足度の向上やブランディング
- 季節商品の在庫一層
早期予測を立てて商品を並べる
季節商品は季節に先駆けての対応が求められます。次期シーズンの季節商品の企画や仕入れは、早めに予測を立てて早めに行動をしましょう。
季節商品の売れ残りを防ぐために、店舗やWeb上で在庫一掃セールをおこなう場合も、消費者が季節商品の需要をまだ持っている間にすることが重要です。
季節商品販売やセール認知のためのプロモーションを
季節商品の入荷、新しい季節商品や期間限定商品の発売、在庫一掃セールなどを顧客に認知させるためのプロモーションをおこないます。既存顧客にはメールリストからのメルマガ配信やDM送付などが有効です。割引クーポンを付ければ、既存顧客の呼び込みにもつながります。
新規顧客を呼び込むためには、Web広告の出稿や公式サイトでの告知バナーの設置、SNSでの発信などが有効です。
季節商品マーケティングの事例
季節商品の具体的なマーケティング事例を、春夏秋冬ごとにピックアップして紹介します。
春の季節商品マーケティングの事例
2022年の春に実施されたマーケティング事例をご紹介します。
日本交通 お花見タクシー2022
タクシーの乗務員がセレクトした都内の花見スポットへタクシーで向かい、タクシーからお花見ができるサービス。
ホテルメトロポリタン 母の日ギフト
フラワーケーキなど、母の日ギフトとして限定商品3品を事前予約制にて販売。
株式会社クルーズクラブ東京 こどもの日特別運航「クルーズで訪ねる東京湾」
クルーズを、船内厨房で一皿ずつ丁寧に仕上げられたフレンチコースとともに楽しめる「ランチクルーズ」、クルーズと軽食・特製デザートを楽しめる「アフタヌーンクルーズ」の2コースを、2022年の子どもの日限定で実施。
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夏の季節商品マーケティングの事例
こちらも、2022年夏に実施されたマーケティングの事例をご紹介します。
DEAN & DELUCA サマーギフト2022
フルーツソルベ、冷やしそうめんなどのサマーギフトを限定品として、2022年8月31日まで予約受付、販売。
DRESSY ROOM YOKOHAMA ジューンブライド限定キャンペーン
これから結婚準備に入る花嫁さんを対象とした、6月のジューンブライド限定キャンペーン。来店および成約にあたって、最大80,000円分のクーポンをプレゼント、先着20名様に「Wedding Box -ウェディングボックス-」のプレゼントを実施。
グランドニッコー東京 台場 プール入場券付き宿泊プラン
プール入場券付きの宿泊プランおよびデイユースプランを、2022年8月31日までの期間限定で提供します。
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秋の季節商品マーケティングの事例
続いて、2022年秋のマーケティング事例をご紹介します。
銀座コージーコーナー ハロウィンスイーツ
「ディズニーヴィランズ」(ディズニーの悪役キャラクターたち)の魅力が表現された9つのプチケーキアソート。10月末日までの期間限定で販売。
イオン ボージョレ・ヌーヴォー
解禁日に合わせて2022年9月1日から11月13日まで予約受付。
ゆず庵 七五三のお祝い「贅沢茶碗蒸し付きコース」
11月中の前日までの予約に限り、一部のコースにゆず庵特製「贅沢茶碗蒸し」を付けたお祝いコースを提供。
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冬の季節商品マーケティングの事例
最後に、2022年冬のマーケティング事例をご紹介します。
シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル クリスマスケーキ
クリスマスショートケーキ、ショコラオランジュミルフェ、ブッシュドノエルなど多数のクリスマスケーキの予約販売。予約は11月1日からスタート。
ケンタッキーフライドチキン クリスマスメニュー
パーティバーレル オリジナル、パーティバーレル バラエティ、五穀味鶏 プレミアムローストチキンなど、クリスマス専用商品の予約販売。予約は11月2日からスタート。
オリジン東秀 オリジンおせち
数量限定のおせち予約販売。10月1日より予約開始。
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季節商品マーケティングで売上を最大化させるポイント
季節商品のマーケティングを成功させるために、覚えておきたいポイントを解説します。
都度予測しマーケティングに活かす
季節商品は需要のある時期が限定されます。需要のある期間を過ぎる、または予測が外れると季節商品が在庫化してしまいます。過剰な売れ残りを発生させないように、都度売上予測をおこない、マーケティングに活かしましょう。気候や天候、市場の動向に注視し、最適な商品の仕入や在庫管理につなげることが重要です。
在庫になりそうなものがある場合、早めに見切りをするためのセールをおこなうのも選択肢となります。
通年化された季節商品には付加価値を
冷暖房機器の性能向上や、季節行事への興味関心が低下した人の増加などの影響を受け、もともと季節商品だったものが通年商品となったパターンも多くあります。たとえばアイスクリームや肉まん、おでんなどは通年販売されています。
通年化された季節商品には、顧客の購買の動機づけとなる付加価値をプラスすることで、消費者の購買意欲を刺激できることもあります。たとえば期間限定フレーバーやカラーなどを出す、他商品の購入特典にする、セット売りにする、数量限定販売にするなどの方法です。
顧客へ適切に季節商品を届ける取り組みを
季節商品や期間限定商品によっては、販売開始とともに消費者の購入が集中することがあります。販売業務が煩雑になることで、従業員の負担増、行列の発生や品切れ、品薄による顧客満足度の低下なども懸念されます。
季節商品や期間限定商品のマーケティングの成功は、顧客へ確実に商品を届けることが前提となります。その解決法となるのが、事前予約です。前述の季節商品の事例でも、数量限定品や受注生産品はもちろん、特に数量を限定していないものでも事前予約を受け付けていました。
事前予約にともなう予約業務を効率化させるためにおすすめなのが、予約システムをはじめとした予約管理ツールの導入です。顧客に確実、かつ平等に商品を届けることで転売目的での買い占めなどの防止にもつながります。予約システムを導入すれば、利益はもちろん、顧客満足度や企業、店舗としての信頼度アップも期待できるでしょう。
潜在能力を秘めた季節商品マーケティング
季節商品のマーケティングの概要やメリットとともに季節ごとの事例を解説しました。季節商品の販売は一次的な人気やニーズを汲み取り、仕入や在庫管理を適切におこなうことで成功につながります。
顧客へ商品を効率的、かつ確実に届ける方法なども使って、季節商品マーケティングを成功させましょう。