窓口業務はつらい! 従業員のストレスを軽減する方法|社内のフォロー対策や負荷軽減ツールなど紹介
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銀行や保険、そのほか多くの業種で顧客と対面接客する「窓口」の業務があります。窓口業務の具体的な仕事内容は、不特定多数の顧客との対面接客を繰り返すことです。長時間の対話やクレームを直接受ける機会もあり、従業員が大きなストレスを抱えてしまうこともあるでしょう。
本記事では主に管理者様に向けて、従業員のフォロー対策や、有効活用できるツールを紹介します。窓口業務のストレス緩和にぜひ役立ててください。
※この記事は、「予約の知見」と「サービスの現場」を共創し、そこに眠る価値を発見・創造していく、日本で唯一の予約研究機関【予約ラボ】が監修を行っています
- 窓口業務は何故つらい? ストレスの原因となる様々な要素
- 従業員が窓口業務でストレスを抱え込むことによるデメリット
- 従業員が窓口業務でストレスを抱えないために企業ができること
- 窓口業務を扱う企業が実施すべき「ストレスチェック」とは
- 従業員のストレス解消に最適な相談先を提供することも重要
- 窓口業務自体の効率化、自動化も有効
- 予約管理システム導入で窓口業務のストレスを軽減
- 窓口業務では従業員のメンタルヘルスが大切! 便利なツールでの業務効率化も
目次
窓口業務は何故つらい? ストレスの原因となる様々な要素
窓口業務として働くスタッフがストレスや辛さを感じる原因には、さまざまなものがあります。具体的なストレスや辛さの原因を解説します。
覚えるべき業務知識が膨大
窓口業務の仕事をこなすために、多くの業務知識が必要です。一般的な窓口業務は以下のようにさまざまな仕事内容があります。
- 必要な手続きの説明
- 来社や来店したお客様の受付
- 関連する部署への誘導や案内
- お客様の知りたい情報の提供や回答
- お客様の抱える問題の解決
- お客様からの意見やクレームの受付
- 付随する事務作業
窓口へ訪れる顧客や施設利用者それぞれに、適切な対応をしなければいけません。窓口での応対の際には、基本的に窓口業務のスタッフ対お客様個人で接します。さらに顧客を待たせないように迅速かつ無駄のない対応も行わなければいけません。
窓口業務は、業務や顧客への対応をスムーズに進めるために覚えることも膨大にあり、日々新しく覚えることも発生することから、窓口業務として働くことに辛さやストレスを感じる人も多いです。
一日中、様々な人と接しなければならない
窓口には、毎日多くの人が訪れます。再来社する人や常連の顧客もいるものの、窓口のスタッフとは初対面となる人がほとんどです。「人と話すことが好き」な窓口スタッフでも、初対面の人物と次々に接することは気疲れが蓄積します。
責任が重い仕事である
窓口はお客様が訪れたときに最初に接する部署です。そのため、窓口業務は企業の顔という側面も持っています。窓口業務での対応が企業や施設、店舗の印象を決めることにもなるため、窓口スタッフへの大きな責任がかかる職場でもあります。窓口業務に責任感を持つことにストレスを感じるスタッフも多いでしょう。
もともと苛立っている顧客を応対しなければならない場面も
窓口を訪れる顧客は、以下の理由から苛立っている、怒っていることも多いです。
- 急ぎまたは面倒な手続きのために来ているため
- 窓口に通されるまでの待ち時間が長いため
- クレームのために来ているため
- すでに別の関連部署から来ている顧客の場合「たらい回しされている」と感じることも多いため
窓口のスタッフが苛立っている、怒っている顧客から感情的な言葉を投げかけられたり、ひどい態度を取られたりすることもあります。それでも、窓口のスタッフは顧客の声や意見に耳を傾け、冷静に対応しなければいけません。毎日苛立っている顧客の対応をすることは、当然大きなストレスとなります。
従業員が窓口業務でストレスを抱え込むことによるデメリット
窓口業務は訪れる顧客や業務内容の特徴から、辛さやストレスを感じやすい職場とも言えます。窓口業務を行う従業員が抱えるストレスをそのままにしておくと、従業員の健康を損なうだけでなく、企業としても多くの損害が出る可能性が高いです。
窓口業務の従業員がストレスを抱えることで、発生してしまう具体的なデメリットを解説します。
貴重な人材を失いかねない
人間は大きなストレスを抱えると、食欲不振や体調不良、睡眠の質の低下、精神状態の不安定などの不調や症状が発生します。さらに症状が進行すると、適応障害やうつ病などの発病につながり、仕事を続けるのが困難となる可能性も高いです。窓口業務に携わる従業員が慢性的なストレスによって休職や退職に追い込まれてしまい、貴重な人材を失う原因にもなります。
窓口の優秀な人材が休職や退職となった場合、企業側としても新しい人材の採用や教育などを実施する負担も発生します。
業務効率やサービス品質の低下
慢性的なストレスを抱えた従業員は、体調不良や精神状態の不安定によって業務にも支障が出ます。そのままの状態で窓口業務を続けることで、「手続きや処理を間違える」「顧客への接客態度に現れてしまう」など、業務や応対の品質が低下してしまう可能性も高いです。その結果、顧客から窓口業務に関するクレームを受けてしまうこともあるでしょう。
顧客からの企業の信頼度が低下
大きなストレスを抱えた従業員が窓口業務を行うことで、業務や応対品質の低下につながる可能性が高いです。その結果顧客のクレームにつながるだけでなく、企業や店舗、施設としての信頼度が低下する原因にもなります。窓口業務から受けた応対が原因で他の競合企業や施設に流れてしまうなど、顧客への商品やサービスの提供機会の損失による利益の低下にもつながります。
労働環境が悪いというイメージを外部に拡散されてしまう
窓口業務で大きなストレスを抱えた従業員や、ストレスが元で退職した元従業員によって企業や施設の悪いイメージを外部に拡散されてしまう恐れもあります。たとえば大きなストレスを抱えた従業員や元従業員が「職場環境が悪い」「業務の負担が大きすぎる」などの意見としてSNS等のインターネット上に書き込んでしまうことがあります。書き込んだ本人の一時的な感情や見解からの声だとしても、企業や施設の実名とともに書き込まれてしまったり、ほぼ特定されてしまうような状態で拡散されてしまうことにより、目にした人からは「その企業や施設の受付業務の従業員全員の意見」と判断されてしまう可能性が高いです。
窓口の従業員のストレスをそのままにしておくと、企業や施設の利益面だけでなく、採用や新規取引などの面でも悪影響が出てしまう恐れがあります。
従業員が窓口業務でストレスを抱えないために企業ができること
窓口業務で従業員が抱えるストレスを放置すると、人材の損失、利益や信頼度の低下、外部への悪いイメージの定着など大きな損害が出る恐れもあるでしょう。窓口業務で従業員が抱えるストレスを減少させるために、企業としてできる取り組みや改善策は多くあります。今後の窓口業務での職場環境改善にも役立つ、具体的な方法を解説します。
環境整備を適切に行う
窓口業務を従業員が適切に、かつストレスなく行うための環境を整えましょう。たとえば顧客との距離が近すぎると、従業員がストレスを感じることがあります。コロナ禍を経て窓口業務をふくめた対面業務は十分な距離を取られることも多くなりました。もう一度顧客と従業員の間のスペースについて見直してみましょう。
休憩時間の確保
仕事中、適度に休憩を取ることでストレスの軽減につながります。所定の休憩時間はもとより、必要に応じて休憩時間が確保できる制度や体制を整えましょう。たとえば長時間のクレーム対応が続いた従業員に臨時休憩を設けたり、従業員の希望に応じて業務中の悩みや困りごとを上司やアドバイザーがヒアリングできる時間を設けるなどの方法があります。
対応マニュアルの整備
窓口業務はさまざまな顧客や利用者へ対応しなければいけないため、覚えることも多く臨機応変な対応も求められます。あらかじめ窓口業務で想定される対応をマニュアル化しておくことで、従業員の対応時の問題発生や迷いを防げるでしょう。対応マニュアルの整備は従業員のストレスを防ぐほか、新人の教育で使用する資料としても役立ちます。
コミュニケーションスキルアップの機会を提供
窓口業務はクレーム対応だけでなく、通常の対応においても、従業員の判断ひとつでその後の流れが変わってしまうことも多いです。スムーズな窓口での対応につなげるために、傾聴力や表現力等のコミュニケーションスキルを磨く研修や教育の機会を設けましょう。
コミュニケーションスキルを身に付ければ、窓口応対でのストレス軽減につながるほか、顧客との信頼関係構築によりリピーターが増えるなどのメリットも得られます。
チームワークの強化
窓口業務は1対1の対応が基本ですが、上司や同僚ふくめたチームで随時互いをフォローできる仕組みや環境を用意しておくことが、従業員のストレス緩和に有効です。日頃からチームミーティングや懇親会を開き、情報や認識を共有しておくことでチームワークの強化につながります。
業務負担の軽減
窓口業務で必要以上に大きな負担となると、当然従業員には大きなストレスがかかります。窓口業務負担の見直しや、必要に応じた業務負担軽減の取り組みを行いましょう。窓口業務を効率化するための設備や機器の導入、設置も有効です。たとえば総合案内などの窓口なら、関連部署への案内や注意事項一覧を記載した案内板などを設置することで、窓口への問い合わせを減らせます。手続きの案内などの多く発生する応対業務を自動化することでも、業務の効率化と従業員の負担軽減につながるでしょう。
報酬やインセンティブの導入
窓口業務は顧客への応対が主な業務のため、成果が可視化できない特徴があります。従業員がやりがいを感じられないことでモチベーションが低下しストレスとなることも多いです。繁忙期などに、窓口での業務状況や従業員の働きに応じて報酬やインセンティブを導入し、従業員のやる気につなげる方法があります。
窓口業務を扱う企業が実施すべき「ストレスチェック」とは
「ストレスチェック制度」とは、従業員のストレスによるメンタルヘルス不調を防止する目的で平成27年12月に施行された制度です。労働安全衛生法により、「事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師、保健師その他の厚生労働省令で定める者による心理的な負担の程度を把握するための検査を行わなければならない」ことが定められています。(引用:労働安全衛生法)
ストレスチェックでは、自社内または外部事業者に委託した実施者が定期的にストレス状況の検査を行い、結果に応じて専門的なアドバイスや評価を行います。さらに、高ストレスで面接指導が必要と判断された労働者には、本人への通知とともに産業医などの医師による面接指導の受診を勧め、必要に応じた職場環境の改善も行われます。
従業員のストレス解消に最適な相談先を提供することも重要
ストレスを抱えてしまった従業員が気軽に相談できる相談先を用意することも、窓口業務でのストレス蓄積防止につながります。相談先として候補となる例を順に解説します。
メンター
メンター制度とは、豊富な知識と職業経験を持つ社内の、ヒアリング力が高い先輩社員(メンター役)が、後輩社員(メンティ)に対して個別に行う支援活動です。メンターは対話を通じてメンティの課題解決や悩みの解消をサポートします。メンター制度は人間関係の構築やキャリア育成を目的に導入されることが多いですが、メンターへ悩みや課題を相談することでストレス解消やストレスの原因となっている問題の解決にもつながります。
社内相談窓口
職場や業務に関する悩みを気軽に相談できる窓口を社内に設ける方法です。匿名での相談可能、対面やメール、チャット相談が選べるなど、気軽に相談できる体制を整えましょう。
面接指導担当医
ストレスチェックで高ストレスと判断された従業員への面接を実施する面接指導担当医への相談窓口を設ける方法です。窓口業務をはじめとしたストレスのたまりやすい業務や職場で働く従業員に対して、定期的に面接指導担当医との面接を設けるのも良いでしょう。
厚生労働省「こころの耳相談」
厚生労働省が働く人を対象に設けている「こころの耳相談」を利用する方法です。電話(旧こころほっとライン)のほか、メールやSNSの相談方法を選べます。従業員向けにこころの耳相談の電話番号やメールアドレス、SNSのURLを案内するのも有効です。
精神科・心療内科など
上記で紹介した相談窓口へ相談しても問題が解決できないほど従業員のストレスが深刻な場合、または従業員が相談を拒否している場合などは、企業側から精神科や心療内科などの医療機関を紹介する場合があります。ただし、企業側から医療機関を紹介するのは従業員の状況が非常に深刻な場合のみです。企業側としては従業員のストレスが深刻化する前に、何らかの対策を行いストレスの蓄積を防ぐようにしなければいけません。
窓口業務自体の効率化、自動化も有効
顧客一人ひとりへの対応が求められる、覚えることが多いなど、窓口業務そのものが大きなストレスとなっている場合も多いです。窓口業務の負担を軽減するために、業務の効率化や自動化を行うことによっても、従業員へのストレスの蓄積を防止・あるいは低減できます。
窓口業務の効率化や自動化のための施策の例には、以下のものがあります。
- 整理券発行システム
- チャットボット
- FAQシステム
- RPA
- 予約システム
あらかじめ顧客へ適切な窓口を案内できる施策として有効なのが、整理券発行システムです。「新規受付」「お悩みやご意見がある方」「●●課」など、顧客の目的や窓口のカテゴリ別に整理券を発行することで、顧客のスムーズな案内や受付につながります。顧客がいろいろな部署をたらい回しにされて苛立つ、といったことも防げます。
顧客からの疑問や質問の問い合わせ、クレームなどを一手に引き受けるチャットボットやFAQシステムを導入するのも有効です。顧客からのさまざまな質問や意見にAIが答えたり、解決方法をシステムが提示したりできるため、窓口の従業員が対応する負担を軽減できます。窓口の営業時間外にも問い合わせやクレームを受け付けられるため、新たな顧客の利用機会を創出できるメリットもあります。
RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)とは、AIやルールエンジン、機械学習などを活用し人間が行ってきた作業を代行するシステムです(※1)。新規受付や再来受付などの手順が決まっている業務は、RPAによって自動化できます。クレーム応対など臨機応変な対応が求められる業務にRPAは適していませんが、ルーティーンの決まっている業務に関しては自動化ができるため、窓口業務の効率化につながります。
窓口業務の負担軽減には、予約システムの導入も有効です。予約システムは「いつでもどこでも予約が取れるシステム」といった、予約業務に特化したシステムであるイメージを持つ方も多いかもしれません、実は予約管理システムには、窓口業務の効率化や自動化につながる多くの機能があります。
※1 参考:NRI-用語解説「RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)」
https://www.nri.com/jp/knowledge/glossary/lst/alphabet/rpa
予約管理システム導入で窓口業務のストレスを軽減
予約システムには、窓口業務を効率化、自動化するための機能が豊富に搭載されています。予約管理システムである「ChoiceRESERVE」を例に、窓口業務の効率化、自動化に活用できる機能を解説します。
窓口相談の予約サイトを作成できる
当日待たずにスムーズに窓口相談ができる、予約受付可能なサイトを作成できます。予約サイト内にFAQシステムやチャットボットも設置すれば、相談前に顧客の疑問解消やクレーム受付も可能です。
たとえば「ChoiceRESERVE」では、以下のようにさまざまな業種での予約サイト作成ができます。
・結婚式場、ウェディング関連の相談窓口予約サイトのデモサイト
https://s-5202.resv.jp/reserve/calendar.php?x=1687841329
・金融関係の相談窓口予約サイトのデモサイト
https://s-5311.resv.jp/reserve/calendar.php?x=1687841349
細かなメニュー設定で相談カテゴリを事前に把握できる
予約管理システム上では、希望の日時で簡単に予約の確定や変更、キャンセルができるほか、詳細なメニューや内容を設定しての予約受付も可能です。たとえば「ChoiceRESERVE」を窓口の予約サイトに活用すれば「相談内容」「目的」「予約する部署や課」などの詳細なメニューをあらかじめ予約の項目に設定できます。
顧客は目的に応じて詳細な内容の予約ができるため、企業や施設側も顧客の目的に応じた担当者を事前にアサインしたり、業務を行うスタッフの人数を調整したりなどの対応が可能です。
顧客情報を連動できる
予約管理システムでは、入力された顧客情報の管理もできます。顧客情報は、マーケティングや案件管理などにも活用可能です。さらに「ChoiceRESERVE」は、Salesforceなど外部のSFA・MAツールとの連携もできます。顧客情報とツールを連携することで、マーケティングと営業活動の連携をシームレスにする、マーケティングや営業担当者のリソースを最適化するなどの業務効率化にもつながります。
オンライン窓口の場合にWEB会議ツールと連携できる
WEB会議ツールと連携できる予約管理システムなら、オンラインの窓口開設も可能です。「ChoiceRESERVE」はZoom、Google MeetといったWEB会議ツールと連携できます。顧客が希望する予約日程に伴い、当日用のオンラインミーティングのID/URLを自動で発行します。直前のお知らせメールにもIDやURLが自動挿入されるため、事前の予約忘れやキャンセルなども防げます。
窓口業務では従業員のメンタルヘルスが大切! 便利なツールでの業務効率化も
多くの顧客への対面での応対、かつ臨機応変な対応も求められる窓口業務は、顧客とのコミュニケーションの機会や業務の多さから従業員の負担になりやすく、ストレスがたまりやすい業種と言えます。窓口業務における従業員のストレスを放置すると、従業員の離職だけでなく企業や施設の信頼度や利益の低下などのデメリットも発生します。
従業員が相談できる体制づくりや、「ChoiceRESEVE」などの役立つツールでの窓口業務の効率化や自動化を実現し、窓口業務でのストレス蓄積を防ぎ従業員が快適に働くことができる環境を整えましょう。