1,734人分の社内健康診断の予約トラフィックの傾向と数値
ノウハウ
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1年に1回、会社主導で行われる健康診断。健康診断の実施は、労働安全衛生法第66条で事業者に義務付けられています。そのため、従業員が健康診断を受けられるように手配する担当者の作業負荷は、社員が多ければ多いほど膨大なものとなっています。
今回、リザーブリンク社の予約システムを利用し、健康診断専用サイトを利用しているグループ会社9社1,734名の社員に対して、健康診断の案内を実施しました。
人数に対し、予約サイトへのアクセス集中が懸念されるため、予約のトラフィック状況と監視した結果を報告します。
目次
会社における健康診断の予約の課題と依頼目的
このグループ会社は、以前は総務担当者が“日程を割り振って文書で通知する”という方法で管理していましたが、アナログ管理を止め、健康診断の予約サイトを作り予約~受診までをITで管理できるように予約フローを変更しました。
そこで発生した問題は、予約サイトへのアクセス集中です。
予約の課題
健康診断の日程は、提携病院で受付人数の枠が決まっているので先着順となり、通知直後、1,800名の社員が予約サイトへ一斉にアクセスし負荷がかかりすぎてしまう。
依頼の目的
予約サイトへのアクセス集中が予想されるため、負荷の監視をしながら、必要に応じて看板数値の調整が必要。
実施内容
1,734 名の社員に対し、健康診断実施の通知と同時に受付を開始しました。
アクセス集中を避ける対策
- 受付開始時間はあえて事前通知をしない。
- グループ分けをし、数回に分けて通知する。
上記2つの施策でアクセス集中の対策をし、看板数値は標準の分間30アクセスで開始しました。
当日の状況
10分ごとのアクセス数および予約数
14時から17時の間に4つの山があり、この時間帯にアクセス数が増えていること、また合わせて通知は4回に分けて実施していることもわかります。
プロセス数・トラフィック・LAなど各種グラフに大きな変化はありませんでした。
16時過ぎに看板が出始めましたが、サーバ負荷は問題ないと判断し、看板数値を緩めることでアクセスを流すように対応した結果、19時にはアクセスが落ち着きました。
アクセス数と予約数の関係
実際の予約数を4倍にすると、アクセス数とほぼ同等の数値になります。アクセスしたユーザーのうち、1/4がそのまま予約していることがわかります。
※この傾向は他の案件でも同じような傾向が見られるか、別途検証が必要です。
まとめ
アクセス数と通知数の関係は、数値で管理すると図3のようなデータがありました。
10分ごとのアクセス数および通知数
図3を見ると、通知から10分でアクセスのピークが発生していることがわかります。最後の通知は16:30ですが、就業時間の終了と思われる18時過ぎにアクセス数が少し増えています。自席に戻った社員、就業中は予約サイトへアクセスできなかった社員など、全体の3%程のユーザーが18時過ぎにアクセスしたものと考えられます。
結果
通知数1,734件に対し、予約数は777件となりました。通知当日の予約率は44.8%なので、半数近くが短時間の間に自分で予約をしたことになります。
また前述のデータから、通知後、わずかな時間でユーザー(社員)のアクションは発生しましたが、またアクセス集中の懸念に対しては、通知を数回に分けたことでアクセスが分散された結果となりました。
予約について、エンジニアサイドであるシステムの部分からも、このように予約における課題に対処できます。このような数値からの分析結果なども、予約ラボは今後レポート・報告をしていきたいと思います。