サービスに特化したマーケティングを深める。サービスマーケティングを学べる教育機関まとめ

平成26年の内閣府の調査によれば、日本のGDPや雇用シェアにおいてサービス産業は占める割合は7割程度。変動はあれど年々右肩上がりを記録し、今後も微増ながら伸びていくと考えられるでしょう。

時代や技術の変化とともに、日々さまざまな新しいサービスが生まれる今、サービスに焦点を当てたマーケティングを学ぶことは、サービス産業に携わる生産者にとって非常に重要です。しかし、サービス・マーケティングはまだ発展途上の分野であるため、日本国内でそれらを体系的かつ専門的に学べる場所は非常に限られているのが現状。

本記事では、日本においてサービス・マーケティングを専門的に学ぶことができる大学院や研究機関などをご紹介します。

グロービス経営大学院 サービス・マネジメント講座

日本最大のビジネススクールとされるグロービス経営大学院。同スクールが設置するこちらの講座では、異なるニーズを持つ顧客と、異なるスキルレベルの従業員が接するサービス業の「人」という側面に着目し、豊富な実践例をもとにしたセッションが展開されています。

サービス業には、無形性や変動性など、サービスならではの特性が複数存在します。こうした特性を踏まえた上で、多種多様なサービス業におけるマネジメントと、経営戦略やオペレーション管理などを複合的に学べるのが本講座の特徴です。リッツ・カールトンのような老舗企業の事例からUberのような新たなサービスまで、業態を問わない豊富なケーススタディに触れられるのが大きな魅力。

また、講座は6日間のスケジュールでおこなわれますが、オンライン上で12回にわけての受講も可能(1回あたり90分)。通学の時間がとりづらい人にとっても学びやすい環境が用意されています。

サービス・マネジメント講座|MBAのグロービス経営大学院

明治大学 サービス・マーケティング研究所

2011年6月に設置された明治大学のサービス・マーケティング研究所は、同大学商学部教授の井上 崇通氏が所長を務める、サービス・マーケティングに特化した日本で唯一の研究所です。

大学の一研究機関として位置づけられている同研究所は、以下のような目的を掲げます。

企業が顧客との間で文脈価値(value-in-context)を共創するためのマーケティング活動の重要性を実証的に解明すること

ここで述べられている「文脈価値」とは、近年マーケティング全般において非常に注目度の高い概念です。具体例をもとに、もう少し詳しく見てみましょう。

たとえば、腕のいいエステティシャンが自身のサロンをひらき集客をしたい場合、どこの有名店でどれだけ修行を積んだか、リピーター率がどの程度であるかを数値でアピールするなど、消費者に訴求する方法はさまざまです。

そのなかのひとつに、「この財(モノ・サービス)を手に入れることで、とても価値がある体験ができる」とユーザー自身に想像させるようなマーケティング手法があります。この、ユーザーが感じる「手に入れることによる価値」が「文脈価値」と呼ばれるものです。

先ほどのエステの例を挙げると、たとえば、そのエステティシャンの施術を受けることで体型が変わり、露出の多い服装が似合うようになることを想像させるようなマーケティングをおこなうこと。どのような文脈でエステをアピールすれば、顧客に対して最大の価値が提供できるか―これが文脈価値によるマーケティングの考え方です。

文脈価値が一般的な企業に普及し始めたのは2010年代半ば頃からとされていますが、同研究所では、2010年代初頭からこの概念に注目し、実証研究や、一般聴講が可能な学会などもおこなわれています。

明治大学サービス・マーケティング研究所

東洋学園大学 マーケティング専攻

東京の本郷三丁目駅、後楽園駅、水道橋駅からほぼ等距離の地点に位置する東洋学園大学本郷キャンパスには、マーケティング専攻を構える現代経営学部が設置されています。

大学に設置されているマーケティング専攻ではケーススタディの座学が中心となることが多いなか、同大学のマーケティング専攻のユニークな点は、開講されている科目の独特さ。

徒歩5分のところにある東京ドームでの調査プロジェクトとビジネスコンテストをおこなったり、広告やイベントをプロデュースし主催する授業が設置されていたりなど、ビジネスの現場により近い体験を数多く経験できます。

学部においてサービス・マーケティングを理論と実践の両軸から体系的に学べるのは、現時点では日本でここのみ。これまでに紹介した具体例のとおり、実践性という視点からカリキュラムが組まれているため、サービス業が産業に欠かせない現代のニーズに応えた学びを得られるでしょう。

マーケティング専攻|東洋学園大学

西武文理大学 サービス経営学部 サービス・マネジメントコース

西武文理大学のサービス経営学部の一コースとして設置されているサービス・マネジメントコース。「サービス業におけるマネジメント」という視点から展開されるカリキュラムが特徴です。

同コース内にあるサブコースはサービス・マーケティングとサービス・イノベーションの2つ。座学で基礎を固めつつ、「これからの時代にサービス業界に置いてイノベーションを起こす人材を育てる」というポリシーのもと、課題解決型学修を通した実践型の授業も展開しています。

これら2つをバランスよく高い密度で学ぶことで、サービス業界でビジネスをする素養を備えた人材の輩出を目指しています。カリキュラム内に座学の講座が充実しており、正規学生でなくとも聴講がしやすいのがポイントです。

また、学部での学びを通して資格の取得を推奨されていることや、職業の選択肢が想定されているのも特色の一つ。実際に大学での学びが将来にどう繋がるのかを意識しながら学べる環境であるため、卒業後に本格的にサービス業に携わりたい人にはオススメの場です。

サービス経営学科 サービス・マネジメントコース| サービス経営学部| 西武文理大学

おわりに

マーケティングを専門的に学べる講座や大学は多々ありますが、まだ日本ではサービス・マーケティングを専門的に学べる場は多くありません。

今回紹介したいずれの研究所や大学は、場の特性上、「学びたい」という意欲を持つ人に対してきっと歓迎してくれるはず。ビジネスの現場だけでは得られないサービス・マーケティングの知見を得て仕事に活かしたい、と考えている方は、ぜひ門を叩いてみましょう。

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