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ワイナリーツアーの予約体制調査
~8割以上のツアーが要予約~

調査

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2023.06.14 2024.03.05
ワイナリー予約調査
加藤 高士

様々な企業へCRMの導入支援を経て2012年4月株式会社ビジネス・アライアンスを設立。20年以上にわたり企業へマーケティング活動の支援を行う。マーケティングの視点から、予約ラボを通じて予約の可能性について研究を行う。

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近年、日本国内にワイナリーが増え、日本産ワインの品質も向上し評価が高まっています。
今回は、そんなワインに関するアクティビティの調査をしてみました。

ワイナリーツアーをはじめ、工場見学試飲など、さまざまな体験やサービスを提供するワイン関連の施設は多くなっています。今回の調査では、どのような内容のイベントがおこなわれているのか、またツアー予約から実際に参加するまでの流れについて調べました。

調査数は40施設、合計50コースとし、母数はコース数の50として統計をおこないました。

※この記事でのワイナリーツアーについては、複数のワイナリーを巡るツアーではなく、1つのワイナリーを見学するツアーであると定義いたします。

 <調査方法>

 ・調査期間:2023年5月11日(木)~5月16日(火)
 ・調査地域:日本国内全域
 ・
調査対象条件:県や自治体が案内している施設、自社HP上で予約を受け付けている施設
 ・
調査対象選定方法:Google検索
 ・
調査数:50

ワイナリーツアーとは?

日本では、山梨県や長野県をはじめ、北海道、山形県などがワイン銘醸地として有名ですが、近年は全国各地にワイナリーが増えています。ワイナリーツアーとは、主にこうした地域にあるワイン醸造所を見学するツアーです。施設によって内容は異なりますが、ぶどう畑や醸造所を見学してワイン造りを学んだり、実際にワインを試飲したりできます。

今回の調査対象である50のコースにおいて、それぞれ人数制限や料金、どういった内容なのかについて調査・比較したいと思います。

1.ツアーの人数制限について

 ワイナリー予約調査         

参加人数に制限を設けているケースは50件のうち過半数超の34件、68%でした。どのくらいの人数で催行しているかをみてみると、1位が「10人以下」で47%、続いて2位が「11~20人」で41%21人以上での催行はわずか9%となっており、あまり大人数でのツアーは設定されていないようです。

2.ツアー料金について

ワイナリー予約調査

ツアー料金については「無料」が15件(30%)「有料」が32件(64%)となっており、残りは「記載なし」と「見学なし」の合計3件(6%)でした。

ワイナリー予約調査

有料の32件の内訳をみると、1,000円以下が最多で13件(40.1%)平均金額は2,217円でした。最低料金は300円、最高では10,000円という結果でした。

ツアーといっても、内容や時間の違いによりかなりの金額差があるようです。10,000円コースの場合、樽庫の中に特別用意された部屋で最高峰アイコンシリーズを含むテイスティングに加え、ワインメーカーやトピックスを交えながらの案内を含む贅沢なツアーが楽しめるようです。

3.ツアーの内容  

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ワイナリーツアーの内容については、ぶどう畑の見学や工場見学を組み込んでいるコースが多いようです。

実際に件数をみると、ぶどう畑の見学があるのは21件(42%)でした。工場見学は50件のうち47件と94%のツアーで実施しており、ほとんどのワイナリーツアーでは、ワインができあがるまでの工程を見ることができるようです。

また、試飲ができるのは42件(84%)でした。少数ですが、食事がツアーに組み込まれているコースもあるようです。

4.ツアーの年齢制限

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ワインはアルコールが入っているため年齢制限を設けているところも9件(18%)ありました。
年齢制限なしは41件(82%)で、子ども連れなどでも気軽に参加できるコースが多くを占めているようです。

5.見学時間について

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ワイナリーツアー全体に要する時間についても調べたところ、もっとも時間が短いのは「30分」以下で20%、長いのは「1時間半以上」で6%となっていました。最多は「31~60分」の38%でしたが、時間制限なく自由に見学ができるコースもわずかながらあるようです。

6.工場見学時の案内(ガイド)について

ワイナリー予約調査

ほとんどのツアーには工場見学が含まれています。その際、案内してくれるスタッフ(ガイド)がいるコースは過半数の32件(64%)となっていました。

さらに「専門(ソムリエ)」による案内ありのコースは6件(12%)となっており、合計76%のツアーは何らかのガイド付きとなっていることがわかりました。

ワイナリーツアー予約について

ここからは、ワイナリーツアーの予約について、予約期間やキャンセルなども交えてご紹介します。

1.8割以上のワイナリーツアーで予約が必要

ワイナリー予約調査

予約が必要なコースは50件のうち43件で86%、予約不要のコースは7件で14%という結果でした。

2.予約締切について

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予約が必要となっているコース43件のうち、予約締切があるのは16件(37%)、残りは締切についての記載がありませんでした。
予約が必要となるコースが8割以上を占めていたものの、予約締切が設けられているのは、そのうちわずか37%でした。

予約締切を設けている16件について詳しくみてみると、もっとも早いのが「14日前まで」で1件、平均は「3日前まで」となっており、「前日まで」で受け付けているのは6件(37%)でした。

3.当日予約について

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当日予約ができるのは7件(16%)、電話5件(12%)、不可29件(67%)、記載なし2件(5%)、でした。当日の予約「不可」がもっとも多い結果となり、当日の対応が難しいところが半分以上でした。

4.キャンセル料について

ワイナリー予約調査

予約が必要となっているコース43件のうち、キャンセル料についても調べてみました。

結果、キャンセル料が発生するコースは合計8件、早くて4日前のキャンセルから適用され、最多は3日前から発生、前日キャンセルからキャンセル料が発生するコースも1件ありました。

まとめ

今回は、ワイナリーツアーと、その予約についての調査をおこないました。

ほとんどのコースで予約制が採用されており、予約締切が設定されている場合やキャンセル料がかかるケースもあります。予約制により参加人数や見学時間に制限を設けているコースも多いようです。

今回調査対象となったツアーは、ぶどう畑見学→ワイン製造工程の見学→テイスティングという流れが一般的ですが、中には特別な体験ができるものもあります。

例えば、シャトー・メルシャン 勝沼ワイナリーは『シャトー・メルシャン ワイン資料館』が日本遺産に認定され、資料館に入れるのが見どころです。メルシャンのルーツである明治10年(1877年)に設立された日本初の民間ワイン会社『大日本山梨葡萄酒会社』の醸造所の跡地で、資料館は現在でも貯蔵庫として使用されているとのこと。建物の構造は当時の状態を保ちながら、かつて使われていた醸造用設備など、ワインの歴史にまつわる品々が展示されています。 

昔の歴史に触れあいながら、現在への進化を比較してワインについてより深く理解することができるツアーもあるので、ワイン好きはもちろん、伝統を感じたい人もぜひワイナリーツアーに参加されてみてはいかがでしょうか。

加藤高士

様々な企業へCRMの導入支援を経て2012年4月株式会社ビジネス・アライアンスを設立。20年以上にわたり企業へマーケティング活動の支援を行う。マーケティングの視点から、予約ラボを通じて予約の可能性について研究を行う。

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