店舗の行列に関する調査
調査
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行列に並んで後悔した理由の1位は「待ち時間の想像以上の長さ」
提供される商品の数やサービスの量を需要が上回ったとき、その店舗の前に長い行列ができることがあります。
たとえば、限定商品や帰省時の駅弁、バレンタインデー・クリスマス・福袋などの季節商品、焼きたてパンなどのできたて食品など、人気商品や希少価値が高い商品、一度の注文数が多い商品などは行列ができやすい傾向にあります。
そこで待ち時間が発生する行列に対して、各業界では「予約」「整理券配布」「メニュー表示」などさまざまな対策をしています。
また東京ディズニーランドやディズニーシーのように、待ち時間を見える化したり、ゲストが並んでいる間に退屈しないよう内装を工夫したりして「並んで待つ」という行為に対するストレスの軽減対策をしているところもあります。
多くの消費者は、提供される商品やサービスに期待するからこそ行列に並ぶと考えられます。しかし、並んで購入した後の満足感はどうなのでしょうか?
今回は行列に並んだ結果、顧客がどのように感じているのかについて調査しました。
お店の行列に並んだことがある人でも「行列は嫌い」、半数以上が「並んだことに後悔した」
お店の行列に並んだ経験がある人を対象に「行列に並ぶことが好きか」を調査しました。
その結果、7割以上が「いいえ」と回答。
さらに行列に並んだ経験がある中で半数以上の人が、行列に並んで後悔したと回答しました。
行列に並んで後悔した理由「予想以上に待ち時間が長い」「期待外れの商品(サービス)」
行列に並んで後悔したという最大の理由は「予想以上に待ち時間が長かった(63.1%)」「期待通りのサービス(商品)ではなかった(60.6%)」と若干ではありますが、本来の目的であるサービス(商品)に対する不満よりも、待ち時間に対する不満が上回りました。
さらに「店舗の対応が良くなかった」や「並んだのにサービス(商品)が手に入らなかった」というサービスの質や配慮への不満も3割近くありました。
顧客から見た待ち時間が長い原因は「商品の提供」「注文方法の確認」「注文時間」
「予想以上に待ち時間が長かった」を選択した人に、待ち時間が長かった理由について調査したところ、5割近くの人が「商品提供」「注文確認」「注文」の工程で時間がかかると感じていました。
- 商品の提供に時間がかかる(調理時間が長いなど)59.4%
- 商品や注文方法の確認に時間がかかる 47.0%
- 注文に時間がかかる(複雑なオーダー、スタッフがいないなど)42.6%
また「商品選びに時間がかかる(メニューを見て迷うなど)」「会計に時間がかかる」と答えた人も3割を超えました。
最後に…
店舗スタッフやリピーターにとっては当然の工程も、新規顧客にとっては初めて見る商品や受け取りまでのシステムを理解するために時間がかかることがあります。
提供するサービス(商品)や店舗の業態(飲食、小売り)によって、どの工程で待ち時間が発生するのかは変わるため、工夫次第で行列を解消することは可能です。
たとえば待ち時間の見える化や、商品(サービス)メニューや注文方法を事前に提示することで「商品選びに時間がかかる」ことが解消できます。
まずはサービス(商品)提供までのオペレーションを棚卸しして、どの工程にどのくらいの時間がかかっているのかを把握することが、待ち時間解消の第一歩だといえるでしょう。
人的にも物理的にもリソースが限界の場合は、受け渡し時間の調整や来店者数の平準化という選択肢もあります。
行列に並ぶということは、待つ側は商品やサービスへの対価だけでなく「待つための時間」も消費していることになります。
予想を上回る待ち時間や、並んだのに手に入らないという理由で並んだことを後悔する人も多いことから、そうした不満への対策は不可欠であるといえるでしょう。
あとどのくらいかかるのか、並んでいれば商品やサービスの提供が確実にされるのか、そこを明らかにするだけでも顧客の「待つストレス」を軽減させることはできると考えられます。
サービスの質向上という意味でも、今後、待ち時間への対策は重要な課題です。
■行列に対する興味・行動に関する調査について
【調査企画】予約ラボ
【調査対象】全国の20代〜60代男⼥
【調査期間】2020/01/23 ~ 2020/01/30
【調査⽅法】インターネットリサーチ
【サンプル数】有効回収数2,168⼈
■行列に関する調査について
【調査企画】予約ラボ
【調査対象】全国の20代〜60代男⼥
【調査期間】2019/11/29 〜2019/12/06
【調査⽅法】インターネットリサーチ
【サンプル数】有効回収数500⼈