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高島屋グループの成長戦略と6つの来店施策とは?

ビジネス

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2019.04.15 2023.07.27
予約ラボ編集部

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古い歴史を持つ百貨店、高島屋グループは消費者のニーズ、多様化に合わせて対応し、顧客満足度を高める「まちづくり戦略」、グループ経営の仕組みを抜本的に見直す「グループ変革プロジェクト」などで成長戦略に力を入れています。
その背景としては、少子高齢化による消費者の消費行動の縮小や、都市型ショッピングセンター、またAmazonを筆頭としたEコマースの台頭、百貨店以外の小売業界の多様な参入にあると考えられます。またこれらが、都心部に侵攻し始めたことにより、様々な百貨店との間で、顧客の争奪戦が繰り広げられるように。そのため、高島グループだけではなく、様々な百貨店も従来のビジネスモデルにとらわれない、新たな戦略が必要となってきたと考えてよいでしょう。

そこで今回は、注目すべき高島屋グループが進めている新たな戦略の中から、顧客の消費活動を促す、来店施策にポイントを絞ってご紹介いたします。

高島屋グループの成長戦略とは?

まちづくり戦略とは?

高島屋グループはまちづくり戦略において、2つの考えた方があると述べています。
まず1つは高島屋グループが主体となって街全体に人を集めるアンカーとしての役割を果たし、行政や周辺の商業施設との連携を目指していくことです。

2つ目は、サービスにおける全ての面から、百貨店と専門店の融合を目指し、街の魅力を最大化させ、人々に新たな体験や、楽しみを提供することです。

経営効率を高め、顧客体験を変革していく

高島屋グループは前述のまちづくり戦略を支える経営施策として、デジタル技術を活用したグループ変革プロジェクトを推進し、経営の効率化を目指していくそうです。
経営の仕組みなどを抜本的に見直し、経営の効率を高めていくことに力を入れ、利益を成長戦略に大きく再投資していく方針を提示しています。
また、資料を見ると、海外事業、国内のグループ事業、国内百貨店の安定的な成長、増収を目指し、まちづくり戦略と合わせて顧客のニーズを満たしていくことを意識していると考えられます。

地域ごとにマーケットを見つめ、LTVを最大化していく

まちづくり戦略を牽引する東神開発の商業プロデュース力を活用し、高島屋グループは様々な商業施設をプロデュースしています。
百貨店と専門店を融合することにより、今までにない商業施設を手がけているのが特徴です。
国内ですと、日本橋高島屋S.C.が大阪に続いて文化発信拠点になるような作りで、屋上庭園など空間におけるこだわりなどが見受けられるなど、今までにない新しいまちづくりの施策として、地域に沿った商業施設を開設しています。
また高島屋グループは、国内だけではなく、タイのサイアム高島屋などグローバルに渡り新しいライフスタイルと価値観を提案するような、地域に根付いた商業施設作りを心がけているようです。

百貨店の顧客体験を変革する?戦略に基づく6つの施策例

高島屋グループが目指す、成長戦略2つをご紹介しましたが、早速どんな来店施策を実施しているか具体例を、実際に高島屋グループが手がけた新施設の新しい体験型店舗や、フロアの様子などからご紹介いたします。

事例1:Yogaコンディショニングサロン リベリー

「Yogaコンディショニングサロン リベリー」は、日本橋高島屋S.C.新館にある、16歳以上の女性専用のヨガサロンです。フィットネスクラブのティップネスが運営しています。

従来のヨガスタジオとは一味違い、「女性が日常のストレスから解放され、本来の美しさと出会う」ことをコンセプトに作られました。

プログラムは、大きく分けて「ヨガ」「ToBe(目的別)」「栄養コンシェルジュによるマンツーマン食選択アドバイス」の3つです。
各プログラムは1コマ1時間前後で、受けたいプログラムを事前に予約するシステム。朝7時過ぎ~夜22時と幅広い時間帯に用意されています。

本ヨガサロンは、月額会員制で3つのプランがあります。
「スタンダード」は全曜日・全時間帯に月6回参加できて17,820円(税込)、「デイフリー」は平日9時30分~17時30分に何回でも参加できて27,000円(税込)、「プレミアム」は全曜日・全時間帯に何回でも参加できて32,400円(税込)です。

事例2:高島屋資料館TOKYO

高島屋資料館TOKYO」は、2019年3月から日本橋高島屋S.C.本館に設立された資料館で、1970年創設の高島屋史料館(大阪)の分館です。

日本橋エリアの文化発信拠点として、「美しいくらしスタイル」の発信をテーマに、情報・体験を提供します。

「展示室」では新しい生活文化を提案する場として、さまざまな企画展を開催。11~19時に開館しており、企画展は文化をキーワードに、無料のものから有料のものまでさまざまです。

「旧貴賓室」では交流と体験の場として、企画展と連動したセミナーを行います。重要文化財である日本橋店の創建当時の内装を生かした空間となっており、セミナー開催時のみ開館されます。

高島屋によると、「建築ガイドツアー」として日本橋高島屋を中心に、周辺の建築案内をするツアーを開催予定のようです。詳細は、「高島屋史料館TOKYO」でチェックしてみてください。

事例3:ハローベビーサロン

ハローベビーサロン」は、ベビー関連の売り場で、現在は日本橋店新宿店玉川店横浜店大阪店に設置されています。

売り場を、「マタニティー」「出産準備」「おうち」「おでかけ」と4つのゾーンに分け、マタニティーから子育てまで関連アイテムを扱っています。

一部店舗では、オンラインショップ「ファミリア」で、事前に在庫確認や取り置き予約ができるため、店舗で実物を確認してから購入することも可能です。

「肌着の着せ方」「沐浴体験」などのセミナーや、マタニティーから子育ての各ステージに最適な情報を定期的に発信しています。さらに、ベビー休憩室・授乳室が完備されていたりと、顧客ニーズに応えるための努力を感じますね。

事例4:ヨコハマ ローズホール

ヨコハマ ローズホール」は、横浜駅西口から徒歩約6分のところにあるイベントホールです。

1200㎡のフロアが2つあり、少人数から最大500人まで収容でき、スペースにより1日当たり400,000円~1,000,000円(税別)です。

利用可能時間は10~18時となっており、予約状況はオンラインで随時確認できるので、イベントの計画時には重宝するでしょう。実際の契約時には、専用フォームに記入し、メールなどを通じて申し込みをする必要があります。

コンパクトスピーカー、インターネット回線、電源口、フリーWifi、控室、喫煙室などが設置されているので、講演会や展示会、会社式典、国際会議、各種説明会など、幅広い用途で使用できるイベントホールです。

事例5:ウェルビーフィールド

ウェルビーフィールド」は、新宿高島屋にて「心とカラダ、両面の充実を目指すライフスタイル=ウェルビーイング・ライフ 」をコンセプトとして、ライフスタイルを総合的に提案するフロアです。

ターゲットは、ポジティブで健やかなライフスタイルに興味がある層で、年齢・性別は問いません。

フード、ファッション、コスメティック、雑貨などの店舗以外にも、ヨガスタジオや、トレーニングマシンなどで実際に身体を動かしたり、定期的に開催しているイベントやワークショップなどに参加することもできます。

心と身体、物と体験。これらに、ライフスタイルという切り口から総合的にアプローチすることで、潜在顧客を発掘し、新たな顧客層の拡大から集客へと繋げていく戦略なのでしょう。

事例6:ストアコンシェルジュ

ストアコンシェルジュ」は、買い物に関するあらゆる相談や商品選定のサポートをする、接客のプロです。

シーンに合わせた洋服や小物のコーディネートや、贈り物などの相談をしたい時などに、好みや予算、目的などに応じた、顧客の要望を叶えることを目指しています。

ブランドの壁にとらわれず、フロアをも越え、さまざまな専門知識を持つスタッフと連携してサービスを提供しています。

1回の相談は2時間までとなっており、料金は無料。サービスを受けたい日程の3日前までに事前予約が必要です。コンシェルジュの指定はできません。

店舗全体で総合的にサポートする体制と、コンシェルジュの予約制。
この2点が合わさることで、「私だけのコンシェルジュが、私のためだけに対応してくれた」という価値の提供へつながり、顧客満足度が高まる仕組みとなっているのではないでしょうか。

まとめ

ここに挙げた事例はあくまでも数ある施策の中での一部ですが、これらの来店施策をはじめとした戦略で高島屋グループは安定的な成長を遂げています。

年々、消費者の消費行動が減少していく中、こういった顧客体験消費者の満足度を高められる施策を成長戦略として取り入れることは今後、百貨店にとっても大きな課題、また重要な要素になると言えるでしょう。

 

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