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『予約キャンセル』はなぜ起こる?コロナ化で予約キャンセル事情は変化したか?

調査

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2022.02.07 2024.02.26
予約ラボ編集部

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調査資料ダウンロード(全8頁)

2015年に、予約キャンセルの事情について調査しましたが、今回、同じ調査項目で再度調査しました。
この間、新型コロナウイルスの感染拡大などによって世の中が大きく変化しましたが、予約キャンセル事情はどのように変化したかなどについても考えてみたいと思います。

▼関連記事(2015年の調査レポート)
『予約キャンセル』はなぜ起こる?イマドキの予約キャンセル事情の調査レポート
https://yoyakulab.net/research/booking-cancel-reason-report-2015/

概要

今回の調査では、前回に比べて、予約キャンセルの際に店舗側の事情を気にする回答が増えていたことが注目されます。

無断キャンセル防止対策などが施されているといった事情も考えられますが、やはりコロナ禍において、店舗側が損害を被らないように配慮する人が増えたということも背景にあると考えられます。

【比較】予約キャンセルをしやすいサービス

まずは「予約キャンセルをしやすいサービス」について、2015年と2021年の調査結果を比較してみましょう。

前回と今回、いずれの調査においても「飲食店(居酒屋・レストラン・個室)」、「病院クリニック(歯科・内科・小児科・耳鼻科など)」、「理容、美容室」の順に高い割合となっています。具体的には「飲食店」が前回の24.6%から今回は26.7%に、「病院クリニック」が前回20.6%の今回23.9%「理容、美容室」が前回20.4%の今回21.9%と、いずれも微増しています。

また下位は、前回と同じく「ウェディング関連」「送迎サービス」となりましたが、前回3.3%と最も少ない割合を示していた「ウェディング関連」が今回は2.2%と微減、前回3.6%だった「送迎サービス」は、今回4.4%と微増していました。

全体的に大きな変化はみられませんでしたが、前回6%前後と少ない割合を示していたサービスのうち「公共施設利用」「不動産展示会・内覧会」「駐車場など」が、今回は10~11%と比較的増えていました。

【比較】予約キャンセルすると気まずいサービス

次に「予約キャンセルをすると気まずいサービス」について比較してみましょう。
前回は「旅行、ツアー」が32.0%、「宿泊施設」が27.6%、「病院クリニック」が20.4%でしたが、今回は「旅行、ツアー」41.0%、「宿泊施設」36.8%、「病院クリニック」36.0%と、いずれも大幅に増えています。

全体的に、前回の調査より「キャンセルすると気まずい」と感じる人の割合が増えており、4位以下についても前回は2割以下だったものの、今回は「飲食店」が33.5%、「ウェディング関連」が32.4%、「理容、美容室」が30.9%と、3割を超えています。また前回調査では1割前後だった「カウンセリング・相談会」、「宅配サービス」、「送迎サービス」も2割を超えています。

いずれも前回調査に比べて「予約キャンセルすると気まずい」と感じる割合が大きくなっていることがわかります。

「予約キャンセル」する際、気まずくなるポイントは?

そして、今回最も大きな変化が感じられたのが、こちらの「予約キャンセルをする際に気まずくなる(気になる)ポイント」についてです。

今回の調査で最も多かった回答が、前回調査では3位だった「迷惑をかけてしまっているかもしれない」で62.4%です。続いて2位が「次回以降に予約しづらくなる」で58.2%、3位が前回1位の「キャンセル料を支払わなくてはならない」で54.0%となりました。

前回調査では41.4%だった「キャンセル料を支払わなくてはならない」が今回3位となり、40.2%だった「次回以降に予約しづらくなる」が今回2位となっています。
いずれも値は増えているものの、前回30.6%で3位だった「迷惑をかけてしまっているかもしれない」という回答が6割を超えて1位となり、圧倒的に増えていることが注目されます。

さらに、前回9%だった「予約をキャンセルする際に気まずいとは思わない」という回答が今回調査ではみられず、ここ数年で「予約者側の事情より、店舗側のリソースを無駄にしてはならない」といった配慮が一般的に大きくなったことがうかがえます。

「予約キャンセル」の連絡手段は?

「予約キャンセルを行った際の連絡手段」については、前回30.8%だった「電話(携帯電話、スマートフォン)での連絡」が43.8%となり最も高く、前回5割を超えて1位だった「電話(宅内電話)での連絡」41.4%を超えています。

「メール(PC)での連絡」は前回の16.6%から23.7%と大きく増え、あわせて「メール(スマートフォン・携帯)での連絡」が18.9%、「ホームページから通知」が16.0%と、前回よりウェブ上でのキャンセル連絡が増えていることがわかります。

また「宅内電話」を使ったキャンセルについては、前回と同様に30代以下では比較的低く、年代が上がるにつれて高い割合となっています。とくに50代以上は、男女いずれもスマートフォンでの連絡より高めでした。

さらに「連絡するのを忘れた」「連絡はしなかった」などの回答は2~3%前後と、前回と同様に全体的に少ない割合になっていました。

予約キャンセルをした理由

最後に「予約キャンセルをした理由」についてみてみましょう。

前回38.2%で1位だった「家庭、家族の事情」は今回46.5%で2位に、前回37.4%で2位だった「仕事上の事情」が52.8%で今回1位となりました。
男性は、仕事上の事情が比較的多い割合を占め、女性は30代までは仕事上の事情が多くなりますが、40代以上はプライベートの事情が多い傾向がみられます。

3位には前回と同じく「友人、知人関係の事情」が同程度の割合で続きましたが、前回も4位の「予約した時刻に間に合わなかった」が20.3%まで増えており、こちらは男女とも20代・30代の割合が高いことから、仕事上の事情と関連していると考えられます。

また、「予約忘れ」などは前回より減っているものの、「他のお店や施設に決めたため」が16.8%と、前回よりさらに大きな割合となっていることから、予約者に対するフォローは今後も大きな課題であると考えられます。

まとめ

2015年と2021年の調査結果を比較すると、「予約キャンセルがしやすいサービス」や「キャンセルすると気まずいサービス」の順位としては大きな相違がなかったものの、全体的に予約をキャンセルすることに気まずさを感じる人が増えている傾向があるようです。

また「キャンセルの際に気になるポイント」については、キャンセル料の発生や次回に予約しづらいといった予約者側の事情より、店舗側への配慮が大きくなっていることから、キャンセル時の店舗への影響が少しずつ消費者に認知されてきたと考えられます。

さらに「キャンセルの手段」において、宅内電話やPCからのメールより携帯やスマートフォンといったモバイル端末の利用が増えているほか、ホームページから通知するといったウェブ上での手段も増えていることから、幅広い年齢層でモバイル端末が利用されていることだけでなく、コロナ禍以降の予約システム導入の拡大が背景にあると予想されます。

「キャンセル理由」としては、若年層を中心に仕事上の事情の割合が高くなっていますが、「予約忘れ」や「他のお店や施設に決めたため」といった理由も一定数あることから、今後も予約者へのリマインドやフォロー、あるいは競合店舗との差別化を図る取り組みも必要であると思われます。

また、店舗側の負担や損失を気にしている人が増えたと考えると、「利用できなくなった場合はできるだけ早くキャンセル連絡をすべき」と考える良識的な予約者が増えていると思われます。

ホームページ上や予約確認メールなどにキャンセルポリシーを明記するなどして、店舗側も予約者にキャンセルの期限やキャンセル料発生のタイミングなどを、わかりやすくアナウンスするといった対策も重要でしょう。

調査概要
【調査期間】2021年10月25日(月)~2021年11月1日(月)
【調査方法】インターネットによる任意回答
【回答者数】20代~60代の男女個人544人

調査資料ダウンロード(全8頁)

予約ラボ編集部

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