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人気のアクティビティを、星野リゾート トマム近くの川で提供するリトルトリー大野社長にお話を伺いました!【後編】

水しぶきの躍動感あふれる空知川でのスプラッシュラフティング。

星野リゾート トマムさんと協力しながら、ラフティングやカヌーのプログラムを提供する有限会社リトルトリーの大野さん。前編では2004年の立ち上げ時のお話や雇用面の課題などについてお伺いしましたが、後編では「電話を受けるっていうのが一年で一番大変な仕事」だったという大野さんのリアルな予約業務の課題や解決策について、ご紹介して参ります!

水しぶきの躍動感あふれる空知川でのスプラッシュラフティング。

水しぶきの躍動感あふれる空知川でのスプラッシュラフティング。

「たぶん一番、全てのライフスタイルが変わったのは、間違いなくぼくだと言いたいです。」

星野導入される前までは、どのように予約管理されていたのですか?

大野さん星野リゾート トマムのHP、印刷物、部屋のパンフレットに電話番号を掲載していまして、そこからの電話予約のみでしたね。いちおう弊社のHPにも予約フォームがあるのですが、リクエストベースなので、申込があってもお客様とやりとりをしないと予約が成立しないんですよね。なので、繁忙期になるとなかなか返信ができず、ウェブからお申込されても返信がないので、お客さんから直接電話がかかってきたりもありました。とにかく電話が鳴りやみませんでした。
一番最初は、スタッフを雇えなかったので、事務所にかかってくる電話を携帯に転送してたんですね。ぼくの奥さんが予約台帳を持って、現場に行って、川の上で携帯を持ちながら予約受付をやってたんですけど、非常にトラブルが多くて。。しかも、2004年、2005年ごろは、川下りのゴール地点が圏外だったんですよ。車を回送して、うちの奥さんがゴールに戻ってくると、着歴だけで40件入ってて、けっこうすごい大変だったんです。今はここが事務所なんですけど、事務所をつくれたのもここ三年くらいで、それまでは自宅を事務所にして、夜になると電話がかかってくるんです。夜の8時まで受け付けているのですが、ホテルに泊まるお客様としては、6時くらいにチェックインを終えて「明日何する?天気もよさそうだし、空知川っていうところでラフティングとかあって、楽しそうじゃん!」みたいな話になって、それから予約の電話をかけられるんですね。

星野夜6時以降のお電話が多かったんですねぇ。

大野さん当時、夏休みの夕飯は、子どもがいたのですが、夕飯を食べていても、電話が鳴ると全員が一度会話をストップして、シーンとしないといけないんですね。当時は家族に対して、それは申し訳ないことをしたなって思うくらい大変でしたね。。すごく盛り上がったりしているときは、電話がかかってきても、やめてくれないので、ついついモノとか投げつけてしまって「だまってろ!」みたいなこともしてしまって。。なので、毎日お客さんと一緒になって川下りをするよりも、電話を受けるっていうのが一年で一番大変な仕事でした。いつかかってくるか分からない電話を待つのもつらいし、トマムリゾートから自宅までは40キロあるんですが、その移動中もひっきりなしにかかってくるんです。そのたびに、車を停めては、予約台帳に書いて、走って停めては予約台帳に書いて
ツアーが終わって日が暮れてから、さぁ家に帰ろうというタイミングで、車を出す前にずーっと電話が鳴り続けるんですね。すると、そこで一時間くらい電話を受け続けて、いつもだったら、車で40分なのに結局家に帰るのに2時間くらいかかって。なので、今シーズン、星野リゾートさんでウェブ予約を入れていただいて、たぶん一番、全てのライフスタイルが変わったのは、間違いなくぼくだと言いたいです。

星野ラフティングも自然を相手にすることなので、日々緊張感を持ってのぞまれてると思いますが、それ以上に電話の対応というのがご負担だったのでしょうか?

大野さんはい。。というのも、前日の夜7時以降っていうのは、ほぼ断りの電話なんですね。残りの一時間は、在庫がないので、ただひたすら「すいません。すいません。」って言い続けなくちゃいけなくて。断るって、やっぱり人間すごいストレスなんですよね。断られたお客さん側も大変ご立腹なわけです。「予約8時までって書いてあるのに、予約できない?なんだよそれ!」って。そうなると、美味しい夕飯がいっぺんに興醒めしてしまって、夏休みは落ち着いて食事をとるということができませんでした。

星野つらいですね、、、今はどのように管理されているのですか?

大野さんiPadも持っていますが、きほん携帯に予約完了のメールを飛ばして確認しています。今年は一応予備的に紙の予約台帳もつくったんですけど、いろいろ使ってみると、来シーズンは紙の予約台帳がなくてもいけるかなっていう手応えを感じました。インターネットの通信環境も以前と比べればよくなりましたし、自宅、事務所、お店のどこでも、在庫をぼくらがコントロールさえしてれば問題ないですから。何より、メールで予約が入ってくるっていうのが大きいですね。

星野ウェブだと、予約がそこで完結するということもそうですが、「空いていない時間」と「他に、空いている時間」を示せるということも大きいかと思います。お電話だと、そこに時間がかかりがちですよね。。

大野さん電話はリトルトリーを選んでくれたお客さんと最初に接するところなので、ぼくの中でもかなり大事にしてたんですね。なので、当初はあまりスタッフに任せずに、極力ぼくと奥さんで対応していました。お断りも、ちゃんと丁寧に接すれば、次の日とか、2日後に予約を入れてくださったりするので。今はカフェも始まって、分業するようになって、ようやくスタッフにも任せるようになりました。とはいえ、繁忙期はぎりぎりのスタッフで回していて、事務所にずっといられるスタッフまではなかなか雇用できないんですよね。事務所の担当も、スタート地点の車をゴール地点まで持っていったりしないといけない。そのとき電話がかかってくると、携帯に着歴が残って、電話してる間にまたキャッチが入ったりして、なんのこっちゃ分からなくなるみたいな状況だったんです。
電話はどうしても、かかってきたら人が受けないとけない制約がある一方で、ウェブ予約っていうのは、お客様が好きな時間に予約ができるっていうメリットがあるわけじゃないですか。それと同時に、ぼくたちもそれを好きな時間に見られるっていうのが、いいですよね。

星野リゾート トマム1Fにある、アクティビティプログラムの紹介&予約受付専用カウンター。ここから、ウェブ上で空き枠を把握して、大野さんのところに予約が入ってくる。

星野リゾート内のアクティビティ予約受付カウンター

星野お店からも、事務所からもいつでも在庫管理と調整ができて、それを星野リゾートさんが確認することができるっていうところですね?

大野さんそうですね。去年シーズン終えた時点で、もうぼく自身で何らかのシステムを入れようと覚悟を決めていたんですね。もうダメだ!ムリー!って(笑)返信をしないとけいない予約フォームでもダメで。なので、星野リゾートさんから導入のお話があったときは、願ったり叶ったりでした。一つのシステムを小さな会社で入れようとすると、巨額の投資がかかってしまうということが予想できたので、大きなシステムを使わせていただけるっていうのは、すごくありがたかったですね。

最近は北海道でもポータルサイトがすごく多くて、やはり集客できるチャンネルは全国的に持っておきたいということもあって、今年はじゃらんが参入してきたり、北海道体験ドットコムからも、載せませんか~?とお声掛けいただいていて。でも結局、夏になるとどうしても枠が重なってしまうし、今年に関しては星野リゾート経由のウェブ予約もあるので、8割くらいは、星野リゾート向けに空けて、ポータルサイトの在庫はやむを得ず閉めたりもしましたね。

星野大野さんに直接かかってくる電話もあれば、星野リゾートさんからかかってくる電話もありますよね。

大野さん星野リゾートさんの場合、事前のウェブ予約の他に、お客さんが彼らのカウンターに来られて、対面で「明日何する?」っていう話をしながら、受付の方が、空いてるところにその場で入れるんですよね。それまでは、星野リゾートさんの受付の方からも、電話で「空きがありますか?」っていうのを電話一本で受けていました。ここ最近は、星野リゾートさんの「雲海テラス」ブームもあって、さらに夏休みのお客さんが増えて、しかもぼくも長くやってるとたくさんのリピーターの方がいらしてくださって。そういうリピーターの方からは、夏休みの3ヶ月前くらいから、直接電話でかけてきてくださるので、ぼくはそういう会話も大事にしています。プログラムありきでトマムに来て下さる方も増えてきて、まだまだ微力ではありますけど、星野リゾートさんとの相乗効果をつくれているのがいいのかなと。

2004年開業当初から、毎年家族で来て下さってる方もいて、子どもさんも大きくなられると「もう少しハードなことがしたい!」「人より違うことがしたい!」とか、他にも「半日じゃなくて一日したい!」「二日間みっちり案内して欲しい!」っていう感じで、どんどん要求があがってくる(笑)これはすごく嬉しいことで。例えばホテルにも泊まるけど、キャンプもしてみようとか、ぼくも新しい企画をどんどん提案させてもらってます。

カヌーやキャンプが初めてでも楽しめる鵡川カヌーキャンピング。

カヌーやキャンプが初めてでも楽しめる鵡川(むかわ)カヌーキャンピング。

星野予約の提供数、枠数というのは、ボートに乗れる人数で決められているのですか?

大野さんぼくが在庫管理でスタッフで教えているのは、人数もそうなんだけど、組数が大事なんだって言ってるんですね。というのも、一つのボートに乗せるのは、二組くらいにしたいんですね。二組だったら、左側と右側で分かれて、お子さん前列に座ってもらって、お父さん真ん中で、お母さん三列目ねーって。これが三組の場合、お父さん三人いたりすると、三人は横一列に並べなかったり、ボートの前にいくのが全てではないのですが、ボートの前にいけなかったり。。

なので、5人家族と3人家族、カップル同士の組み合わせ、、そういった管理体制や在庫管理はぼくらなりに研究していますね。これを機械的にやるのであれば、人数ベースでやるのが効率はいいかもしれませんが、参加してくださったお客さんが満足して、また来たいぞと思っていただけるように工夫しています。組数をある程度決めておいて、あとはどの組をどこのボートにっていうのは、当日の現場のガイドリーダーが、体型や雰囲気を見て、対面で判断でしています。

星野実際、電話の数は減りましたか?

大野さん本当に減りました。数でいうと、半分以上くらい。事務所にかかる電話を転送しているのですが、土砂降りの中でも、携帯で受けて台帳びちょびちょになりながら電話受けてるみたいな状況だったので。。システム導入させてもらって、そういうストレスも含めて開放されましたし、夜の食事を笑って過ごせるようになりましたね。

このウェブ予約を入れたことで、リトルトリーのアクティビティに関心を持ってくれた方が、すっと入ってきてくれる。そこで予約を完了してるってことが、やっぱりありがたいシステムだと思います。これがメールや電話で「すいません、、今日はやっぱり空いてません。明日は空いてます。」っていうのは大変でした。

星野システム導入時にぶつかった壁などはありましたか?

大野さん細かい在庫管理の部分などはありましたが、もっとすごく大変だと思っていましたけど、シーズンに入ってみたら、時間に関係なく僕らの在庫を管理できるので、メリットのほうが大きくクローズアップされた印象です。

というのも、空知川っていうのは、上流にダムも何もないんですよ。なので、完全に自然環境にさらされている状態で、年中サービスを提供しているわけです。すると、水がすごーく少なくなる時期があるんですね。そうなると、普通7人8人乗れるボートが5人しか乗れなくなる状態になることもあるんです。プログラムが中止になることはほぼないのですが、年間を通して空いているわけではなくて、ボートの艇数とガイドの確保状況と、自然環境の条件によって提供できる枠数が変わってくるんですよね。なので、天気予報を見ながら、雨が降らない時期をチェックして、水が少なくなるこの時期は枠を減らしておこうとか。だからこそ、いつでも管理できるっていうのは大きなメリットなんです。

ボートの上で、ラフティングプログラムを紹介する大野さん。

星野大野さんの、今後の展望をお伺いしたいです!

大野さん会社というよりは、ぼく自信の課題なのですが。今年で45歳になるんですけど。プロ野球選手だったら、引退してるくらいの年なんです(笑)次はどんどん若い世代に渡していきたいなっていう一方で、本当は自分が現場に出たかったりっていうのが、ものすごい葛藤で。。まだまだ、空知川のガイドに関しては、その近隣のガイドさんの誰よりもお客さんを満足できる自信だけは持ってたりもするんだけど、会社のマネジメントもしていかなきゃいけないですからね。やっぱり、現場に出る方が楽しいですし、たやすいというよりは、分かりやすいですよね。お客さんの反応が直接あって。車や予約の手配のやりくりって、やっぱり大変なんですよね。

自分自身も出たいし、出たほうがうまくいくんじゃない?っていうのは、自分のおごりかなとも思うこともあって、もっと自分にしかできないようなプログラムをつくるとか、雲海テラスいったらそのままリトルトリーはマストだ!っていうくらいの位置づけにはしていきたいですね。
そうなると、たくさんの人数で回していかなきゃいけないので、1人ではできなくて。それはこれまでの経験で、十分に分かっているんですけどね(笑)

星野今後も、空知川のエリアで深くやっていかれるのでしょうか?

大野さんぼくらがやってる空知川は奇跡的な清流で、人がほとんど入っていないですし、森しかないので、一晩たてば全体的に水が澄むんです。そういう自然を使わせてもらって、何かやっていきたいって思ってます。先日Facebookで書いたのですが、ついこのあいだ、3万坪の大きな森を購入しまして。森の中でできるようなプログラム展開を考えています。ぼくもまだどこまでが自分の敷地なのか分からないんですよね(笑)

星野えーー!

大野さん何ができるんだろうって想像しながら、考えながら、森作りをするのがすごく楽しみです。森の中ですごす時間だとか、ワークショップ、ただ薪を探して、それを使ってたき火をするとか、都会の人にとってはそれが非現実的なのかなって。

星野すごくワクワクしますね。

大野さんふわふわーっと歩いてるだけでもすごくワクワクする空間です。河もキレイだし。河の上がもうすごくて、空間づくりとかして「何ここ!」っていう独創的なことができたらなーって。それも12年間やってきたことで、ようやくスタッフも雇用できて、ぼくが次のステージに進めることが幸せなので、常に現場に出る幸せにしがみついてると贅沢すぎるぞって怒られちゃう気がしています。
ぜひ来シーズンは、ぼくの大好きなフィールドの中で、いろいろお話ができたり、空気感を感じてもらって、できたりするといいですね!

星野今回は、トマムでタイミングが合わずにお会いできなかったのですが、ぜひ次回は直接体験したいですし、大野さんのお話をまたいろいろ聞かせてください!(終)

■写真提供:リトルトリーHPより http://www.little-tree.jp/

インタビューを終えて。

手前味噌なお話にはなりますが、日々、予約システムを提供させていただいている身としては、「ウェブの予約台帳で、在庫をいつでも、どこからでも調整できます!」とか「予約を実際にとられるお客さん側も、365日24時間予約がとれます!」とか「予約が完了したら、管理者とそのお客さんにメールが自動で飛びます!」といったサービスの機能や仕様が当たり前すぎて、お客さんに本当に価値あるサービスを提供できているのか?ということが、お恥ずかしながら、見えなくなりがちです。。

ただ今回、リトルトリー大野さん(前編はこちら)や星野リゾート トマムの平井さんの、生の声を聞かせていただき、実際にどういう場面で、どのように使っていただき、どんな価値を提供できているのかを、すごくリアルに感じることができました。時間ごとにお客様に提供できる在庫、すなわちChoiceRESERVEに入力していただく枠数が、ボードやスタッフの数だけでなく、変化の早い自然環境・川の水位、ポータルサイトなどの各種エージェント経由の予約、組数、送迎バスの許容人数によっても、刻々と微妙に変化し続けるということ。その情報を、トマム宿泊者の方々や、ウェブで検索されたお客様に届ける術がなかったために、せっかくのお客様からのお電話が、最もつらい時間になってしまっていたこと。予約されたいお客さまにとっては、在庫が分からない、電話をしてもかからないために、本来、代替日・代替時間の可能性があったとしても、それをご提案できない状況。そして、これらの予約の問題が解決したということ以上に、大野さんのライフステージ、リトルトリーさんの事業ステージとしても、弊社が提供するようなクラウドサービスが、陰ながら貢献できていることを嬉しく思いました。

このインタビュー記事は、他にも似たようなお悩みを持たれた事業責任者さま、経営者さまに、一つのソリューション例として、お届けできればと思いながら作成しました。個人的には、製品の「成功事例」というビジネスライクな感じではなくて、大野さんのすてきな人柄も含めて、世の中が循環する一つのエピソードとして、仕事や働き方を考えるきっかけにもなるような記事を目指しました。そのため、少し長々とした記事になっておりますが、、ここまでご一読いただき、ありがとうございました!そしてぜひ、トマムに行かれる機会がありましたら、大野さんのラフティングをお試しください!
(リザーブリンク星野)

■観光・ツアー・アクティビティの予約管理にお困りの方はこちらのページもご覧ください!

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ほっしー

クラウド型予約システムを開発・販売するリザーブリンクにて、お客さまのサービスをご支援しています。「気持ちのいい体験、心に残るサービスってなんだろう?」をテーマに、利用者と事業者双方の視点で発信。旅、料理、読書、スノーボード、野球が好き。

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