BACK
X X

予約システム開発の方法やかかる費用・期間、発注できるシステム開発会社3選を解説

知る・学ぶ

/
2021.06.10 2024.03.05
森野 ミヤ子

社会人から通信制大学へ。大手ファミレスの時間帯責任者、メーカーや商社の営業事務などをしながら卒業、中高英語科教員免許を取得。配偶者が転勤族のためフリーランスのライターに。生活、子育て、ビジネス系からものづくり系などニッチなジャンルも執筆中。

INDEX

24時間受付、手続きもweb上で完結できる予約システム。ユーザーにとって便利なシステムでもあり、企業や店舗側にとっても予約業務の効率化など多くのメリットがあります。

予約システムを導入するときには、システムの開発が必要です。予約システムの開発方法はひとつではなく、方法によって特徴やメリット、費用が異なります。予約対象の商品やサービス、重視したいポイントに合った方法を選ぶのが重要です。

予約システムの開発方法や費用の解説に加えて、開発を依頼するシステム開発会社を3社紹介します。自社の事業加速や利益につながる予約システム開発に、ぜひ役立ててください。

予約システムを開発する方法とは

予約システムを導入する方法には、以下の3つがあります。

  • クラウド型予約システム(SaaS)を導入する
  • WordPressのプラグインを利用する
  • 自社開発(フルスクラッチ)

それぞれの方法の特徴、メリットやデメリットを解説します。

クラウド型予約システム(SaaS)を導入する

クラウド型予約システム(SaaS)とは、クラウド上ですでに構築されている予約システムです。クラウド型予約システムは、予約システムを開発する必要がなくプログラミングなどのIT知識がなくてもすぐに導入できるメリットがあります。
ほかにも予約システムをクラウド上で共有できるので、予約業務を効率化しやすい、メンテナンス不要で手間なく運営できるのもメリットです。予約システムの使い方が分からないときも、サポートなどで支援が受けられます。

予約数や機能に応じて月額プランが複数から選べるクラウド型予約システムも多いです。一方、予約システムのデザインや機能などにある程度の制約が生じますので、自社のニーズに合ったシステムであるかは慎重に検討する必要があります。

WordPressのプラグインを利用する

自社サイトがWordPressで構築されている場合は、予約システムのプラグインを導入する方法があります。WordPressプラグインには、無料と有料のものがあり、PHPを用いてのカスタマイズも可能です。

WordPressプラグインの予約システムは、プラグインごとに特徴が異なります。予約対象となる自社の商品やサービスに合ったものを選ぶのが重要です。無料のものなら、お試しで予約システムを導入したいときにも向いています。一方、WordPressプラグインのマニュアルが日本語対応していない場合もあるので注意しましょう。

自社開発(フルスクラッチ)

自社で0から予約システムを開発する方法です。オリジナリティが出せる、理想通りの予約システムが開発できるなどのメリットがあります。クリックやタップで電話がかけられる、自社内のさまざまな既存サービスと細かく連動させる、WEBページだけでなく予約アプリも制作したい、クレジットカードのほか外部サービスの決済もできる、などなど、希望に応じた機能やシステムの開発が可能です。

エンジニアやプログラマーがいないなど、自社で開発できるリソースがない場合には、システム開発会社に予約システムの制作を依頼することになります。

理想の予約システムの構築に繋がる一方、自社開発は費用や時間がもっともかかる方法です。開発後の予約システムのメンテナンスなども自社で対応しなければいけません。

予約システムに必要な機能

管理の文字と椅子に座っている人形とお金

予約システムを開発するといっても、どのような機能が必要なのかわからなければ、開発することができません。また、目的に沿った機能を実装するにはどの機能が必要か、見極める必要があります。ここでは、一般的な予約システムに必要な機能を解説します。

予約情報の管理機能

予約情報の登録・更新・削除(キャンセル)機能です。予約システムは24時間予約を受け付け、顧客から入力された予約情報を登録します。また、予約可能残数の一覧表示、予約日や人数の変更、キャンセルの受付なども、全てこの機能で対応します。予約システムによっては、キャンセル待ち対応や振替設定できる機能もあります。

予約対象は時間だけではありません。部屋やコース、スタッフの指名などタイプによって異なります。それぞれのタイプに対応できる予約システムを利用しましょう。

顧客情報の管理機能

予約情報とともに顧客情報も管理する機能があると便利です。同じ顧客が予約するたびに何度も入力する手間を省くだけでなく、利用顧客に対してきめ細かいフォローを行うことで、顧客満足度向上においてもメリットがあります。

顧客情報をきちんと管理できていれば、マーケティングにも活用できます。たとえばメルマガ、DMを配信し、集客につなげることも可能です。また、顧客情報からサービス利用日時や住所、年齢などの属性ごとに分析し、サービス向上に役立てることもできます。

外部システム連携機能

予約システムの機能を1から作り込むと大変ですが、外部システム連携機能があると、さまざまなデータ連携が可能です。たとえば、顧客情報がすでに既存システムにあれば、ファイル取込やシステム連携を行うことで一括登録し、入力の手間を省くことができます。

外部サービスを利用し、さらにサービスの幅を広げることも可能です。たとえば、予約時のメール通知やGoogleカレンダー連携により顧客に予約情報を知らせる、決済システムと連携して予約と同時に支払いもできるようにするなど、予約システムのデータをさらに活用することができます。

 

予約システムの開発費用や期間はどのくらい?

予約システムの開発には、どのくらいの費用がかかるのか、開発後すぐに予約システムは利用できるのか気になる人も多いでしょう。クラウド型予約システム、自社開発それぞれの費用感と、予約システムとして実際に使用できるまでの期間を解説します。

手間や費用をおさえたいならクラウド型予約システム

クラウド型予約システムは、スクールや教室、サロンなど業界問わず利用できます。またメール通知や外部システム連携など、豊富な機能が提供されています。

クラウド型予約システムを導入する場合の費用は、月額1万円~ほどです。すでに構築されている予約システムを導入するだけなので、開発期間も必要ありません。申し込み後、すぐに予約システムを導入できます。

クラウド型予約システムは、利用できる機能に応じて複数の月額プランが用意されています。セキュリティを充実させたい、予約可能件数を増やしたいなどのニーズに応じて上位プランへ切り替えることもできるので、柔軟な使い方ができます。

デザインなどのカスタマイズ性に制約はありますが、設置の手間や費用をおさえたいとき、すぐに予約システムを導入したいときにはクラウド型予約システムが選択肢になります。

自社開発は理想の予約システムが作れるが費用と期間がかかる

自社開発の場合、費用はシステム開発を行うエンジニアひとりあたりの「人月」という方法で試算されれます。エンジニアひとりあたり月額70~150万円が相場です。自社にエンジニアがいない場合は、要件定義をおこなう担当者も含め、最低でも2名ほどの人員を補填、あるいは外注などする必要が生じます。結果、予約システムの開発費用として月額140~300万円ほどが必要です。なお、フルスクラッチ開発を外注する場合、システム開発会社で具体的な費用を公開しているところは少なく、ほとんどが見積もり請求という形になります。

要件整理から予約システム構築までに最短でも12~18ヶ月以上がかかるため、開発を始めてすぐに予約システムが導入できるわけではありません。また、予約システムの開発にかかる費用のほかにも、サーバーの構築・運用などで月に5~10万円ほどのランニングコストもかかります。

予約システムの開発費用をおさえるには

予約システムの開発においては、自社開発する場合でも、外注する場合でも多くの費用が発生します。予約システムの開発費用をおさえるための方法を解説します。

外注する場合は任せっきりにせず具体的なイメージを伝える

予約システムの開発を依頼した場合「システム開発会社に任せておけば大丈夫」と考える人も多いでしょう。システム開発会社にすべて任せっきりにしてしまうのは、実は危険です。

具体的なことを伝えず予約システム開発をすべて丸投げしてしまうと、必要な機能がない、イメージと違うなどで修正や作り直しが発生する可能性が高いです。

修正や作り直しのたびに追加費用が発生し、予約システムの完成にも期間がかかってしまいます。欲しい機能、デザインのイメージなどを要件定義の時点で具体的に伝えるようにしましょう。

コストを抑えて開発を行う

なるべくコストをかけずに開発を行うのも1つの手です。たとえば、オープンソースのプログラミング言語やソフトウェアをつかって開発する方法です。

特にPHPは、Webシステム開発のプログラミング言語の中でも人気の高い言語です。比較的習得しやすい言語のためエンジニアが多い点や、同じくオープンソースのデータベースソフトウェアであるMySQLやPostgreSQLと相性がよい点が挙げられます。PHPで作成された予約システムも公開されており、それらを利用する方法もあります。

▼PHPで予約システムを作るメリットや注意点について、以下の記事でも紹介しています。
https://yoyakulab.net/investigation/reservationsystem_php/

必要な機能を厳選する

予約システムに搭載すべき機能は、予約対象の商品やサービス、内容によって異なってきます。多くの機能をつければそれだけ開発費用は高くなります。必要な機能のみを厳選してシステム開発をすれば、それだけ開発費用はおさえられます。

業務拡大や予約件数の増加にともなって、ほしい機能を後から追加することも可能です。

クラウド型予約システムを検討する

「オリジナリティのある予約システムを作りたい」などの理由で予約システムを自社開発した場合、その後の運用費用もかかります。また、せっかく高額をかけて予約システムを自社開発したのに、事業変更で短期間しか使わなった、という場合もあります。長期的に同じ予約システムを使う場合には費用対効果も高いですが、短期間の使用の場合は自社開発にかけた分の費用が利益で回収できません。

初めて予約システムを導入するときは、まずはクラウド型予約システムを使ってみるという方法もあります。先にクラウド型予約システムを導入し、ゆくゆくは自社開発を検討することも可能です。予約システムに独自性はとくに求めていないときや、必要な機能が使えればよいときにも、クラウド型予約システムにすれば開発に関する費用を大きくおさえられます。

予約システムの導入に利用できるWordPressプラグイン3選

文房具とWORDPRESS PLUGINの文字が書かれたサイコロ

予約システムの導入において、WordPressプラグインの利用を検討したいと考えている方に向けて、代表的なWordPressプラグインを3つご紹介いたします。

Booking Package

「Booking Package」は、予約システムを作成できる無料のWordPressプラグインです。

WordPressの管理画面上からカレンダーの設定や入力フォームの設定、予約した際の自動送信メールの設定など、自由にカスタマイズできます。またメンバーアカウント管理で個人情報の入力を省略することも可能。オンライン決済処理も対応しています。

さらに、Booking Packageは有料版も用意されています。有料版ではApple PayやPayPalを利用したオンライン決済機能やユーザー操作による予約のキャンセル、予約時間ごとの定員の残り人数表示などが利用でき、使いやすさが向上します。

▼ダウンロードページ
https://ja.wordpress.org/plugins/booking-package/

MTS Simple Booking

MTS Simple Bookingは、有限会社エムティシステムで開発されている予約システムであり、WordPressプラグインとして提供されています。無償版の「MTS Simple Booking C」と、ビジネス版の「MTS Simple Booking」の2種類があります。

予約品目やパラメータの設定を行い予約フォームを作成、予約カレンダーを表示することで簡単に予約システムを作成できます。また、予約後の自動返信メールの設定も可能。

ビジネス版は無償版の機能に加え、追加注文を受けられる「オプション機能」、顧客情報を登録・管理できる「ユーザー登録機能」、ユーザーからの問い合わせを受け付ける「問合せフォーム機能」が追加されています。

▼公式ページ
http://mtssb.mt-systems.jp/

Events Manager

「Events Manager」は、イベントやセミナーの予約に適したWordPressプラグインです。管理画面は日本語対応されていますが、ドキュメントやチュートリアルといったサポートページは英語で用意されています。

イベントと開催場所を登録し、予約フォームを作成できます。繰り返しイベントにも対応しており、定期的に開催されるイベントにも利用可能。予約機能は座席数や金額の設定ができるだけでなく、ダッシュボードで予約状況の確認もできます。

有料版も用意されており、複数予約機能やオンライン決済、予約フォームでの項目追加、予約に関連したメールのカスタマイズが可能です。

▼ダウンロードページ
https://ja.wordpress.org/plugins/events-manager/

クラウド型予約システム3選

デジタル地球

予約システムの導入にクラウド型予約システムを検討したいと考えている方に向けて、代表的なクラウド型予約システムを3つご紹介いたします。

「ChoiceRESERVE」株式会社リザーブリンク

「ChoiceRESERVE」は、自治体やクリニックなど、業界・業種問わず豊富な導入実績をもつ予約管理システムです。予約管理における課題に対する手厚いサポートは、高い評価を得ています。

予約管理においては15年以上の実績をもとに、予約システムの導入提案から運用サポートまで、発生する課題に対して専任スタッフによる徹底したサポートが受けられます。ITに詳しくないユーザー様も安心です。

予約システムは予約に必要な機能を実装しているのはもちろん、事例や運営者の声を元に、ニーズにあわせた機能を網羅しています。予約管理カレンダーやクレジットカード決済も搭載。また既存HPと簡単に接続できるため、1からの予約サイト作成は不要です。

▼公式サイト
https://yoyaku-package.com/

「STORES予約」ヘイ株式会社

「STORES予約」は導入費用無料で始められる予約管理システムです。ネット予約以外にも豊富な機能を搭載している点が特長です。

予約は団体予約だけでなく、在籍管理や振替予約の受付も可能。会員向けにも専用アプリがあり、スマートフォンやタブレットを利用して予約の確認や変更、振替の手続きもできます。

決済機能もついており、事前決済だけでなく、月謝料金の徴収や回数券の利用にも対応しています。これにより、毎月の決済業務の負担を軽減できます。

さらに、メルマガ・DM配信機能やブログ機能など、サービスの魅力を発信する機能も搭載されています。これらの機能により、予約から決済、顧客管理、マーケティングとあらゆる業務を対応できます。

▼公式サイト
https://stores.jp/reserve

「SELECTTYPE」株式会社セレクトタイプ

「SELECTTYPE」は、テンプレートを利用してわずか数分で高機能な予約システム付きホームページが作成できるシステムです。ホームページだけでなく、予約フォームやメールフォームなど、単体のページのみを作成することも可能です。

予約フォームは宿泊施設や教室、イベントなどさまざまなジャンルに対応。予約対象も教室や時間単位、スタッフ指名から指定できます。必要な設定を入れるだけで完成するため、プログラミングなどの知識は必要ありません。

無料で利用することができるので、機能確認のためにお試し利用も可能です。クラウド型予約システムがどういうものか実際につかってみたいと思う方は、試してみてはいかがでしょうか。

▼公式サイト
https://select-type.com/

予約システム開発を発注できるシステム開発会社3選

予約システムを自社開発できないときは、システム開発会社に依頼することになります。紹介を受けるなどのつてがなければ、自分で依頼するシステム開発会社を見つけなければいけません。

ここでは、参考までに予約システム開発を発注できるシステム開発会社を3社掲載します。予約システムの開発を依頼する場合は、多くの期間と費用がかかります。いずれのシステム開発会社に依頼する場合でも、自社の業種業態や予約受付方法に見合うかどうか、類似の実績や他社の利用事例などがあるかどうかを、企業の公式HP情報などでしっかり確認・相談しておくようにしましょう。

株式会社ジェイオンライン

オンラインレッスン予約やオンライン注文などの予約システムのフルスクラッチ開発実績が公式サイトに掲載されている開発会社です。他の業種の予約システム開発の実績も多くあります。

店舗や企業のWEBサイト制作も一緒に依頼できるため、これから予約システムを含めたWEBサービスをまとめて構築したいときにも選択肢に入ります。

企業URL:https://j-online.ne.jp/service/system/

株式会社コアソフト

新規からのシステム開発が多く、コンサルティングの実績も高いシステム開発会社です。医療物流の管理システムや、手術室管理システム、ナースコールシステムなど、安全性と堅牢さが求められる医療関連のシステム開発実績が多くあります。病院のレセプト計算や、クリニックの予約システム開発実績もあります。セキュリティ面を重視したい予約システムを開発したい時にも向いています。

企業URL:https://www.coresoft-net.co.jp/index.html

株式会社カモメ・コーポレーション

少数精鋭のシステム開発会社です。クロスプラットフォームに対応したアプリ開発を得意としています。製造業向けの業務システムや在庫商品管理システムなどの構築実績があります。予約管理システム開発のほか、予約アプリ制作も可能です。

企業URL:http://www.kamome-corp.jp/index.html

まとめ:予約業務に合った予約システムを開発しよう

予約システムを自社開発すれば、理想通りのシステム構築につながります。

一方で費用や期間が多くかかるため、自社に合った予約システムを開発できるシステム開発会社に依頼することも重要です。予約システムの導入は、自社開発や外注だけでなくクラウド型予約システムを利用する方法もあります。細かなオリジナリティ実現には制限がある一方で費用がおさえられる、メンテナンスが不要、すぐ導入できるなど多くのメリットがあります。

クラウド型予約システムをとりあえず導入、業務に活用しておいてゆくゆくは自社開発をする、という方法もあります。予約システムの機能や費用、導入までの期間などを踏まえ、予約業務に合った予約システムの導入につなげましょう。

森野ミヤ子

社会人から通信制大学へ。大手ファミレスの時間帯責任者、メーカーや商社の営業事務などをしながら卒業、中高英語科教員免許を取得。配偶者が転勤族のためフリーランスのライターに。生活、子育て、ビジネス系からものづくり系などニッチなジャンルも執筆中。

INDEX

この記事を読んだ人へのおすすめ

PICK UP STORY

コラム

中谷コラム - 予約の研究

Last update 2021.06.10

特集

予約は未来の約束
~ビジネスを成功させる理想の予約とは~

Last update 2021.06.10

INFORMATION

CONTACT