あの「待ち時間ストレス」から解放!コールセンターは「時間予約」の時代へ ~コールバック予約のご紹介~
調査
コールセンターに電話しても、なかなか窓口(オペレーター)につながらない。
ようやくつながったと思ったら、対応窓口が異なるという理由で別の電話番号を案内された。
このような経験から、コールセンターへの電話にストレスを感じている方は少なくありません。
もちろんコールセンターを運営する企業は、お客さまが使いやすい運営を心がけていることでしょう。しかし、時間帯などの条件によっては、対応可能なオペレーターの人数やその対応範囲も限られてしまうのが実際のところ。
「いつでも」「すぐに」電話がつながり、知りたいことを確認できる。利用者にとって使いやすくストレスフリーなコールセンター運営は、なかなか難しいというのが実状です。
つながりやすく利用しやすいコールセンター運営には、センターを設置する企業側の負担が伴います。フリーダイヤルの開設をはじめ、センター設置の目的に合わせたインフラの整備や人材の確保など、相応の負担が生じる点は課題のひとつといえるでしょう。
そこで今回は、このようなコールセンターの利用側・運営側双方の課題解決につながるひとつの手段として、「コールバック予約」に注目。その特徴的なサービスをご紹介します。
コールバック予約は、利用者が電話を希望する時間を予約し、指定時間帯に企業側から電話をかけるサービスです。折り返し電話予約サービス・電話予約サービスといった企業ごとの名称もあり、主に保険会社やIT・通信系の企業において契約手続きや内容照会など、契約に関する相談窓口として提供されています。
コールバック予約のスタイルは大きく2つあります。
- 時間割型 表示された時間帯から、空いている枠を利用者が選択する形式。回線の混雑が予想される業種での導入実績が多い。
- フォーム型 利用者が電話を希望する複数の時間をフォームに入力する形式。契約前や購入前の問い合わせなど、新規の顧客向けの相談窓口としての導入が多い。
コールバック予約サービスを既に導入している企業とそのサービス内容を簡単にまとめます。
株式会社ニトリ
時間割型。「ニトリ電話予約サービス」サイトから、氏名や連絡先などの予約情報を入力し、カレンダー形式で表示された日時(1時間ごと)から、希望の日時を選択します。
問い合わせ内容を記載する欄がなく、メンバーズカード番号の入力も任意であることから、会員ではない方も含めてニトリの店舗や商品、配送などを含めた総合的な問い合わせ窓口として利用が可能です。
また、希望日時の予約ができなかった方むけに、本来の希望時間を回答する欄(任意)も設けられており、今後の本サービスの満足度を高めようという姿勢を感じます。
明治安田生命保険相互会社
出典:https://www.meijiyasuda.co.jp/ssnorapl/cbreserve/MYOHPCBReserveConfirm.aspx
時間割型。コールバック予約は、契約内容の照会・手続きに関する問い合わせに限られているため、契約者本人のみが利用可能です。
「コミュニケーションセンターからのコールバック予約」画面から、契約者の氏名や連絡先、証券番号とともに、連絡を希望する日付と時間帯(直近5日間、2時間ごと)を選択します。
さくらインターネット株式会社
出典:https://sakurainternet.resv.jp/reserve/calendar.php?direct_id=13
時間割型。提供サービスに関する問い合わせを対象にしているため、会員のみが利用できます。
「各種お問合せ」画面から「コールバック予約の利用方法を知りたい」へ進み、問い合わせ内容を選択すると、サービスごとの予約時間帯が表示されます。予約画面は、カレンダー形式で1時間ごとになっており、コールバック希望時間帯の3時間前から7日先まで選択が可能です。
自身が利用しているサービスとは異なるサービスの枠からコールバック予約をした場合、電話ではなくメール対応に変更されることがあるため、問い合わせ内容の選択時には注意が必要です。
株式会社マウスコンピューター
出典:https://www2.mouse-jp.co.jp/ssl/form/call_back/
フォーム型。製品の購入を検討している方限定で、製品選びから注文に関する相談窓口として、コールバック予約が可能です。
「コールバック予約サービス」の画面で、氏名や連絡先とともに、電話を希望する日時を選択します。(2時間ごと)当日中の電話連絡を選択することもできますが、時間帯を選ぶことはできません。
製品購入後の問い合わせは、専用の「ご購入後のお問い合わせフォーム」を使用することになっています。
(番外編)株式会社NTTドコモ
出典:https://www.docomo.ne.jp/support/inquiry/call_reservation/
コールバックではなく、センターへのコール事前予約。
「インフォメーションセンターへのコール事前予約」ページから問い合わせ日時を予約すると、予約時と当日に予約専用番号を記載したメールが届きます。専用番号から予約時間に電話をかけると、混雑時でも優先的にオペレーターに接続される、ドコモの回線契約・dポイントクラブ会員限定のサービスです。
事前予約が可能な問い合わせ内容は、料金やオプションプランの申し込みや変更、請求内訳など一部に限られていますが、予約日時は当日から31日先までと広い範囲で選択できるため、急ぎの問い合わせではない場合には予約しやすいのではないでしょうか。
さいごに
今注目されつつあるコールバック予約は、企業側、利用者側どちらにも大きなメリットがあるといえるでしょう。
利用者にとっての最大のメリットは、待ち時間なしで確実にオペレーターに問い合わせができること。事前に用件をセンター側に伝え、電話する日時も決められるため、これまで不満を感じていた、あの「待ち時間」や、窓口違いによる「たらい回し」のストレスが解消されます。
企業側は、混雑時のキャパシティオーバーによる受注機会の損失を防げることに加え、予約内容に適した人材と人数の確保により的確で効率的な応対が可能になります。利用者の満足度を高めることができ、企業のイメージアップにもつながるでしょう。
一方で、注意が必要な場面も考えられます。常に待ち時間が発生するコールセンターや、特定の時間帯が混雑するという場合には、予約状況も同様になると予想されます。予約を受け付けたもののオペレーターの対応が間に合わず、予約希望時間にコールバックができないのでは、予約の意味が無くなってしまいます。問い合わせごとの所要時間や必要人数を予測し、余裕のある予約受付をすることが顧客満足度を高めるポイントになるのではないでしょうか。
コールバック予約の導入は、予約に適した人員の確保や、オペレーターのシフトに合わせた予約受付数の調整を可能にし、業務の効率化を高めます。同時にコールセンターの長年の課題である待ち時間も、大幅に解消します。顧客サポートの新たな選択肢として、今後も各社の導入が進むと予想されます。