工場見学に関する調査
調査
INDEX
地域との相互理解を深め、モノづくりについて消費者側にもっと知ってもらうために主催しているところが多いという工場見学。地域活性や雇用という目的はもちろん、一種のテーマパークとしてファンを作る場とも考えられています。
工場見学を通じて、日常で使用している身近なものが製品化されるまでの工程や、そのモノについての知識を体験しながら学べるため、大人はもちろん、子どもの夏休みの自主学習などにも人気です。
今回は、前回調査したビールや日本酒といったアルコールに限らず、飲料や食品、航空機、自動車、文具、鞄など、さまざまな業種の工場から工場見学を開催している施設をピックアップし、統計をおこないました。
<調査方法> |
目次
7割以上の工場では工場見学ツアーを開催している
工場見学には自由見学形式とガイドツアー形式があります。
今回調査対象とした52の施設のうち、ツアー形式の工場見学を開催しているのは37件(71.2%)となっていました。見学ツアーは専門のスタッフやガイドによる案内付きで、会社や工場の概要の説明や、実際の製造現場の見学、最後に質疑応答というミニツアー形式をとるところが多いようです。
工場見学ツアーのうち8割超で人数制限あり
工場見学ツアーを開催する37の施設のうち、定員について明記されているのは32件(86.5%)となっており、8割超で人数制限を設けていることが分かりました。
具体的な定員は、「10人まで」が25%、「11~20人」が25%と同じ割合で、半数が20人以下で設定しているようです。51人以上としている施設も7件と21.9%を占めており、最高値としては120人と設定しているところもありました。
約8割の工場見学ツアーは90分以下
工場見学ツアーを開催する37の施設において、見学時間の平均は64.7分となっていました。もっとも割合が高かったのは「60分まで」で45.9%、「61分から90分」が35.1%で、約8割は90分以下のツアーとなっているようです。
工場見学の予約について
ここからは、ツアー形式を含む工場見学の予約についてみていきたいと思います。
工場見学は約8割で予約が必要
調査対象となった52の施設のうち、工場見学の予約を受け付けているのは41件で78.8%と、約8割の施設において予約が必要となっていました。
予約方法は、最多が「ネットのみ」で34.1%、次に「電話のみ」で29.3%、「ネットおよび電話」が24.4%で、6割弱の施設ではネットを通じた予約が可能となっています。
予約締切は1週間前までが4割弱で最多
予約が必要な施設41件のうち、予約締切について明記されているのは18件(43.9%)、その他の23件(56.1%)については記載がありませんでした。内訳では「1週間前まで」がもっとも多く38.9%、早いところでは「30日前まで」と設定されているものもありましたが、それは少数派で、「前日まで」という予約期限のものも22.2%と高い割合を占めていました。
前日までから1週間前までをすべて含めると72.3%で、予約締切を設定しているうちの7割以上が、遅くとも1週間前の予約で見学が可能となっています。
当日予約については6割超が明記せず
予約が必要な41の施設のうち、当日予約可と明記されているのは3件で7.3%、当日予約不可は11件で26.8%となっていました。また、当日予約について明記されていない施設は17件で65.9%と、かなりの割合を占めています。
工場見学は9割超が無料
工場見学の料金は92.3%と全体の9割超が無料となっていました。有料のものはわずか3件で5.8%と、自由見学に限らず、ツアー形式の見学でも無料の形態をとっているところが大多数を占めるようです。
先のビール工場や酒蔵の見学調査においては、ビール工場が8割、酒蔵が5割という高い割合で有料となっていましたが、アルコール以外に業種を拡げた工場見学においては、飲料や食品の工場で試飲、試食がある場合においても無料の割合が高いことが分かりました。
まとめ
今回は、飲料や食品、航空機、自動車、文具、鞄など、さまざまな業種の工場を対象に調査をおこないました。
工場見学を開催している52の施設のうち、7割がガイド付きのツアー形式をとっており、その多くで人数や時間に制限が設けられています。
また、自由見学とツアー形式の工場見学に関係なく約8割では予約が必要となっており、6割弱の施設ではネットで予約が可能となっていました。予約の締め切りについては、30日前から前日までと設定が幅広いですが、予約締切を設定しているうちの7割以上は遅くとも1週間前の予約でも見学可能となっています。
さらに、前回調査したビール工場や酒蔵の見学では有料のものが高い割合を占めていましたが、今回の幅広い業種の工場見学においては無料が9割を超えていることがわかりました。
地域との共存や製品についての理解を深めてもらうことを目的に開催されている工場見学。昨今は、家族連れのリーズナブルなレジャーとしても人気なので、ぜひ事前予約のうえ一度訪れてみてはいかがでしょうか。