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日本酒酒蔵見学・体験ツアーに関する調査

調査

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2023.07.30 2024.03.05
日本酒酒蔵見学・体験ツアーに関する調査
加藤 高士

様々な企業へCRMの導入支援を経て2012年4月株式会社ビジネス・アライアンスを設立。20年以上にわたり企業へマーケティング活動の支援を行う。マーケティングの視点から、予約ラボを通じて予約の可能性について研究を行う。

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米・水・気候という日本酒造りにかかせない条件のそろった日本各地には、お酒を醸造したり貯蔵したりする酒蔵(さかぐら)がたくさんあります。中には、酒蔵見学や体験を提供する施設もあり、酒造りの工程を知ることで日本酒に親しむイベントとして人気です。

今回は、見学や体験ツアーを受け付けている酒造会社や酒蔵をインターネット上で調査し、その結果についてまとめました。

 <調査方法>
 ・調査期間:2023年6月7日(水)~6月14日(水)
 ・調査地域:日本全国
 ・調査対象条件:独自のHPで見学を開催している酒造会社・酒蔵
 ・調査対象選定方法:Google検索
 ・調査数:50

酒造会社・酒蔵見学の予約について

日本酒酒蔵見学・体験ツアーに関する調査

多くの酒造会社や酒蔵では、独自のHPが開設されており、酒蔵見学や体験ツアーの案内が掲載されているところもあります。

9割の施設で要予約

今回、HP上で酒蔵見学や体験ツアーを案内している施設を調査したところ、50の施設のうち46件(92%)、実に9割以上の施設において予約が必要となっていました。

予約が必要な施設46件のうち、予約方法は「ネットのみ」が41.3%、「ネットおよび電話」が32.6%と、7割超でネットを通じた予約が可能となっています。ネット予約ができない場合の方法については「電話のみ」が21.7%、少数ですがメールでの予約も受け付けられていました。

予約の締切は5日前から前日までが6割以上

日本酒酒蔵見学・体験ツアーに関する調査

次に予約締切日の明記についてですが、予約締切が明確に設けられている施設は、46件のうち18件(39.1%)でした。その18件のうち最多は「5日~前日まで」で11件(61.1%)と6割以上を占め、もっとも早いものでは「5日より前まで」が6件(33.3%)、もっとも遅いものでは「当日2時間前まで」が1件(5.6%)となっていました。

当日の予約については約9割が記載なし

日本酒酒蔵見学・体験ツアーに関する調査

酒蔵見学・体験ツアーの予約を受け付けている46の施設のうち、当日予約については87%の施設において、HP上に明記されていませんでした。13%の施設では、当日空きがあれば電話で予約が可能となる旨記載されていました。

酒蔵見学・体験ツアーの条件・詳細について

ここからは、酒蔵見学や体験ツアーの条件や詳細についてご紹介します。

約半数で人数制限あり

日本酒酒蔵見学・体験ツアーに関する調査

酒蔵見学や体験ツアーにおいて、人数に上限が設けられているものは全体の44%でした。残りの56%についてはHPに明記されていませんでしたが、カレンダー式の予約システムを利用した予約の場合、制限人数に達したら受付不可となるところもあるため、実際はもっと多くの施設において人数制限が設けられているのではないかと推測されます。

制限人数は、定員を明記している22件を母数とすると「11~20人」が9件(40.9%)で最多、「10人まで」が7件(31.8%)、「21人以上」が6件(27.3%)となっていました。最高では100人という施設もありましたが、概ね20人以下となっていることが多いようです。

料金は無料が半数以上

日本酒酒蔵見学・体験ツアーに関する調査

調査した50の施設のうち、見学や体験の料金を無料としている施設が52%と半数以上ありました。ビール工場の見学では、8割以上が有料だったのに対し、日本酒の酒蔵では無料の比率が多くなっています。

有料は19件で38%、具体的な料金の最多は「1,000円以下」で47.4%、次いで「1,001円〜2,000円」が36.8%となっており、平均額は1,789円でした。

もっとも高いのは5,000円以上ですが、そうしたツアーではおつまみつきの利酒体験や、蔵元との日本酒談義など、特別な体験ができるプランになっているようです。

体験の内容について

日本酒酒蔵見学・体験ツアーに関する調査

酒蔵見学・体験では、試飲、利酒、醸造体験といった見学以外のアクティビティを開催しているところもあります。50の施設のうち試飲ができるのは39件(78%)となっていました。

醸造体験ができるのは7件(14%)と少数で、実際の酒造りの過程を、身をもって体験することできるところもあるようです。

ビールの醸造体験ができる施設もあり、そのプランでは、要望に合わせさまざまな素材を使ったオリジナルビールの醸造が可能で、お祝い品や記念日の配りもの、地域のお土産開発などで使うことができます。

麹造り、発酵、仕込み、調合などいくつもの工程がある酒造り。温度調整や時間、そして配合量が非常に重要な役割を担う繊細な作業です。酒造の工程に影響が出る可能性もあるので、すべ手の設備を見学できないコースや、見学前日から納豆などの発酵食品の摂取制限をお願いするプランもあるようです。

まとめ

今回は、前回のビール工場・醸造所見学に続き日本酒の酒蔵見学や体験できる施設について調査しました。

調査した50の施設すべてにおいて、見学や体験ツアーが実施されており、歴史ある酒蔵や資料の閲覧、試飲や利酒などさまざまな体験ができるようです。お酒の種類や味の違いだけでなく、製造方法の違いなど、専門的な知識も身について、日本酒を身近に感じられる機会となっています。

これらの見学・体験は、9割以上の施設において予約が必要となっており、そのうち約7割はネットでの予約が可能とされていました。自由見学などのプランもありますが、4割以上のプランでは、定員が設定されているようでした。

料金については無料が約半数で、ビール工場・醸造所に比べると無料の比率が高い傾向がありました。有料の場合、平均額は1,789円となっていました。

日本酒の製造工程に興味を持つ人はたくさんいらっしゃると思います。日本酒好きの方なら、なおさら一度は酒蔵体験という機会に触れたいのではないでしょうか。 

酒造りの想いを伝える側と、供給する側、お互いが協力し合い理解を深め、さまざまな形で学ぶことも大切であると考えられます。

加藤高士

様々な企業へCRMの導入支援を経て2012年4月株式会社ビジネス・アライアンスを設立。20年以上にわたり企業へマーケティング活動の支援を行う。マーケティングの視点から、予約ラボを通じて予約の可能性について研究を行う。

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