ビール工場・クラフトビール醸造所における工場見学の調査
調査
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1994年の酒税法改正以降、大手ビールメーカーに限らず、小規模の事業者においてもビール製造が可能となりました。各地のブルワリーでは、さまざまなビールづくりが試行され、近年は、大手ビールメーカーの一般的なビールとともに、いろんな種類のビールが飲めるようになっています。
大手ビールメーカーの多くでは工場見学でビールづくりの現場が見ることができ、ブルワリーでは、レストランに併設され食事とオリジナルビールを楽しめる施設が多くなっています。
今回は工場見学を主催しているビール工場や醸造所などの施設について調査をしてみました。
<調査方法> |
ビール工場・醸造所見学は97%が予約制
ビールの製造工程や設備を見学できる施設について詳細を調べたところ、50件中工場見学を開催しているのは30件で60%。その30件のうち、予約制が導入されているのは29件となっており、96.7%と、ほとんどの施設において基本的には予約が必要だということがわかりました(当日空きがある場合は参加できる施設もあり)。
多くの施設では、ガイドやスタッフによる説明を受けながら工場の設備や製造工程を見学できるようですが、中には予約不要の自由見学コースが設けられている施設もあります。
予約方法はネットで対応できるところが9割以上
工場見学において予約制を導入している29施設のうち、予約方法として採用されているのはネットと電話の2つのみとなっていました。ネット・電話どちらも可能な施設が23件で79.3%と8割近くを占め、ネットのみが4件で13.8%と、29の施設のうち27件、つまり93.1%の施設においてネット予約が採用されています。電話のみで予約を受け付けている施設はわずか2件で、6.9%でした。
6割以上の施設では予約締切を明記
工場や醸造所見学に予約が必要な29の施設のうち、予約締切が明記されているのは19件で65.5%、残りの34.5%の施設においては、記載がありませんでした。予約締切が明記されている19の施設の詳細をみると、締め切りがもっとも早く設定されているのは「1週間前まで」で10.5%。もっとも遅い設定である「前日まで」が57.9%と最多でした。
約6割の施設で人数制限あり
工場見学を開催する30の施設のうち、工場見学時の人数制限(定員)が明記されている施設は17件、1件が応相談とされており、約6割の施設で案内時に上限が設けられていました。具体的な定員については、最多が11~20人で12件(66.7%)。10人以下が2件、21人以上が1件となっています。人数制限を設けているものの、具体的な人数を明記していない施設もありました。
8割の工場見学は有料
工場見学を開催している30の施設のうち24件、8割の施設では見学料金が必要で(自由見学コースを除く)、2件のみ無料とされていました。具体的な料金は、1,000円以下が最多で22件(73.4%)となっており、最高額は2,310円でした。料金が比較的高めに設定されている施設はブルワリーが多く、おつまみ付き飲み比べであったり、タンクから出したばかりのビールを飲めたりといった、プレミアムな体験が含まれている傾向があるようです。
また試飲体験は30の施設のうち25件で実施されており、1~2杯から、4種以上のビールを試飲できるプランもあり、有料でも料金に応じてお得感のある体験になっていると考えられます。
まとめ
ビール工場や醸造所見学は、ガイド付きツアーのような形式をとっている所が多く、解説を聞きながら工場設備や製造工程を見学できるようです。無料で予約不要の自由見学プランも中にはありますが、有料プランの場合は事前予約制を導入しているところがほとんどです。また、6割ほどの施設において人数制限があり、その多くは11~20人を上限としていました。
さらに、有料プランには試飲体験が含まれていることが多く、数種類のビールを飲み比べできるといったお得感のあるものとなっているようです。ビールの原料を実際に触って体験できたり、タンクから出したてのビールを飲めたりと、五感でビールを楽しめるプレミアムなプランもあるようです。
従来のビールをはじめ、各ワイナリー独自のクラフトビールなど、ビール好きなら一度は行ってみたいビール工場・醸造所見学。要予約・有料というプランが多いようですが、お得感のあるサービスが提供されているプランも多々あります。
レストランに併設された醸造所もあるため、休日にレジャー感覚で工場見学を楽しむのもいいかもしれません。