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混雑状況を可視化する様々な取り組み事例

調査

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2022.04.21 2022.12.23
加藤 高士

様々な企業へCRMの導入支援を経て2012年4月株式会社ビジネス・アライアンスを設立。20年以上にわたり企業へマーケティング活動の支援を行う。マーケティングの視点から、予約ラボを通じて予約の可能性について研究を行う。

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感染症予防のため回避すべきといわれる3密(密閉・密集・密接)。コロナ禍に限らず「混雑している場所はできるだけ避けたい」と考える人は多いのではないでしょうか?

コロナ禍以降は、あらゆる場面で混雑状況をリアルタイムで確認できる取り組みが増えてきました。

今回は、それらの事例をいくつかピックアップしてご紹介します。

観光地・レジャースポットのライブ配信事例

近年、人気観光地やレジャースポットにおける混雑状況を見える化するための取り組みが行われています。YouTubeなどの動画共有サービスで、ライブカメラが配信されているのをチェックされた方も少なくないと思います。
代表的なものをご紹介します。

浅草寺の境内

出典:https://youtu.be/hBiBadOukZA

宗教法人浅草寺公式チャンネルでは、浅草寺の境内の混雑状況をYouTubeでライブ配信しています。

配信開始日がコロナ禍以降の2020年12月26日となっており、詳細箇所にも「お越しの際にご活用ください」と記載されていることから、状況を見える化することで、観光客による混雑緩和を目的としたライブ配信だと考えられます。

・浅草寺の境内ライブ配信映像
本堂側:https://youtu.be/nOk4cd0kkp8
雷門側:https://youtu.be/hBiBadOukZA

八幡浜フェリーターミナル

出典:https://youtu.be/sm-Zo-FmN9E

愛媛県の八幡浜市役所が提供するのは、八幡浜フェリーターミナル駐車場のライブ配信。

八幡浜港は、大分県臼杵港を行き来するフェリーが1日10往復以上運行されており、四国と九州の交通網として人気の港です。2022年4月には新フェリーターミナルに移転し、新しいフェリー桟橋の供用も開始されます。


また、八幡港は愛媛県地域防災計画で防災拠点となる港湾に位置付けられており、ライブ配信カメラの共有は、災害時などにも役立つと思われます。

・八幡浜フェリーターミナル駐車場ライブカメラ
https://youtu.be/sm-Zo-FmN9E

道の駅日光駐車場

出典:https://youtu.be/-BMtWC5oqWI

日光街道ニコニコ本陣の愛称で地元民や観光客から親しまれ、連日にぎわう道の駅日光が提供するのは、駐車場のライブ配信です。

道の駅日光は、日光や栃木の名産品が揃っており、特に休日は開店後まもなく駐車スペースがなくなるほどの人気スポットです。市街地の中にあり、駐車場収容台数が70台ほどしかないため、しばしば入場のための渋滞が起こることで混雑状況が配信されていると考えられます。

・道の駅日光駐車場ライブカメラ/ニコニコ本陣
https://youtu.be/-BMtWC5oqWI

行政の事例

行政サービスにおいても、待ち時間短縮を軽減するための試みとして、受付待ち人数や呼び出し番号をネットで配信し「混雑状況の見える化」を行っている自治体も増えているようです。

市区庁舎のリアルタイム混雑状況

出典:https://www.q-system.info/12227-1/

様々な自治体の庁舎においても、混雑緩和のためのリアルタイム混雑状況を共有する取り組みがされています。

浦和市役所や三鷹市役所の場合は、課別・窓口ごとに呼び出し番号と受付待ち人数の表示がされています。

・浦安市
https://www.q-system.info/12227-1/

・三鷹市
https://www.city.mitaka.lg.jp/c_service/088/088438.html

板橋区役所の場合、窓口ごとの混雑予想カレンダーが翌月分まで表示されているほか、リアルタイム混雑状況として受付待ち人数の表示、さらにメールアドレスを登録することで順番が近づいたら呼び出し通知メールが届くサービスもあります。

・板橋区
https://madoguchi.city.itabashi.tokyo.jp/

練馬区役所では、上記のような取り組みのほか、マイナンバーカードの交付や保育課における相談など、混雑しがちな窓口のウェブ予約も一部で可能となっています。

・練馬区
https://nerima.madoguchi.website/

出典:http://www.yobidashi.jp/nakahara/

川崎市中原区の場合は、呼び出し番号と受付待ち人数のほか、予想される待ち時間も表示されています。

・中原区
http://www.yobidashi.jp/nakahara/pc/

出典:https://www.city.toyonaka.osaka.jp/kosodate/hoikusho/hoiku_konzatsu.html

大阪府豊中市では、市役所の各課窓口の混雑状況のほか、住所変更の届出やマイナンバーカード交付窓口などは、翌日以降のインターネット予約が受付されています。また、相談などの窓口や、市立図書館、子育て支援センターの混雑状況については、3段階の混雑ランプと曜日や時間による混雑の傾向が表示されています。

・豊中市
https://www.city.toyonaka.osaka.jp/joho/ict_rikatuyo/konzatsu_lamp.html

避難所の混雑状況を可視化

出典:https://vacan.com/map/

株式会社バカンが提供するリアルタイム空き情報配信プラットフォーム「VACAN」を通
じ、災害時の避難所の混雑状況を共有している自治体もあります。

VACANには、地図上でエリア内の施設等の空きや混雑状況を表示する「VACAN Maps」という機能があり、該当場所を選ぶと「空いています」「やや混雑」「混雑」「満」の4段階で状況が示されます。避難所のほか交通機関や公共施設、飲食店などの店舗、公衆トイレに至るまで、様々な施設の混雑状況がわかります。

・VACAN公式サイトサービスページ
https://vacan.com/

国土交通省調査資料

国土交通省では「鉄道混雑予報や混雑の見える化における現状の整理」と題して、調査資料を公表しています。

新型コロナウイルス感染症の流行を機に、通勤時間帯等の混雑が緩和されたことを背景に、混雑を可視化し、鉄道利用者の混雑回避を促す有効な情報提供のあり方を検討することを目的としています。首都圏の交通のほか、小売店や各種施設の混雑状況についても参考として掲載されています。

・国土交通省資料
https://www.mlit.go.jp/tetudo/content/001375655.pdf

まとめ

感染症拡大をきっかけに、様々な場面で加速している混雑回避のための取り組み。
状況を見える化することで来客数や来訪者数の平準化につながることも期待でき、企業や行政側の業務効率化においてもメリットは大きいと考えられます。

また利用者側も、混雑が回避できれば待ち時間などの無駄が発生せず、効率的に活動しやすくなることが期待されます。

密回避という目的だけでなく、企業や行政側は働きやすく、利用者は動きやすくなることが期待されるこの取り組みは、今後もさらに多くの場面で活用されることでしょう。

加藤高士

様々な企業へCRMの導入支援を経て2012年4月株式会社ビジネス・アライアンスを設立。20年以上にわたり企業へマーケティング活動の支援を行う。マーケティングの視点から、予約ラボを通じて予約の可能性について研究を行う。

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