完全予約制を取る業態と理由の傾向を調査してみた
知る・学ぶ
前回、弁護士の話を聞いて、何気なく使っていた「予約」が実は本契約を意味することが分かりました。 そこで、ふと気になったのが「完全予約制」という言葉の定義。 「完全予約制」とは、必ず予約をしてからサービスを受けることができる制度と考えています。(つまりフラッとお店に立ち寄っただけではサービスを受けられないこと、ですね。) 「完全予約制」を取るサービスには何かしらの傾向があるのではないかと思い、調査してみました。 ■調査概要 サンプル数203件、Google検索にて自社サイトから情報を目視にて集計。 ウェブにて「完全予約制」を明示しているウェブサイトから、その業態や目的、いつから完全予約制としてサービス展開されたのかを集計。
完全予約制が最も多い業態について
完全予約制を取っている業態の約30%がクリニックでした。次に住宅販売や不動産などの建築に関する販売が16%、3位以下については、飲食、美容室、博物館など実に多種多様な業態が完全予約制でのサービスを展開していることが分かります。
完全予約制を採用する理由について
ウェブサイトにおいて、完全予約制を明示している理由が読み取れたものについて、4つの理由に区分けすることができました。 最も多かった理由が、41%を占める予約専用の「特別メニュー」でした。 ここで言う特別メニューは、そもそも通常のサービスとは別に、前もって店側も準備を要するようなサービス(もの)と定義しました。 数日前から事前注文を前提とした人員配置となっているような形態など、予約制にしないと成立しないサービス提供と考えていただければいいと思います。例えば特別なチョコレートやケーキの予約注文を受けてから製造販売するサービスや、予約専用のコース料理といった内容です。一方でサービス向上には席数やサービス提供時間を確保しお客様の満足度を高めたいためといった理由が読み取れました。 以下は、理由を業態別に示した結果です。
感染防止を目的とした業態で最も多いのはクリニックになります。続いて建築関係が21%、美術館・博物館が11%と続いていきます。
待ち時間の解消を目的とした完全予約制にしている業態のほとんどはクリニックになります。
特別メニューを理由とした業態の1位は24%を占める美容室・サロン。続いてクリニック、住宅販売、体験型アクティビティと続きます。
接客レベルを向上させるため、席を確保してからしか受け付けないなどの完全予約制を設置している業態になります。1位が飲食、2位がクリニックと続きます。
コロナ禍前から完全予約制サービスを実施していた業態とその理由について
コロナ禍前から、完全予約制を実施していた業態の1位はクリニック、2位が美容室・サロンになります。 クリニックに特化した調査ではないため、診療科目は調査をしていませんが、コロナ禍前からも待合室の混雑回避などを理由に、完全予約制を実施しやすかった業態がクリニックと言えるのではないでしょうか?
コロナ禍前は、完全予約制を前提にした専用のサービスを考案されて、ビジネスモデルとして取り組まれていたと言えます。
まとめ
今回のネット調査では、以下のことが分かりました。
- 完全予約制を実施している最も多い業態はクリニックで全体の28%。多種多様な業態が完全予約制を実施していました。
- 完全予約制を実施している理由は大きく4つ。特別メニュー、感染防止、サービス向上、待ち時間の解消に分かれました。
- コロナ禍前から完全予約制を実施していた業態も1位がクリニックでした。