クリスマスケーキは店舗で受取が主流? 2022年各業態別に見るクリスマスケーキ予約の運用傾向
調査
INDEX
予約ラボでは、季節ごとに「予約」を受け付けているイベント予約方法の詳細を定期的に調査しています。今回は、1年を通じて最もたくさんの予約を受け付けているイベントのひとつ、クリスマスケーキの予約についてネット調査をいたしました。
今回は、以下3点に注目して、業態ごとに比較していきたいと思います。
- 予約受付方法
- 予約の特典(予約をすることで得られるメリット)
- 受取方法
- <調査方法>
- ※クリスマスケーキの予約を扱っている実店舗のある企業
(予約不要で当日販売をおこなう企業は調査対象外とする)・調査数:44(内訳:百貨店12,スーパー10,コンビニ4,ホテル10,小売店8)
・調査期間 2022年10月1日~2022年10月19日
・調査方法 それぞれの自社ホームページに記載されている情報を集計
目次
全体の傾向
まずは、調査対象となった企業、全体の傾向についてご紹介します。
予約受付方法について
今回の調査対象は、実店舗がある業態に限定しましたが、様々な予約方法の中でも「ネットのみ」が約16%と少ない傾向にあります。クリスマスケーキなので、予約時に実物を確かめることは難しいですが、約7割の企業が店舗での予約を主流として受け付けています。
今回調査した多くの企業では、クリスマスケーキの予約について受付期間が設けられていました。10月上旬から12月中旬が平均的な予約受付期間となっています。
本調査では、当日販売を実施する企業については調査項目に含めていないため不明ですが、調査対象企業では、締切日までの注文数に応じてクリスマスケーキの生産をおこなうことになります。つまり、受注生産型の販売ということです。販売側としては、食品ロスの観点からも、できる限り予約型の注文を取りたいのではないか、と考えられます。
予約の特典について
調査対象44件のうち予約者に各種特典を付与している企業は25件となっています。
特典の内容や、特典を受けるための条件は様々ですが、予約特典のある企業25件のうち、21件(8割以上)が早期予約を条件としています。
そして、早期予約の予約特典の内容としては割引やポイント還元、クーポンなど値引きに相当するものが多いことが特徴です。予約受付期間内でも、とくに早めの予約には特典がついているケース、つまり、早い時期に予約をするほど、クーポンや値引きなどにより消費者にお得感を持たせるというものが目立っていました。
一方で、高額購入やセット購入を予約特典を受ける条件として設定している件数は少なく、早期予約以外には、アプリからの予約、ラインのお友達限定、早期お届け等が散見されました。
受取方法について
受取方法については、一部配送も含まれるものの、店舗での受取が主流となっているようです。
受取時間を指定している企業は全体の約27%となっていました。
配送や置き場所の問題から時間帯で用意できる在庫数に限りがあるために時間指定が必要な場合がありますが、クリスマスケーキを受け渡す際の行列も、受取時間を指定することで解決する可能性は高そうです。
業態別での比較
次に、業態別の傾向を見てみましょう。
予約受付方法について
各業態によって母数は異なりますが、スーパーは店舗のみで予約を受け付けている割合が他の業態に比べ高いことが読み取れます。また、予約の受付方法が電話のみであるのはホテル業だけでした。ことが特徴的です。すべての業態において、ネット予約は活用されているようです。
予約の特典について
予約による特典の有無については、百貨店が最も特典ありの割合が少なく25%、次にホテルが50%と半数でした。
また、予約特典ありの割合が高いのは、スーパーの70%、小売店の75%、コンビニにおいては100%となっていました。
特典を受けるための条件としては早期予約が最も多いですが、小売店ではネット予約やオンラインショップ限定、早期お届けなど、店舗における応対が軽減される場合に適用されることもあるようです。
特典の内容としては、クリスマスケーキ購入価格からダイレクトに割引されるケースは、スーパーが70%、ホテルが80%と比較的高い割合になっていました。百貨店やコンビニではお買い物券やクーポン、ポイント還元など、その後の購入目的としたものが多く、小売店では記念日ごとのリピートを促すためか、複数の特典付与があるケースも見られました。
受取方法について
受取場所が店舗(ホテルを含む)のみとなっているのは全体の約6割と高い傾向があり、ホテルにおいては、今回の調査では配送を取り扱っている例がありませんでした。
また、受取時間については指定していない割合のほうが高く、百貨店やスーパー、ホテルでは8割から9割が時間指定をされていないようでした。
一方で、小売店においては受取時間指定の割合が6割以上と高く、混雑回避への意識が強いことがうかがえます。
<まとめ>
今回は、クリスマスケーキの予約について、受取方法や特典に着目して業態ごとに比較調査をおこないました。一口にクリスマスケーキの販売企業と言っても、自社で製造している、メーカーに発注している、完全予約制をとっている、当日販売を見越した生産体制をとっている、など様々です。
いずれにせよ、賞味期限の短い商品のため、様々な購入方法を選択できることで、食品ロスが出ないような取り組みにつながることが望ましいと感じました。