【予約ラボ会議コラム】時間指定でも順番待ちでもない「時間帯の予約」について
考察
7月の予約ラボ会議では、銀行の来店予約についての話題が持ち上がりました。
銀行の来店予約については、2021年11月のコロナ禍に、各銀行の来店予約の実施状況や内容について調査をいたしました。
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銀行業界における来店予約の受付方法や予約対象業務の傾向
上記調査時点においても、信託銀行を除く店舗型の金融機関では来店予約制が導入されており、とくに都市銀行に至っては100%来店予約の仕組みを導入されていた結果となっていました。しかし、同じ銀行でも、店舗によって予約の内容が異なるケースもみられました。
予約できる内容としては、各種変更や解約といった手続き業務(入出金や振込は含まない)、資産運用や相続といった各種相談などが主となっていましたが、都市銀行でも一部の店舗や地方銀行においては、手続きを目的とした来店予約が不可となっているケースもありました。
そして、2023年7月に再度簡易調査をおこなったところ、都市銀行においては、一部の特殊な店舗を除き、ほぼ全店舗においてさまざまな目的での来店予約が可能となっており、口座開設や預入・解約といった手続き業務の予約が不可というケースもありましたが、現在は予約可とする店舗が主となっているようです。
そこで気になるのが「時間を指定して予約した顧客を待たせるケースがあるのか」ということです。予約ラボメンバーは、全員一致で「所要時間で約束をしていない限り、待ち時間はゼロにはならない」という結論です。
例えば、弁護士などの専門家に時間チャージで相談する場合と対比してみましょう。
こうした法律相談に関する料金は、多くの場合、時間単位になります。仮に時間内に解決しなかった場合は追加チャージを支払う前に「延長できるか」の合意が必要になります。
専門家の次の予定が空いていれば追加料金を支払えば延長が可能になりますが、次の予定が埋まっていれば、次回のために再度予約を押さえる必要があります。つまり、銀行においても有料か無料かは別問題として、所要時間を考慮した合意が予約段階で不可能であった場合、次の顧客を待たせるというケースが発生することになります。
つまり、このような手続き業務といった「所要時間が完全に合意できない場合の時間予約」は、あくまでも「時間帯の予約」ということになり、予約段階で顧客との合意をとっておく必要があるということになります。