【予約ラボ会議コラム】予約とダイナミックプライシングについて
考察

今回の予約ラボ会議は、予約ラボのコラムでもおなじみの、関東学園大学経済学部・中谷淳一准教授と共同研究テーマを決めていくためのフリーディスカッションとなりました。
現在進めている「予約における希少性とタイムプレッシャー」に続く研究テーマとして、「予約とダイナミックプライシング」についてのディスカッションです。
ダイナミックプライシングとは、製品やサービスに対し価格を固定せず、主に需要と供給に基づき変動させる価格決定の仕組みです。この仕組みが消費者の予約心理にどう影響するのかを研究していこうという試みです。
ダイナミックプライシングは、航空チケットやホテルの価格では一般的になっています。価格が状況において異なるという広義の意味においては、昨今適用された「東京湾アクアライン」の土日料金・平日料金の設定や、野菜の価格、高級すし店の時価等、たくさんの事例が思い浮かんできます。
この変動価格制は、事業者側の利益視点で見れば、繁忙期に儲けて閑散期の需要を喚起するという目的があるものの、全体のメリットは需要の平準化における混雑緩和にあります。
以前の雑談の中で、高速バスの便ごとの変動運賃制度や、飲食店のランチピークタイムの割増料金(遅い時間の割安料金設定)、野球観戦時の駐車場の変動料金制等、消費者が見慣れないなと思うような場面での、変動料金制度にトライしている業界もあります。
確かに、高いお金を出しても繁忙期にいつでも予約ができるという価値にニーズがあるという意見もありましたが、果たして消費者から見れば、変動料金制に対して、不信感や抵抗はないのでしょうか? 一部の業界だけで納得感が得られるのでしょうか?それとも消費者が納得するための要素や仕組みが存在するのでしょうか?消費者の満足度との相関関係はどのあたりにあるのでしょうか?
ディスカッションを進めれば進めるほど、話が広がる内容になってきましたが、価格が変動することで消費者の満足度にどのように影響するのか?予約行動との関係性はどのようになっているのか?という点で、研究していくことになりました。