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宿泊施設のキャンセル規定に関する調査

知る・学ぶ

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2020.10.22
宿泊施設のキャンセル規定に関する調査
加藤 高士

様々な企業へCRMの導入支援を経て2012年4月株式会社ビジネス・アライアンスを設立。20年以上にわたり企業へマーケティング活動の支援を行う。マーケティングの視点から、予約ラボを通じて予約の可能性について研究を行う。

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概況

今回の調査では、ウェブサイトから予約を受け付けているホテルや旅館などの宿泊施設について、独自で掲げているキャンセル規定やキャンセル料金について調査、先払いの有無・キャンセル料が一部または全額発生する期日(条件)などを集計いたしました。

宿泊施設全体として、先払いについて必須とする施設は約8%に留まり、先払いも可能という選択形式を提示している施設は約4割でした。

キャンセル料発生日については、団体予約と個人予約で分けて考える必要があると判断し、それぞれで集計いたしました。
施設ごとに団体の定義が異なるようですが、団体定義が明確にされている施設のうち約4分の3では、15名以上が団体として扱われています。
団体予約については、宿泊予定の20日以上前からキャンセル料が発生する施設が大半を占め、反対に個人予約の場合は、20日以上前のキャンセルで料金が発生する割合は5%以下と低くなりました。

また個人予約でのキャンセル料が全額負担となるタイミングについては「当日等」とした施設が全体の9割以上でしたが、条件に「不泊」や「無連絡」と記されている施設も多くあり、「当日等」の「等」には、無連絡などの悪質なキャンセル以外は施設側の一定の配慮の意味があることも読み取れました。

先払いを必須としている施設は全体の約8%

予約時の決済について調査を行ったところ、以下の結果となりました。

予約時にカード決済等で先払いを必須としている施設は、全体の約8%に留まりました。
先払いを行っていないと表記してある施設と、先払いに関する記載がない施設が合わせて約46%なので、全体の半数近くはウェブ上で予約を受け付けているものの先払いを必須にしていないと言えます。

先払いを選択することで、宿泊当日の利便性は高まると予測できますが、施設側としてはお客様の意向に沿った決済タイミングを提供していると言えるでしょう。

団体予約に対する有料キャンセル発生日は20日前から39日前がボリュームゾーン

有料キャンセル発生日を調査するにあたり、団体予約と個人予約を分けて考える必要があったため、ここでは各施設が団体と定義している予約に対して一部でもキャンセル料が発生する期日を、宿泊日からさかのぼり〇日前として集計しました(※参考:各施設の団体定義について)。

団体のキャンセル料定義が設定されていない施設が約6割あったため、定義が設定されている4割についてのみ何日前からキャンセル料金が発生するか調査したところ、20~39日前が65%と大半を占めていました。それ以前からキャンセル料が発生するとされている施設も含めると7割以上を占めることから、団体については宿泊予定日から20日以上前のキャンセルであっても料金負担が発生する傾向が高いとみられます。

個人予約に対する有料キャンセル発生日は3日前から9日前がボリュームゾーン

個人予約に関しては、施設ごとにキャンセル料の額や条件は異なりますが、5日前から9日前が34%と最も多く、3日前の24%と合わせると約6割を占めました。当日から2日前など直前のキャンセルも合わせると約8割となります。つまり個人の場合、大半の宿泊施設では10日以上前のキャンセルについてはキャンセル料の徴収をしていないということが分かります。

最短で当日から、最長で31日前からキャンセル料が発生する施設がありましたが、平均すると6.6日、約1週間前にキャンセル料が発生するという傾向があります。

個人予約に対する全額キャンセル料金発生日は当日が59%

団体についての全額キャンセルの発生基準には様々なパターンがあることから明確に示しているところはなく、ここでは個人予約における全額キャンセル料発生日について集計いたしました。
このうち、キャンセル発生日について記載がない、および発生しない施設1割を除いた結果、当日と記載されている施設が約59%、不泊の場合が約8%、無連絡の場合は約24%となりました。

つまり、当日のキャンセルであっても事情によっては配慮され、キャンセル料が全額負担とならないケースも一定数あるということになります。

<参考> 各施設の団体定義について施設ごとに団体の定義はそれぞれあるようです。一部部屋数での表記もありましたが、ここでは、1部屋4人と換算して集計を行いました。団体定義について記載がなかった約6割の施設を除くと、15名以上を団体として取り扱っている施設が約76%になります。

調査概要
サンプル数 101件
調査エリア
業態内訳
調査方法
インターネットから、独自の自社Webサイトで宿泊予約を受け付けているホテルや旅館を任意でピックアップいたしました。そこから宿泊規定を読み取り、共通項目に置き換え集計いたしました。
調査期間
2020年9月

加藤高士

様々な企業へCRMの導入支援を経て2012年4月株式会社ビジネス・アライアンスを設立。20年以上にわたり企業へマーケティング活動の支援を行う。マーケティングの視点から、予約ラボを通じて予約の可能性について研究を行う。

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