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大手旅行代理店のキャンセル規定調査

知る・学ぶ

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2021.01.08
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大手旅行代理店のキャンセル規定調査

加藤高士

様々な企業へCRMの導入支援を経て2012年4月株式会社ビジネス・アライアンスを設立。20年以上にわたり企業へマーケティング活動の支援を行う。マーケティングの視点から、予約ラボを通じて予約の可能性について研究を行う。

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今回は、大手旅行代理店6社のキャンセル規定について調査をいたしました。
前回、前々回のレポートではホテルや旅館などの宿泊施設のキャンセル規定ポータルサイトのキャンセル規定について調査しました。
それらの結果と比較すると、大手旅行代理店のキャンセル規定は、ほぼ一律になっていることが読み取れました。
また予約時の申込金(事前決済)については原則必須とされており、宿泊施設への直接予約およびポータルサイトでの予約と異なる傾向があることもわかりました。

全体を通じて宿泊の場合は、キャンセル料が発生する日時は旅行日の3日前から旅行代金の20%となっています。
全額キャンセル発生の条件についても、無連絡の場合となっています。

■調査対象
大手旅行代理店6社
※各社のウェブ上に掲載されているキャンセル規定を読み取り、共通項目になるよう整理いたしました。
(2020年11月時点の情報)

キャンセル料金の発生日は宿泊のみで3日前から

宿泊のみの場合は、おおむね3日前からキャンセル料が発生するとされています。D社とF社は、ポータルサイト予約と同様に、旅行代理店としての規定は設けていないことが分かります(A社・B社は規定を設けているものの、一部対象外あり)。
JRや飛行機のチケットがついている予約については、それらの交通機関の規定に準じた形で20日前からキャンセル料が発生しています。ほとんどの場合、交通機関とセットの予約であっても、宿泊と交通機関を切り離してキャンセル規定が適用されています。

全額キャンセル料が発生する期日は、旅行開始後および無連絡

こちらは旅行代金の全額がキャンセル料として発生する期日と条件になります。キャンセル料の発生日と同じく、おおむね旅行開始後または無連絡で不参加の場合に、代金全額がキャンセル料として発生するということが読み取れます。D社とF社は宿泊先の規定に委ねられています。

キャンセル料は3日前から発生

こちらは、宿泊のみの場合におけるキャンセル料金の表になります。ほとんどの旅行代理店において3日前から前日までは一律20%、当日においても旅行開始時間までにキャンセルの旨を伝えると、キャンセル料としての負担は代金の50%にとどまっています。代金全額がキャンセル料として発生するのは、旅行開始時間以降の連絡または無連絡の場合のみとなっていました。D社は宿泊施設の規定に委ねられていました。

 

<参考>

交通機関とセットの予約の場合は、各交通機関のキャンセル規定が適用されて、キャンセル料も細かく設定されていることが分かりますが、各社おおむね一律であることが読み取れます。

申込金として事前決済は必須に

旅行代理店の場合、ほぼすべての予約において予約金として事前決済が必要となっていることが分かります。一部選択形式や現地決済プランの予約もあるようですが、あくまでも例外的な扱いになっています。
これとは逆に、以前行った旅行予約ポータルサイトのキャンセル規定調査では、予約時に申込金が必要な施設はわずか3.7%でした。また、宿泊施設のキャンセル規定に関する調査においても、予約時の先払いを必須とする施設はわずか8%であったことから、事前決済が必須であることは極めて特徴的であるといえます。

考察1 事前決済の有無がキャンセル規定の条件を左右しているのではないか

思い出していただきたいのが、宿泊施設に直接予約する場合のキャンセル料が発生する期日です。
宿泊施設に直接予約した場合、キャンセル料が発生する期日のボリュームゾーンは5日前から9日前でした。このキャンセル発生期日のボリュームゾーンが異なる点は、おそらく「事前決済を済ませているか」と関連性があるのではないかと考えます。予約時の申込金が、ある意味デポジット(保証金)のような役割を果たしており、その分大手代理店におけるキャンセル規定は3日前から当日という「急な予定変更」を想定したギリギリのラインまで受け付けるという緩やかな設定になっているように思えます。

考察2 悪質なキャンセル問題は事前決済で防げるのではないか?

今回の調査で分かったことは、大手旅行代理店を通じた予約の場合、事前決済を済ませた上で、ほぼ一律でキャンセル規定が運用されているということです。そして規定に沿った形でキャンセル料が請求されていることから、いわゆる悪質なキャンセル問題は発生しにくい仕組みになっていることが推察されます。

宿泊施設への直接予約や、ポータルサイトを通じた予約の場合、事前決済が求められるのはレアケースでした。つまり事前決済がないことで、ユーザーは予約を「仮押さえ」的な予約として捉えているケースが少数ながらあるのではないかと考えます。

 

加藤高士

様々な企業へCRMの導入支援を経て2012年4月株式会社ビジネス・アライアンスを設立。20年以上にわたり企業へマーケティング活動の支援を行う。マーケティングの視点から、予約ラボを通じて予約の可能性について研究を行う。

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