ネットで注文・店舗で受取サービスの傾向を調べてみた(衣料品・日用品・電化製品編)
調査
これまで予約ラボでは何回かに分けて「ネットで注文・店舗で受取」型のサービスについて取り上げてきました。
今回の記事では、主に衣料品や日用品、電化製品を中心とした小売業において、このサービスを導入しているECサイトをピックアップし、その詳細を見ていきたいと思います。
そこで今回は「ネットで注文・店舗で受取」型のサービスを表記している衣料品や日用品、電化製品などを扱っている34の企業ウェブサイトを対象に、在庫や決済、サービスの訴求ポイントについて調査いたしました。
調査概要
調査対象 調査(抽出)日:2022年4月22日 |
では、このネットで注文・店舗で受取可能な34のウェブサイトを見比べていきたいと思います。
店舗の在庫をウェブ上で確認できるサイトは約8割
34社のうちの27社、約8割のウェブサイトでは、店舗の在庫がその場で確認できる、つまり店舗の在庫をウェブサイトでも販売(取り置き)できる仕組みになっていることがわかりました。
従来のECサイト運営では、様々なオペレーションから、店舗在庫とEC在庫は別で管理することがシンプルな選択でしたが、店舗在庫をウェブサイトでも販売する仕組みでは、より複雑なルールが必要になってくるといえます。
また、残りの約2割は、その場で在庫確認はできないものの、後日郵送することも可能となってます。
決済方法は、ネット決済と店舗決済に分かれる傾向に
次に気になるのが決済のタイミングです。
今回の調査では、決済方法を選択できる店舗の割合が8.8%となっており、店舗決済かネット決済かはほぼ二分している結果となりました。
ほとんどの店舗が送料無料を訴求
本サービスをどのようにユーザーに訴求しているかについてですが、約8割の店舗が送料無料を訴求ポイントとしています。
衣料品や生活用品の通常のECサイトの場合、5,000円以上など一定の購入金額を超えないと送料無料にならない場合がほとんどなので、店舗受取はユーザーにとってもメリットが大きいと考えられます。
最後に
今回の調査では、ネットで注文・店舗で受取を行っている小売業を中心に、在庫と決済という視点で傾向を見てみました。
前回の食品スーパーやモバイルオーダーを導入している飲食店の調査では見かけなかった用語として、これらのサービスを「BOPIS(ボピス)」と表現しているウェブサイトがいくつか目にしました。
これは「Buy Online Pick-up In Store」の頭文字を取ったもので、ECサイト等で購入した商品を店舗で受け取るサービスを意味するそうです。
言葉の厳密な定義はさておき、作業服の専門店として店舗展開する「ワークマン」では、女性用ワークスーツシリーズのうちウェブ注文で店舗受取専用品を「BOPISとして販売」と表現しています。
またワークマンのように、これらのサービスを「BOPIS」と称し、店舗受取に特化したEC戦略を打ち出している企業もあります。
このような実店舗がある企業では、受取の選択肢を広げることがビジネスチャンスとなる可能性があるのかもしれません。
次回はユーザーが本サービスをどの程度認知・利用しているのか?についてインターネットアンケートの結果を報告していきたいと思います。ご期待ください。