予約制のドライブスルー型マルシェ

2020/06/29

予約制のドライブスルー型マルシェを体験して気付いた3つのこと

緊急事態宣言は解除されたとはいえ外出自粛が続いています。先日公開をした記事「コロナ禍~今後の店舗の販売・提供方法の変化とドライブスルーの可能性」の企画中に、ドライブスルー型マルシェがあることを知りました。そのマルシェは事前予約システムを活用して、「混雑」「密」を解消しながらマルシェを運営されています。そこで早速実際に注文して取材をさせていただきました。

今回は事前予約システムの良し悪しという視点ではなく、実際の利用者として「いったいどのような仕組みで商品を受け取れるのか」「通常のお買い物と何が違うのか」「ネットで注文するECと何が違うのか」等、体験しなければ分からない感想を中心に記事を進めてまいります。

 

今回取材したお店は、千葉県いすみ市にてドライブスルー型マルシェを運営されている『ナカガワお持ちかえりBOX』様です。

サイトから事前注文した商品を受け取りに向かった先は、システム的な雰囲気はまったくない、またいわゆる地方の直売所的な店舗の雰囲気もまったくない、民家にある駐車場でした。

 

今回の取材を通じて強く感じられたのは「段取りの良さ」です。

決して広くない駐車場に混雑することなくお客様が車で訪れ、数分で商品を受け取りお帰りになります。

また事前注文ならではの「名前で呼ばれる心地よい接客」など、事前注文システムで得られることを報告させていただきます。

 

『ナカガワお持ちかえりBOX』様 概要

『ナカガワお持ちかえりBOX』

https://nakagawatakeoutbox.cotol.jp/

複数のマルシェ出展者の商品を同時に事前注文できるサイト。
火~木曜日に予約を受け付けて、その週の土曜日に受け取りができます。
ご注文時に受け取り時間を選択します。

●コンセプト
おうちでマルシェ気分を! おいしいものいろいろ楽しもう!
いすみ市の山側の仲間たちと、みんなで何かできないかとはじめたお持ち帰りセット。

●お渡し場所
おにぎり工房かっつあん(千葉県いすみ市増田587-2)

●注文方法
以下のサイトの、それぞれの出店者さんのページから希望の商品をクリックするだけで、
事前注文をすることができます。
https://nakagawatakeoutbox.cotol.jp/

●協力
株式会社リザーブリンク
https://reservelink.co.jp/

●事前注文システム『COTOL』
https://cotol.jp/

まずは、ウェブで注文!

ドライブスルーマルシェの開催日は毎週土曜日。私が注文したのは締め切り日の木曜日だったので、少々慌ててウェブサイトから注文しました。

 

中川マルシェサイト

 

※商品販売ページ

複数のマルシェ出展者の商品が同時に事前注文できるサイト
『ナカガワお持ちかえりBOX』
https://nakagawatakeoutbox.cotol.jp/

商品を選びカートに入れるところはネット通販とまったく同じですが、異なる点は受け取り時間を指定するところです。

決済は当日現金とのことでしたので、商品選択→受け取り時間指定→個人情報入力といたってシンプル。

ただ、取り扱われている商品が普段あまりネット通販では見ない価格帯で驚きます。ハーブソルト20グラム100円、レッドオニオン120円など。

商品受け取りへ!

カーナビを頼りに車を走らせていると、お店や直売所的な建物が見当たらず道に迷ってしまいました。

事前注文していたため、お店の方が探していてくれたようです。声をかけていただき、「お待ちしておりました」とドライブスルーまで案内していただきました。

何もない道ですが、ここを右に曲がると…

ドライブスルーマルシェがありました。商品受け取り場所にパラソルが立っています。

注文商品がトレーで運ばれてきて、お客様が用意した袋や箱にお店の人が詰めてくれます。

バックヤードとして商品のピッキングに使われている民家の様子

お客様の注文ごとに事前に仕分けられた商品トレー

事前に仕分けられた商品トレーが、たくさん並んでいました。

感じたことその1 「段取りの良さ」

到着したのは、土曜日の午前10時30分。普段なら人気マルシェとなれば、それなりに混雑が発生する時間です。
場所は民家の駐車場だったのですが「マルシェ=混雑」のイメージとはまったく違う、事前準備をされた無駄のないオペレーションに驚きと感動を覚えました。

ドライブスルーマルシェの事例

1日の販売イメージ

今回は取材ということで、自分の受け取りが済んでからもしばらく様子を拝見していました。

が、次の車が待機場で1台待っていることはあっても混雑とは程遠く、予め注文した商品が段取りよく受け渡しされていました。

感じたことその2 「事前注文ならではの接客」

お店の方から最初にお迎えされる時、名前で呼んでいただきました。例えるなら、予約していた旅館に到着したあの場面のようです。

これも通常のマルシェでの買い物では得られない、お店に対して親しみがわく体験でした。

後からお店の方に伺うと「普段(通常のマルシェの営業)は顔は知っているお客さんでもお名前やどこから来られているかは分からないけれど、ドライブスルー型だと名前などが分かり、親近感を持って接客できるようになりました」とおっしゃっていました。

また他のお客様との接客の様子を伺っていると、トレーから商品を詰めているちょっとした時間に「どこでこちらを知ったのですか?」「〇〇から来ていただいたのですね」などの何気ない会話が弾んでおり、ほんの数分ですが、お互いのことを知っているコミュニケーションがとても新鮮に映りました。

感じたことその3 「おいしい商品を買えた喜び」

わざわざ商品を受け取りにいくのだから、EC通販やスーパー等で買える商品では気持ち的にも満足しません。

今回私が購入したお気に入りは、ハーブソルト。
20グラム・100円という、EC通販やスーパーではありえない買いやすい価格で購入することができました。

手作り感あふれるかわいいパッケージも、直接お店の方から受け取れるからこそです。

取材を通じて

緊急事態宣言が発令された時、普段は通常のマルシェに出店されている仲間を集めて、このドライブスルー形式のマルシェをはじめられたそうです。フェイスブックを通じて既存のお客様を中心に声かけされているとのことですが、毎回30組程度が利用されているとのことです。

事前注文のため、商品ロスも待機時間も少なく、非常によい仕組みとして活用されている様子でした。

このコロナ流行が終わった後の普段のマルシェでも「せっかく並んだのに目当ての商品を買えない」ということがなくなるように、また混雑緩和のために、継続して事前予約システムを利用していきたいとのことでした。

今回は「事前注文することでお店もお客様も得られるメリット」についての所感を報告させていただきました。

確かに実際にマルシェで現物を見て買い物する楽しさは得られませんが、少ない待機時間で普段は味わえない「名前で呼ばれる心地よい接客」を受けることができたのも事実です。

 

この事前注文の仕組みは、コロナ禍における単なる一時的な応急処置というだけではなく、新たな消費の形のヒントになり得るのではないでしょうか。

私が幼少の頃にあった、母親が馴染みのお店に電話で予め注文して商品を受け取りにいくような、昔ながらの商売スタイルを思い出させてくれました。

事前に客の顔を思い浮かべながら、商品を準備する。自ずとone to oneなサービスが思いつく。

準備の時間があるからこそ生まれる「おもてなし」のように思います。

高士加藤
加藤 高士

様々な企業へCRMの導入支援を経て2012年4月株式会社ビジネス・アライアンスを設立。20年以上にわたり企業へマーケティング活動の支援を行う。マーケティングの視点から、予約ラボを通じて予約の可能性について研究を行う。

予約ラボでは、共同研究や予約に関する調査を行っています。

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